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 マイナス傾向な昨日までの自分に別れを告げるための考え方が、たくさん書かれている。
 著者の書籍は、どれもコンパクトに洗練されていていい。

 

 

【損は、神様へのお賽銭。厄払いできたと思えばいい。】
 貸したお金が返ってこない。買ったマンションが値下がりした。お金を落とした。人生は、損ばかりの連続です。でも、損をしたときは、神様へのお賽銭をしたのだと考えましょう。街中が、お賽銭箱なのです。 ・・・(中略)・・・ どんどん損をしましょう。(p.26)
 “ものは考えよう“ な訳で、著者の本には、この著作に限らず、マイナスに向かいがちな心を転ずるための発想が随所に記述されている。こういった発想の転換、咀嚼する角度の変更というテクニックは、とても重要なものであるけれど、これらの価値を理解していない馬鹿真面目な人って、結構この世にチラホラ存在している。
   《参照》   『富士山が教えてくれた幸運の法則』  ロッキー田中  ランダムハウス講談社
             【ピンチ、ピンチ、チャンス、チャンス、ランランラン】

 下記もこの例である。
 コメディアンは、自分の不幸がネタになります。不幸な目に出会うと、涙を流しながら、微笑むのです。 「これで、ネタができた」 と。人は皆、人生のコメディアンです。神様の前で、一幕の喜劇を演じているのです。辛いことに出会ったら、ネタができたと喜びましょう。そのネタで、いちばん最初に笑うのは、あなた自身なのです。(p.49)

 

 

【動機はできるだけ不純な方が、持続する】
 空手を始める際に、高尚かつ純粋な動機で始めた人は、続きしません。練習がきついからです。きつい練習に耐えられる人は、不純な動機で始めた人です。不純な動機で初めて、やがて純粋な動機に変わっていきます。何かを始めるなら、できるだけ、不純な動機で始めましょう。(p.34)
 笑ってしまうけれど、結構あたっている場合もあると思うから、この記述は複雑な思いを誘起する。
 下記も、それ系統である。
 好きな女の子に、いいところを見せたいという気持ちが、人類を進化させた。(p.35) 

 

 

【壁まで・・】
「壁まで2センチしかありませんでしたよ」 
 それを聞いて、セナは言った。
「あと、1センチつめられるな」 (p.37)
 駐車場でだって、そんなことにチャレンジする勇気ない人は、 「そこまでセナあかんの!」 と関西弁でギャグってお茶を濁すことだろう。
 天才にとって、満足というブレーキはないのです。みんなが満足したところから、自分だけとの戦いが始まるのです。(p.37)
 高速レースという極限的な状況下にあるレーサーは、研ぎ澄まされた感覚全開でやっているのだから、わずか1センチだって意識の中では見えているはずである。天才といわれる人々は、かならずやそのような超常的な意識下でものごとを行っているものである。

 

 

【針葉樹林が、広葉樹林より長生きなのは、厳しい環境に育っているから。】
 アメリカ大陸に、樹齢4000年の針葉樹林があります。針葉樹林は、温度の低いところで育ちます。しかも、雨量も、広葉樹林の生息する地方ほど多くありません。土地もやせています。少ない太陽、少ない水分、少ない栄養分の中で育った針葉樹林が、結局、恵まれた広葉樹林よりも長生きなのです。(p.42)
 必然的にエバーグリーンと呼ばれうるのは針葉樹だけである。
 日本文化において、この針葉樹を代表するのは 「松」 だろう。
   《参照》   日本文化講座 ② 【 松竹梅 】
 

【肩が凝るのは、使いすぎではなくて、使ってないから】
 人間の体は、使ってないと血の巡りが悪くなります。肩が凝るのは使っていない証拠です。体の調子が悪いなと感じたら、動かすことです。人間の心と体は、車のバッテリーと同じです。使わないと、上がってしまいます。(p.58)
 強烈な生霊を受けていたら、肩が凝ったり、首が回らなくなったりすることがある。
 それ以外は、この記述の通りだろう。

 

 

【我慢をやめた時から、自分の人生が始まる】
 人間の人生は、人の人生として始まります。親のために生き、先生のために生き、上司のために生き、妻のために生き、子供のために生き、世間のために生きるのです。ほとんどの人は、他人のために生きて、生涯を終えます。他人の人生は、何十年生きてもあなた自身の人生としては、ゼロです。誰かのために生きることをやめて、自分のために生き始めた時から、初めて、あなた自身の人生が始まるのです。(p.63)
   《参照》   『死ぬときに後悔すること25』 大津秀一 (致知出版社)

             【やりたい放題】

 

 

【信長や曹操が凄いのは、若い頃の負け戦が多いことだ。】
 信長や三国志の曹操というと、全戦全勝という印象があります。ところが、彼らの若い頃は、負け戦ばかりと言ってもいいくらいです。若い頃の負け戦があったからこそ、信長や曹操は天下を取れたのです。たくさん負けたということは、負けても負けても立ち向かっていったということです。(p.67)
   《参照》  『成功は一日で捨て去れ』 柳井正 (新潮社) 《前編》

           【やってみて失敗だったら、すぐに変更すればいい】

 こういう不屈の精神を称える解釈もいいけれど、人生の正負の法則下において、人生の前半で “負” の部分を出し切っておいたから、後半で “正” の部分が結実したと考えることもできる。
 前半に良いことばかりだと、のちのちの悪しき出来事によるショックが大きくなる傾向があるらしい。
   《参照》   『人生の実力』  柏木哲夫  幻冬舎

            【「小さな死」 と 「本当の死」】

 つまるところ、失敗や不幸がテンンコモリ重なったら、「もうそろそろ自分は運が良くなる時期やでぇ~~~」 というノリで明るく元気に立ち向かえばいいのである。シケてばっかいても始まらない。
 
<了>