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 2010年4月初版の 『中国元がドルと世界を飲み込む日』 よりさらに2年ほど前(2008年7月初版)に書かれた書籍なので、過去の経緯の確認のような感じで読んだ本である。それにしても、著者はなんでこんな「中国脅威論」のようなタイトルをつけたのだろう。中国を中心とした世界情勢が、バランス良く客観的に記述されているだけである。

 

 

【67年前に出来ていた「地震・津波兵器」による日本攻撃案】
 四川大地震は人為的に起こされたのではないかという記述の中に、以下のような記述がある。
 かつて米軍は日本に対して「地震・津波兵器」による攻撃を企図したことがあった。2005年4月に米国で公開された「地震を使った対日心理戦争計画」と題する米軍機密文書(1945年、CIAの前身である米戦略事務局によって作成)によれば、米軍は第2次大戦末期の1944年に地震学者達を総動員し、「日本近海の何処の海底プレートに強力な爆弾を仕掛ければ、人工的に巨大な津波が起こせるかシミュレーションを繰り返した」というのである。(p.13-14)
 これに関しては、p.91-92 にも詳細に記述されている。
 先にも書いたように、この本は、2008年7月初版の本である。
 67年前の研究の成果は、2011年3月11日に実際に東日本大震災として結実したわけである。
   《参照》   『闇の世界権力の「日本沈没計画」を阻止せよ』 中丸薫/レオ・ザガミ (ヒカルランド) 《前編》
             【東日本大震災は、ハープと核爆弾の組み合わせ】
             【闇の世界権力の世界人口削減計画】

 

 

【ミャンマーとインドネシア】
 アメリカは、日本以外にも気象兵器・地震津波兵器を用いた攻撃を何度も行ってきたのである。
 アメリカのミャンマーに対するサイクロン攻撃、インドネシアに対する地震攻撃で何を狙ったのか。
 ミャンマーの軍事政権が中国政府の後ろ盾を得ており、サイクロンが、同政権の支配強化をねらう国民投票の直前に発生したことはよく知られている。インドネシアの場合も、アメリカに追従していなかったという点ではミャンマーと共通している。インドネシアは対テロ戦争のため、アメリカ軍がマラッカ海峡を通過することを拒んでいたのだ。ちなみにアメリカ軍は、インド洋に浮かぶディアゴ・ガルシア島の基地に津波がくることをあらかじめ知らせておいたが、他の国には口外しなかった。(p.93)

 

 

【ダライ・ラマの要求範囲】
 これは中国サイドからの情報になるが、 ・・・(中略)・・・ 彼(ダライ・ラマ)が実現したい自治の対象は、「大チベット」なのだという。チベット自治区以外に、・・・(中略)・・・ 中国領土の3分の1を占める広大なものだ。しかも、 ・・・(中略)・・・ 行政のトップも兼ねる「政教合一」だ。事実だとすれば到底、中国が現実的に受け入れられるものではない。
 しかし果たして、これは本当にダライ・ラマ本人の考えによるものなのだろうか。(p.28)
 大方の日本人は、“チベット仏教とチベット住民を弾圧している邪悪な中国政府“という印象なのだろう。
 チベット周辺は地下鉱物資源の宝庫である。上記の中国サイドの情報が真実なら、ダライ・ラマは、”闇の勢力“の力に乗じて、あえて油を注いでいることになるだろう。
 新華社通信が、チベットの資源埋蔵量について報道した2007年1月、世界経済フォーラムの会場となったスイス・ダボスで、ある秘密の会合が持たれた。顔を揃えたのは、リオ・ティント・グループのポール・スキンナー、アングロ・アメリカンのトニー・トレアー、デビアスのジョナサン・オッペンハイマー、ニューモントのウェイン・マーディら。いずれも、鉱物メジャーの総帥たちである。6時間にわたった会合で話し合われたのは、ほとんど中国に関する話題だったというが、その詳しい内容は詳らかでない。 ・・・(中略)・・・ 。
 彼らがその席で、チベットについて話し合わなかったなどと考えられようか?
 発展途上国政府をそそのかし、現地住民の立てこもる鉱山に傭兵を差し向けてきた連中である。彼らがチベットに何をしたか、確たる証拠がなくともおおよその見当はつくというものだ。(p.209-210)

 

 

