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 歴史を揺るがす仰天仮説とか奇想天外な仮説が幾つも書かれているけれど、アセンション系の著作を読んでいる人々にとっては、仰天でも奇想天外でもなく「そんなの当然じゃん」という話が殆ど。2007年6月初版。

 

【コペル君を擁護したガリちゃん】
 ガリレオといえば、ピサの斜塔からの物体落下実験のことで有名だけれど、以下のような点を知っている人は、それほど多くないのかもしれない。
 『天文対話』と名づけられたこの本のなかでも、ガリレオはコペルニクス説を支持し、信念を貫いた。(p.82)
 で、ガリちゃんはコペル君と同様に宗教裁判にかけられた。
 「ガリレオは有罪。よって終身刑を申しわたす。」 (p.82)
 これによって、69歳から亡くなる77歳まで、24時間監視付きの軟禁生活を送ったと書かれている。
 亡くなった当初、ガリレオは一般の墓に埋葬されたが、その後、偉大な功績が認められて、遺体はイタリアの偉人たちが眠ることで有名な、フィレンツェのサンタ・ローチェ大聖堂に移された。(p.83)
 タイトル解題を兼ねて書き出しておいた。

 

【上杉謙信は女だった?!】
 上杉謙信の人物像に迫るべく、散在する資料を丹念に集め、無数の点を線で結んでいくもののその実像は容易につかめず、むしろ定説の「上杉謙信像」とは相容れない不可思議な事実が浮かび上がるばかり。八切氏は、次第にある疑念を抱くことになる。(p.153)
 もしかしたら、上杉謙信は「オナベ」だったかも・・・・
 あるとき、偶然の出来事から八切氏の注意を引いたのが「ごぜ唄」として当時の越後の民衆に広まっていた唄の一節である。「とらどし とらずき とらの日に うまれたまいし まんとらさまは 城山さまのおんために 赤やりたててご出陣。男もおよばぬ大力無双」 (p.153)
 「まんとらさま」とは、寅年うまれの謙信の別名「政虎」のこと。
 注目すべきは最後の「男も及ばないほどの力持ち」という部分である。・・・中略・・・。当時の万人周知の事柄だったと見ている。
 八切氏はまた、謙信女人説の論拠を、『当代記』に記された謙信の死因にも見出している。そこには当時「大虫」と呼ばれた一種の婦人病が死因と書かれており、当然男性には無縁の病気である。このほか、謙信が毎月10日前後になると腹痛を起こし、しばしば戦を休んだという記述も『松平記』など多数の文献に実在するという。月に一度の腹痛。それはまさしく月経痛を連想させる。・・・中略・・・。頭巾姿の謙信を思い出して欲しい。八切氏は謙信のトレードマークでもあるこの頭巾を、当時の越後の女性が愛用した「おこそ頭巾」だとみている。(p.153-154)
 川中島で何度も戦った甲斐の信玄ちゃん側の現代人も、越後の謙信ちゃんが「オナベ」だったなんて言うと思いっきり引いちゃうだろうから、「上杉謙信は当然“男”である」として、既成のデッチアゲに便乗し続けることだろう。

 

【奈良の耳成山】
 この山の名はミミナリではなく「ミミナシ」と読む。
 耳成山を歩いていた両氏は、参道にクチナシの花が咲いていることにふと気がつく。「ミミナシ」山に咲く「クチナシ」の花。・・・中略・・・。山上氏と飛鳥氏はすぐに地元の図書館に行き、古代の文献を調べた。その結果、耳成山にはクチナシの木が多数はえていたことが判明。
 と同時に、図書館のスタッフからも貴重な情報を入手した。耳成山のすぐそばを流れる米川は、かつて「目無し川」と呼ばれていたというのだ。
 ・・・中略・・・もしかすると、耳成山そのものが何かの「頭」を表す存在ではないのか・・・。(p.18-19)
 耳成山を頭として、飛鳥地方に分布している32の春日神社(藤原氏の氏神)を点で結ぶと、「楯と矛を持った巨大な兵士」の絵になることが図で示されている。で、その巨大な兵士が何を意味するのかは書かれていない。ガクッ。
 奈良盆地には何かしら秘められた謎があるのだろう。下記の著作もそれである。
    《参照》   『古代大和まほろばプロジェクト』 森嶋直樹 (文芸社)

 

【最もアホ臭い「温暖化を解決数する方法」】
 地球温暖化を解決する方法があるという。
 グレッグ・ラフリン博士が提唱する驚くべき仮説である。・・・中略・・・。それは「彗星の力をうまく利用することで、地球の軌道を変えることができる」というものだ。(p.45-46)
 ところが、この方法では、
 地球を太陽から遠ざけるには約一億年を要する (p.48)
 地球の軌道を変えるような所を通過する彗星より、地球に衝突する彗星の方が遥かに多いだろう。そのリスクを考慮して約一億年だという。馬鹿げている。
 そもそも、「プラズマ宇宙論」に則して考えるなら、太陽から地球を遠ざけたところで何の意味もないのである。
    《参照》   『太陽の暗号』 エハン・デラヴィ (三五館)
              【電気的宇宙論 =「プラズマ宇宙論」】
              【「核融合論」では太陽を説明できない4つの問題点】

 

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