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 この本には、著者が長年にわたって学んできたスピリッチュアルなことが、体系的に分かりやすく記述されている。タイトルに2012年と書かれているから、もう読む必要のない本と思うのは早計である。これから読んでも十分学べる箇所はたくさんあるだろう。(そもそも、マヤの長老たちは「地球進化の特異日は、2012年である」などとは言っていないことが、この本の中にも書かれている)
 特に死後の世界に関しては良き学びの書になっている。アセンションとは霊的進化のことであり、それ は肉体をもったまま霊的に進化する場合だけを意味するのではない。誰であれ死んで肉体を出る時は霊的進化の機会なのだけれど、生きている間にスピリッチュアルなことを学んでいないと、せっかくの機会を生かせないのである。2009年8月初版。

 

【スピリッチュアリズムの動き】
 人類の霊的進化に関しては、現在が第3次で、その前に第1次、第2次のスピリッチュアリズムの動きあったことが書かれている。
 霊界からの通信をもとに発展したのが第1次スピリッチュアリズム。臨死体験と前世療法をもとに発展したのが第2次スピリッチュアリズムだとすれば、第3次スピリッチュアリズムの潮流は、モンローや坂本氏の体験したような体外離脱をもとにさらに前進し、人類の誕生の経緯とその目的まで明らかにしようとしているのです。(p.83-84)
 ヘミシンクを活用して死後の世界を解明した、ブルース・モーエンさんと坂本政道さんの読書記録 は、このブログにいっぱいあるから、読み続けてきた暇人さんなら、おおよそのことは分かるだろう。

 

 

【第1次スピリッチュアリズム】
 『日本人のふるさと「かんながら」と近代霊魂学と「スピリッチュアリズム」』近藤千雄著から、リンカーンが参加していた降霊会の様子が引用されている。
 どうやら、奴隷解放宣言という、アメリカ人のみならず人類にとっても大事な決断は、高位の霊的存在の支援と導きによってなされたようです。(p.38)

 

 

【幽界、霊界、神界】
 第2次スピリッチュアリズムは、臨死体験や 前世療法 などを通じて世界的に展開してきた。臨死体験を経て本を著すようになった日本人に 高木善之さん がいる。
 これらの報告から分かってきたことは、物質世界の上に幽界、霊界、神界などが存在するということ。
 簡単にいうと、幽界は自らの死について十分な理解がない魂たちのいる場であり、霊界は理解が進んだ魂のための場でもあるようです。魂はこの霊界に帰還した後、ここで安らぎ、学ぶことで再生、すなわち生まれ変わりの準備を整えます。ただし、輪廻転生をこれまでに何度も繰り返し生まれ変わる必要のなくなった魂は、その上の神界へと進んで、人類の進化のための奉仕活動に入るのです。(p.44)
 幽界の中でも最下層は、以下のようなところ。
「そこでは、堕落した霊どもが互いに絶えず争いを繰り返していた。つかみ合いのけんかであり、互いに相手を殴り倒し、目玉をえぐり取っている。セックスの乱交と暴行、また欲求不満の唸りがいたるところに見られる。誰かが唾棄すべき考えを抱けば、それは直ちにすべての霊どもに知れ渡る」
   『死の扉の彼方』(モーリス・ローリング著)よりの引用 (p.63)
 これと同様な世界を生きている現実界の人間たちは、このような幽界最下層と霊的につながっている。幽界以上は意識界であり、肉体を持った人間がそれに近しい意識をもてば、その幽界の意識に深く共鳴し同調するがゆえに、憑依されて生き方を共有してしまうのである。

 

 

【分魂というシステム】
 人類の進化に関わる最大の因子は「寿命」なのだけれど、せいぜい100年程度の寿命だと学んだことを生かすことができない。
    《参照》   『超シャンバラ』 ダイアン・ロビンス (徳間書店) 《前編》
              【平和であり長命であることは進化にとって絶対不可欠な条件】
 そこで考えられたのが、分魂というシステムであると説明されている。
 地球生命圏にやってきた魂は自分自身をいくつかに分離し、さまざまな時代や国々に転生し、自然環境や生活状況が異なる世界でたくさんの経験を体験して、より多くのことを学ぶことにしたのです。(p.101)
 「分魂」は、「主神から分かれたもの」とか、波動帯域の違いとして説明される「パラレルワールド」と関連づけて表現されていることが多いけれど、輪廻のシステムに絡んでこのように説明されると、意外と思う反面、「なるほど」と納得しやすい。
 スピリッチュアルな世界においては時間や空間という概念はないから、カルマの原因は必ずしも前世とは限らないけれど、この分魂説を受け容れると、別の星で生きている分魂によって創られたカルマやトラウマも自分のカルマやトラウマになることになる。

 

 

