イメージ 1

 スピリッチュアルな内容の著作かと思ったら、そうではなかった。日本文化を踏まえた生活のあり方が記述されている。特に、「そろそろ地方に引っ越してスローライフに切り替えようか」と思っている人々には、いろいろ参考になることが書かれているだろう。2008年2月初版。

 

 

【地球の現状】
 2001年の夏には、北極点の海面はなんと五千万年ぶりに顔を出しました。もし北極海の氷が消えると、どんな影響が出るでしょう。「海氷が融けても、海面上昇は起きないから心配ないでしょう」著者の知り合いの科学者が暢気に言い放ちました。本当でしょうか。答えはノー! (p.27-28)
 海氷の消失は、表層海流のみならず深層海流にも影響を与える。近年の世界中の振れ幅の大きい気候変動や異常気象は、両極の海氷消失と連動している。
 米国地球物理学会員である著者は、学界から様々な情報を受け取ります。 ・・・(中略)・・・ 現状では10年以内に、ほぼグリーンランド全域の氷河が、融け始めそうな状況です。(p.29)
 この後に、グリーンランドに住む人が国連で行った演説が書かれている。
 米国雪氷データセンターの研究者テッド・スカンボス氏は、北極海の夏季海氷の消滅は2040年どころか2020年と予測しています。スカンポス氏の論文は、米国地球物理学会の論文誌「ジオフィカル・レターズ」に載りました。 ・・・(中略)・・・ 論文が発表されるときは査読という審査を経ますから、スカンポス氏の研究が他の研究者にも認められた事実も意味します。個人的にはスカンポス氏の予想が当たるどころか、なお早まりそうな気がしてなりません。私たちがますます真剣に地球環境について考え、行動すべき時期が来ています。(p.30-31)
 この本が出版されたのは2008年。その時でも遅かったけれど、もう今からでは到底この流れを変えることなどできない。
   《参照》   『日本文明世界最強の秘密』 増田悦佐 (PHP研究所)
             【地球温暖化説の本質】

 

 

【欲望性自動化症】
 欲望性自動化症、特に金銭・商品依存症と地位・名誉依存症は認知度が低く、感染すると意識と愛が希薄化し、麻痺するため、自覚症状がほとんどなく、さらに強い伝染性のために集団感染する点が危険です。(p.37)
 地方行政を食い物にしているオッサン達は、金銭・地位・名誉の合併依存症である。
 あまりにも見事な実例がある。
 山梨県甲斐市・保坂武市長。
 ネットのプロフィールに趣味・読書とあったから「年に何冊読むか?」と訊いたら「1冊」で、公用車は高級車エスティマ、自家用車は運転手つき高級外車のBMW、5年前に住民税がいくら増額されたか全く知らず、図書館の空調修理要請を2年間無視して行わず、利権業者のために露骨に無駄な工事を幾つも発注しているから、これらを嘲笑った市民(チャンちゃん)との面会時には、「もう会ってやらねえぞ」と言う人間である。こういう人間が無投票で2期目(現在5年目)をやっているのである。頭はすっかりカラッポでも、金銭・地位・名誉欲に満ちてさえいれば国会議員や市長など簡単に成れるのである。地方行政のトップはどこもこんなものなのか? 欲望性自動化症もここまでくると“酷過ぎ”だろう。
 欲望性自動化症に感染し、利己的で強欲な人が国内に増えるほど経済が発展し、国が栄えると思われるかもしれません。一時的にはそうかもしれませんが、その種の発展は決して永続きしないことは明白です。・・・(中略)・・・現代日本が停滞している背後には、自分さえよければと云う強欲な人々が増えすぎた事実が潜んでいます。今後、我が国を本当の意味で発展させようとするならば、日本人がどのように変貌すればよいか明らかでしょう。
 「小欲のよく、もろもろの良き功徳を生ずるをや
  不知足(足りることを知らざる)の者、富めりといえどもしかも貧し
                     ゴータマ・シッダールタ」 (p.38-39)

 

 

【肉食の果報】
 食肉1キロの生産に穀物10キロが必要です。それだけ地球にも重い負担になっています。そんな理由で著者は、肉食をほぼ止めました。 ・・・(中略)・・・ この10年で一度食べたきりです。地球のため動物のためと肉食を減らしたのですが、その後、次のような情報を入手しました。肉食が多い人は少ない人に比べ、病気による死亡率がかなり高いという情報です。(p.72)
 チャンちゃんもここ2年くらい食べていない。きまぐれに去年の夏、一度、牛丼を食べたら、頭痛を伴う嘔吐と下痢で全部出てしまった。地球のためにならないことをすると、頭痛嘔吐になるし下痢になるんだから、もう絶対に嫌である。
 日本人が昔から摂っていた畑のお肉と言われる大豆製品、即ち、納豆、豆腐、きな粉で充分である。
   《参照》   『記憶力が驚くほど蘇る!』 板倉弘重監修 (赤坂出版)
             【大豆レシチン(アセチルコリン)】 【きな粉!!!!!】

 

 

【愛という鍵】
 著者が属する日本物理学会の月刊誌に、著名な物理学者による『愛は脳を活性化する』と題された論文が発表されました。スポーツ科学でも、愛の表現である笑顔で運動すると、運動能力が高まることが確認されました。人生において笑いがどれだけ救いになるか、ここで述べる必要はないでしょう。(p.88)
 愛を感じると脳は活性化し、運動能力も高まります。運動能力だけでなく免疫力さえ高まるという話もあります。(p.91)
   《参照》   『脳を活かす生活術』 茂木健一郎 (PHP)
             【愛という潤滑油】