【光大実業公司とキッシンジャー人脈】
 キッシンジャーはアメリカの大資本の面倒を見る一方で、香港に本社を置く中国政府直属の総合商社・光大実業公司の顧問まで務めている。光大実業のバックには、趙紫陽元首相や劉少奇元国家主席のファミリーがいたといわれている。
 後の章で述べるように、キッシンジャーこそは中国、アジアに対する最大の謀略を立案した人物だ。(p.34)
 趙紫陽といえば、天安門事件で失脚させられてしまった善良な首相として記憶にあるけれど、こういう背景があったわけだ。
 ところで、キッシンジャーにつながる人物として、日本を「ひよわな花」と言い放ったブレジンスキーがいる。このオッサン、現在もオバマ政権の背後にいる。
 中国政府は日本政府のように「ひよわな花」ではないから、「民主化」を錦の御旗として中国を支配しようとしていた“闇の勢力”の謀略を、百も承知で未然のうちに防いできたのである。

 

 

【ブレジンスキーの対中工作案】
 オバマが民主党の大統領候補になったことによって、今後こうした秘密結社の中で、ブレジンスキーは発言力を増していくに違いない。
 ・・・(中略)・・・ 彼には独自の対中工作案があるという。その案とは、 ・・・(中略)・・・ 食糧難を起こし、内乱状態を引き起こさせるというものだ。そして中国にシベリアを侵略させ、最終的にはロシア軍、NATO軍、米軍を使って中国と全面戦争を起こすというものだ。(p.120)
 ブレジンスキーの対中工作案は、CIA内部告発者によって中国側にリークされた。
 上海協力機構の結束強化によって、中国をシベリア侵攻に追い込む目論みは、現実味を急速に失っているのである。(p.213)
 このように、“闇の勢力”が画策した中国発の第三次世界大戦勃発は、未然のうち防がれてきたのである。

 

 

【香港の「重慶マンション」での取材】
 重慶マンションとは、途上国のビジネスマンたちとバックパッカーたちが宿泊している名の知れた安宿である。
 「重慶マンション」で出会った、ケニアから貿易のためにやってきたという黒人に、中国の成長について意見を求めると、彼はこう答えた。
 「欧米人は200年間、アフリカと関わってきたが、経済面は少しも良くならず、生活は苦しいままだった。しかし中国が成長して、安くていいものを生産しているおかげで、われわれもモノを買えるようになった。欧米の商品は、どれも高すぎてかえなかったからね」(p.67)
 アフリカに対して搾取と略奪を200年間続けてきた欧米と、幾つかの問題があれ豊かさをもたらしている現在の中国。どっちの方がマシか自分で考えておこう。
   《参照》   『中国元がドルと世界を飲み込む日』 ベンジャミン・フルフォード (青春出版社) 《前編》
             【中国と関係を深めるアフリカ諸国】

 ところで、上記の記述の中に「安くていいもの」とあるけれど、日本人の目から見ると、これはちょっと頂けない。日本にも中国製の安い電池がたくさん輸入されている。しかし、放置しておくと液漏れを起こして電気製品自体を壊してしまうことがある。いざという時に必要な懐中電灯が2つオシャカになっていた。日本製の電池を使ったほうが安全だし安心だし結果的に安上がりである。

 

 

【インドと中国の歩み寄り】
 両国のこうした歩み寄りを可能にしたのは、実は「9・11同時多発テロ」だった。包括協力宣言には、アメリカの一極支配に反対する意思が明確に表れている。アメリカがアジア支配の布石として自作自演した「9・11」が、最強の「反米同盟」を実現させてしまうとは、まさに歴史の皮肉というほかない。(p.130)
 欧米の国際金融資家を中核とする“闇の勢力”は、永続的に世界を支配するために、アジアの巨大人口国であるインドと中国を激突させるというシナリオを半世紀近く前から用意していたのである。しかし、当時そのシナリオの計画側にあったロシアは、いまや BRICs 諸国側に与して世界を守る側にいる。
   《参照》   『アジア黙示録』 五島勉 (光文社) 《後編》
             【インドと中国】
   《参照》   『あと5年で中国が世界を制覇する』 副島隆彦 ビジネス社 《前編》
             【 アメリカ vs BRICs諸国 】

 数カ月前には日本の製油所で大火災が起き、先月中にはインドで暴動が起こって日系企業も一ヶ月近く操業ができなかったり、反米の先鋒に立つチャベス大統領率いるベネズエラの製油所で大火災が発生したりしているけれど、みな“闇の勢力”による謀略だろう。
 殺したり壊したりという暴力で支配しようとするのが“闇の勢力”の昔ながらのやり方である。
 インドはいまや、アメリカと「民主主義として価値観を共有する」どころか、「もはや価値観を共有できない」ことを最も冷徹に認識している国なのだ。(p.133)