【ダーウィンとウォレス】
 ダーウィンがイギリスの研究室で自然淘汰の研究に行き詰まっていたころ、マレーシア諸島で生物の進化を研究していた新進気鋭のアルフレッド・ラッセル・ウォレスという学者が、自然淘汰による種の起源の原型となる進化論を書きあげていました。
 ウォレスはその論文を、・・・中略・・・ダーウィン卿のもとに送ったのです。進化論の研究に行き詰まっていたダーウィンはそこに書かれていた進化論から多くの知識を得て、滞っていた進化論を一気に書き上げで有名な「種の起源」を世に出すことになったのです。つまり、進化論の真の生みの親はダーウィンではなく、このウォレスだったというわけです。(p.134)
 では、ウォレスはどう考えていたかというと、
 1870年に出版した『自然淘汰説への寄与』という本のなかで、自然淘汰をヒトの誕生に当てはめることは間違いであると明確に述べています。つまり、ウォレス本人は「ヒトはサルから生まれてなどいない」と考えていたわけです。(p.135)
 産業革命による近代化を成し遂げつつあったイギリスでは、弱肉強食を旨とする自然淘汰説のほうが社会を説明する上で都合よかったのである。ダーウィンはウォレスの意に反して時流に迎合した説を展開していたことになる。今日にまで地球を行き詰まらせ影響を与え続けている思想の根源に、このダーウィンの考え方があるのである。
 スピリッチュアルな世界を良く知る人々は、人間がサルから進化したというダーウィン説を全く受け入れていない。彼らは、宇宙人がDNAを操作して人類を作ったという説を取っている。
 生物学者の間でも、「サルからヒトに進化した」という説は不可能である(ミッシング・リング)と言われているけれど、既に確立している権威は、権威としていまだに人類の思考を支配し続けている。霊智(=叡智)のない人々は、地球という「閉じた系」の中でしか物事を考えることができないのである。

 

 

【星への帰還】
 7次元の琴座領域で誕生した魂が分魂に分魂を重ねて3次元の地球まで降りてきたのが私たちの魂。そしていま、その魂に帰還命令が下りました。その・・・中略・・・最終段階を促進しているのが、現在進行中の第3次スピリッチュアリズムだと言えるでしょう。・・・中略・・・。
 次元を上昇するということは、星々の世界へ帰っていくということ。これがアセンションということの本当の意味だったのです。(p.151-152)
 琴座領域とあるけれど、琴座は英語で「リラ」。琴座のプリズムによって分魂化されているという意味。下記のリンクを経て『プリズム・オブ・リラ』にどうぞ。
    《参照》   『未来は、えらべる!』 バシャール・本田健 (VOICE) 《後編》
              【パラレル地球】
 物質としての肉体も地球外存在の遺伝子操作によって創られてきたのだけれど、その肉体に宿る魂も、みな地球外起源である。
 遥か昔に地球に来て以来、何度も地球を輪廻転生場所としてきた魂もあれば、現在の地球が遭遇している稀なる時に合わせて、今回初めて、生まれたときから地球外存在が肉体に宿っているワンダラーや、人生の途中から憑依のようなウォークイン(意識の入れ替わり)をしているものなど、様々なパターンがあるらしい。
 シュタイナーの著作によると、キリストは何度もウォークインを経ているらしい。ウォークインの場合、周辺の人々から見ると、明らかに人格の変化が認められる。
    《参照》  『第五福音書』 R・シュタイナー  イザラ書房

            【三つの霊統】

            【ベツレヘムのイエスとナザレのイエス、そしてイエスの変容】
            【再びイエスの変容】

 ところで、近年、地球の人口が増加してきたのは、地球生命圏に生まれることを望んだワンダラーが増えたから。地球での主たるイベントが完了する2030年頃までに多くの魂が宇宙への帰還を果たすことになるから、地球の人口は現在の半分になる。
 また、既に4次元(霊界)は低層から順次消滅しているから、輪廻転生を選ぶことも不可能ではないけれど、その数はとても少なくなる。
 マオリッツオ・カヴァーロ氏 によると、アセンションせずに肉体を持った生命形態を選ぶ人や、周波数が低すぎてアセンション出来ない人は、木星に転生する(p.206、p.211)という。
 現在、銀河系の中心から地球を含めた太陽系に向かって多量の生命エネルギーが注がれてきています。このエネルギーは人々を覚醒させフォーカス27へ、さらにはフォーカス35の世界へと送り込み、地球生命圏から卒業させる力を持っています。(p.192)
 坂本政道さんの著作を読んでいる人なら、このような状況はよく分かっているだろう。
    《参照》   『有意の人』 船井幸雄 (徳間書店)

              【アセンションの意味】

 現在は誰でも、死んだのを機に星への帰還が可能であるらしい。生きている間にアセンションに関することを何も学ばなかったが為に、地縛霊になりそうな魂たちであっても、ヘルパーたちがその人達なりの思い込みに則して驚かさないように導いてくれるだろう。
 宇宙史の中で類稀なる時に遭遇している現在の地球は、人類に霊的進化(アセンション)をなかば強要しているような状況なのだけれど、そのことに全く無頓着な人々が未だに少なくないらしい。