《前編》 より

 

【TPPは日本経済を発展させる上で、最大にして唯一の道】
 TPPの正式名称は、「環太平洋パートナーシップ協定(Trance-Pacific Partnership)」、もしくは
 環太平洋経済連携協定(Trance-Pacific Strategic Economic Partnership Agreement)」。最初はシンガポール、チリ、ブルネイ、ニュージーランドの4カ国ではじまったのだけれど、参加国が増えるにつれて環太平洋の名がつけられるようになった。
 日本の経済、その未来を考えるときに、どんな選択肢があるかといえば、TPPが最大にしてほとんど唯一の道です。・・・中略・・・。
 もし日本がさらに遅れを取れば、産業の空洞化がいっそう深刻になるかもしれない。そうなれば、アベノミクスの第3の矢である成長戦略もうまく機能しなくなってしまいます。
 重要なのは、TPPに参加するか、しないかという選択ではなく、TPPに参加して何を選択するか ―― まして日本経済は大国ですから、TPPに与える影響も大きい。日本が、たとえばブルネイなどとまったく同じ条件になるというわけではないのです。(p.121)
 TPP参加は、工業製品にとってメリットなのは分かっているけれど、農業問題のデメリットと汚染食品の流入懸念があるから、大いに警戒してしまう。
 しかしながら、農業問題も、悪名高きモンサントに代表される遺伝子組み換え食品問題も、デメリットの直撃にはならない可能性があることが書かれている。

 

 

【モンサントの遺伝子組み換え食品対策】
 話題になることが多い遺伝子組み換え食品の表示義務の有無についても、単に「アメリカが押し付けてくる」といったものではありません。表示義務は日本だけにあるものではなく、オーストラリアやニュージーランドも義務づけているもの。TPP交渉でも、アメリカは表示義務に難色を示してきましたが、オーストラリアやニュージーランドが義務化に賛成の立場をとってきました。
 このように、「日本対アメリカ」という構図だけでなく、他国と連携して交渉できるのもTPPの利点です。実際、アメリカは遺伝子組み換え食品の表示義務を受け入れる方針に転換したようです。これは、TPP交渉全体の進展を重視してのことです。(p.161)
 現在の日本は、「遺伝子組み換え食品の表示義務はない」状態になっているのである。日本を守る意志がないどころか、日本を滅亡させようとする悪辣な官僚どもがアメリカの言いなりにやっているからである。
    《参照》   『2015年に来る真の危機から脱出せよ!』 中丸薫 (青志社) 《後編》
              【TPPとモンサント社】

 こんな状態なら真っ当な状態に戻すべく、むしろTPPに参加して多国間交渉の場で連携して、絶対に表示義務を復活させるべきである。
 複数の国家が参加するからこそ、全体最適の観点からモンサントのような邪悪な企業を経済圏全体から締め出すという取り組みだって可能だろう。

 

 