 

 

【ボディコン】
 著者は『ボディコン』のファンです。いきなり何だ、とお思いでしょう、女性のボディコンも好きですが、著者がここで指すものは、エアコンに対するボディコンです。・・・(中略)・・・。ボディー・コントロール(身体調和)です。つまり、空気を制御する代わりに、わが身を制御して天候に調和させるのです。従って、著者は真夏でも自宅やオフィスで、ほとんど空調を使いません。もっぱらうちわや扇風機です。この習慣は、身体にも地球にも好都合ですが、身体が本来所持している調節機能まで高めます。これが著者のボディコンです。(p.133)
 最近の日本人の多くは、小さい頃から空調環境下で生きているから、身体調節機能がかなり衰えているだろう。チャンちゃんは室温が5度ほどであってもコタツのみで生活しているから、ストーブを焚いている部屋に入るとのぼせてしまって何もできない。冬場なのに25度を越える室内で生活していたら身体調節機能なんか狂って当然である。
 南極近くのフェゴ島に住んでいた原住民は、衣服を身につけていなかったという。身体は環境に慣れるようにできているのである。過剰エネルギー消費空調環境は地球にとっても人体にとっても全然エコじゃない。
 因みに、今年チャンちゃん家は豆炭のコタツに改装した。ひと月の電気代が5000円下がった。豆炭代はひと月1000円である。しかも電気ゴタツよりズット暖かい。
 <追記>豆炭コタツにしていたのは2年間のみ。その後は「マイカの岩盤浴 M-1000」を掘りコタツの中に入れている。暖かさでも豆炭より暖かい。電気代は上がったけれど、以前の「掘りごたつ用ヒーター」に比べたら電気代は月2000円程下がっている。最高出力は1000Wだけれど、1辺90cmの立方空間なので400W出力の設定でも暑すぎるほど暖かく、サーモスタットで自動的に温度調節しているので、電気代が驚くほど安い。しかも、岩盤浴は、体の芯まで温まるので、すこぶる快適である。もう、豆炭コタツに戻すことはないだろうけど、万が一の災害時には使える。豆炭炬燵の欠点は、温度管理が面倒な事と、コタツ掛けが汚れること。総合評価では、「マイカ岩盤浴」が断トツの一位。

 

 

【エコ生活で浮いた分・・・】
 日本人の1割がエコ生活をして節約し、全収入の1%でも、ユニセフ教会や他の慈善団体に寄付すれば、世界は確実に変わるでしょう。例えば、世界で毎日4万人もの命を奪う飢餓をなくすことさえできます! そしてそうするだけで、日本という国は自衛隊を海外に派兵するより遥かに効率的に、地球上から餓死を撲滅した歴史国家として世界中の人々に評価され続けるでしょう。(p.191)
 チャンちゃんはもう3年間、完全に収入ゼロだけれど、エコ生活をして浮いた分をほんの少しだけ他者のために使っている。海外の孤児たちに送金している額は、為替の変動で始めた頃の2倍になっているけれど、美食や高級車なんかには全然興味がないから続けられる。地球のためといえばカッコイイけど、誰かのために何か具体的に愛を実践していないと心が凍えるだけである。
 ケチを付けるようですみませんが、自動化された日本人の現状は次のようなものでしょう。毎日世界中で何万、何十万もの人々が餓死に瀕しても、自らの贅沢を追求するあまり、全収入の1%でさえも彼らを助けるために使いません。自動化のせいで、他人のことにまで関心が及ばなくなっているからです。(p.192-193)
 国家レベルの世界救済は、ほぼ実現しないだろう。日本国政府にはハルマゲドン大元帥の子分たちや、これに諂うワケアリ大臣しかいないのである。
   《参照》   『こどもの大統領』 加納眞士 (学研)
              【戦争の問題】

 

 

【本物の環境浄化を始動するために】
 私たちの先祖たちは天照大御神を通して太陽を敬い、スサノオ神を通して地球に感謝してきました。・・・(中略)・・・ 『神』という呼称に抵抗を覚えるなら、ただ、『愛』と呼べばいいのです。四方八方から注がれる『愛』に感謝で答えることは、至極当然ではないでしょうか。このように人として当然のことを実行しなくなったからこそ、現代人は多くの悩みを抱えているのでしょう。・・・(中略)・・・。
 禅僧は食事中は沈黙を守ります。沈黙し、集中し、自分を支えてくれる無数の命に感謝しながら食事をすると、沈黙の理由が分かります。食事がおいしいのです! そこで、感謝の念が深まります。食事だけでなく全てにおいて同様です。・・・(中略)・・・。
 すべてへの感謝が深まって、私たちは物質主義の迷妄から解放され、そのとき本物の環境浄化(=地球革命)が始動するのではないでしょうか。感謝とは、私たちのこころの血液であり、欲望自動化症を駆逐する特効薬でもあるからです。(p.229-230)
 他人と比較したり、もっともっとの気持ちがあればなかなか感謝は生じない。「生きてるだけで丸もうけ」というスタンスなら可能だろう。

 

 

<了>