【農業の自由化によって生まれるチャンスもある】
 TPPでは、自由化率のパーセンテージは上がらざるをえない。・・・中略・・・。安倍総理もいうように、これはチャンスでもあります。農業の自由化によって生まれるチャンスもある。(p.140)
 安倍氏はこう語ったそうです。
「日本の農業は弱いのではないかという思い込みを変えることが重要だ。大胆な(農業)政策を講じて、若い人たちにとって魅力的な分野にしていく」
 また成長戦略の第2弾では、「若者が希望を持って働きたいと思える『強い農業』を作り上げる」とも表明しています。各地に農地集積の中間的な受け皿となる機関を創設し、民間企業にも貸しつけて、生産性を高める。そうして農業全体の所得を10年間で倍増させるのが目標だとのことです。
 TPP参加に向けても、農業を改革するためにも、正しい姿勢だというべきでしょう。(p.157)
 お米を作っている小規模農家と兼業農家は、補助金で守られているといっても、耕作機械の減価償却分をきちんと考慮すると米作は採算に合っていないのが実態である。農地があるから食べ料だけを作っている人々は、買った方が安いと言っている。つまり小規模農家と兼業農家の実態は、明らかに持ち出しなのである。故に、大方の兼業農家は、耕作放棄するか、農地保全のために農協に耕作地を提供することを選ぶのであり、そこから上がる収入はすべてが農協の収入になるのである。米作小規模農家と兼業農家にとって、現在の農業制度は「農業者利権」ではなく「農協利権」そのものである。農協は農民のために存在しているのではない。農林省に絡む利権集団のために存在している。その資金の流れの実態を知ったら、農民以外の人々でも「ふざけるな!」と一喝したくなることだろう。
 まあともかく、多くの農家は、何の利益もないこのような現状が続くくらいなら、TPP参加による大きな変化に期待するだろう。
 土地政策は、日本完全復活の大きな起爆剤になるはずである。
    《参照》   『トラ・トラ・ライオン!』  サミュエル・ライダー  マガジンハウス
              【土地三法を廃止せよ!!!】
              【 “アメリカからの自立” を目指すX計画 】

 

 

【TPPが日本に与える二種類の影響+α】
 一つは、従来持っていた強みを、さらに発揮できるようになるということ。(p.176)
 もう一つは、これまで弱みとされていた産業も強みに転換される可能性があるということです。(p.177)
 前者は工業製品について言えること。“関税障壁が低くなった大きな経済圏”という活躍の場を得ることで、その力はいかんなく発揮されることだろう。
 後者は、農業産品についていえること。経済圏が発展して各国が豊かになればなるほど、安全で美味しい日本の農産物が強く求められる可能性はより一層高くなるだろう。また、民間企業の技術を積極的に導入すれば、農業も工業と同様な視点で経営することが可能である。
    《参照》   『日本海から希望が見える』 沼田憲男 (情報センター出版局)
              【太平洋を塞ぐ、豊かで美しい大国】
              【農協と経団連】
 そして、TPPは交渉の段階から、日本人が国際人として向上する機会でもある。
 TPPのなかで力強く、粘り強く交渉していくことは、世界における日本の存在感、リーダーシップ力を高めることにもつながるでしょう。
 これまで日本は、常に「交渉がヘタだ」といわれてきました。私自身は、日本人の穏やかで控えめな性格を、むしろ誇りに思ってきました。しかし、それは人付き合いの面であって、国際交渉の場で控えめである必要はありません。
 しかし、政府の交渉担当者たちに会ってみると、用意周到、論理明晰、弁舌巧みな人たちでした。頼もしいばかりです。(p.177)
 最近、安倍首相は、若者が見るテレビ番組に出ているけれど、従来の首相とは違って、新しい日本の首相としてのリーダシップのあり方を示してくれているように思う。それにハンサムだしスマートである。
 このような日本のリーダーに続いて、日本人のタフ・ネゴーシエイターたちが、TPP交渉において、国際金融マフィアたちの企む罠を蹴散らして、日本と世界にとって最善の結果をもたらしてくれることを期待しよう。
 来年(2014年)以降の日本は、世界最大の経済圏となるであろうTPP(環太平洋パートナーシップ協定)の総幹事国となるべく、徐々に成長し発展し飛躍してゆくかもしれない。それを期待しよう。

 

 

【式年遷宮後の日本】
 最後に、経済とはいっけん何の関係もなさそうなことを書くけれど、今年式年遷宮を終えた伊勢神宮は、「金の倉」に遷座したという。現実界に先行する日本神霊界は、すでに繁栄のタイムラインに遷移していることになる。この本に書かれているように、アベノミクスの推進とTPP参加によって、日本はこれから大躍進する可能性が高いのかもしれない。
 いずれにせよ、地球風水である 『ガイアの法則』 によって、日本が世界の中心になることは既定の事実である。

 

 

<了>