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 人間ひとりひとりの心の退化が地球上のさまざまな問題を引き起こしているという視点で、気付きと行動を促すような内容になっている。1990年12月初版。

 

 

【心を退化させてきた人類】
 心に必要なのは、素直さ、正直さ、無邪気さ、純粋さであるのだが、現代文明の物質的繁栄のために人間はこれらの美徳を打ち捨ててきた。なぜ打ち捨ててきたかと言うと、これらの美徳は過当競争社会で勝ち残るには、かえって邪魔になるようなものだからだ。
 素直で正直で無邪気で純粋な人が、他人を蹴落として競争に勝ち残れるはずがない。そうして物質的な繁栄を手に入れるかわりに、心の栄養となる美徳を打ち捨ててきた。その結果、心は進化できずにどんどん退化してしまったわけだ。(p.99)
 人は心が退化した分だけ外部情報に頼ることになる。情報は頭で知的に処理される。少しばかり情報量の多い構造的な内容を語る知的な人間を優れていると勝手に思い込むようになる。そして、その知的な語りをする人間の心の退化ぶりを看破することさえできなくなっている。

 

 

【自分自身を愛する】
 自分自身を愛するということは 「したいように自由にする」 では決してしてない。
 「自分の奥底の、魂と呼ばれる部分の望むようにする」 ということだ。自分の奥底の部分の意志を理解できないから、自分を心底愛せない。自分を心底愛せないから、他人を心底愛せないのだ。(p.116)
 素直で正直で無邪気で純粋な人は、社会の苛烈さに打ちのめされて “ひきこもってしまう” のかもしれない。それでも 「自分の奥底の魂と呼ばれる部分の望み」 が分かっているなら、前に向かって歩み行くことはできるはずである。しかし、ひきこもらずとも 「自分の奥底の魂と呼ばれる部分の望み」 は不明のまま、空走気味に人生を過ごしている若者達が多いような気がする。村上春樹の読者には、そんな若者達が多いのだろう。
 では、自分の奥底の部分の意志を、どうやって理解するのか?
 まず、自分の奥底に宇宙の波動と相和合する波動を発信、受信する部分があることを認めることだと説明するところから始めなくてはならないだろう。 (p.116)
 宇宙の波動と相和合し受発信する部分が、放置されているだけならいざ知らず、実際にはさらに機能低下の危機にさらされているのである。

 

 

【テレビから発せられる電磁波】
 テレビ受像機から発せられる電磁波は、視神経から視床下部を通り微妙に脳下垂体に影響を与えつつ、新皮質に情報を送り込む。問題は情報の量そのものにあるが、もっと問題なのは脳下垂体への影響である。この部分は地球上の科学者は殆ど認めないが、宇宙のリズムと知恵を感じ取るアンテナの役割を果たしているのである。
テレビの電磁波にはこの部分を疲れさせ、一種の睡眠状態にする働きがある。 ・・・(中略)・・・ 。長時間のテレビ視聴でテレビ受像機からの電磁波を浴びると、どうなるか自明の理であろう。宇宙の知恵やリズムからはずれて、およそ自然的ではない生活を繰り返すことになる。(215-217)
 視床下部、松果体、脳下垂体といった脳の中心にある部位は、人間と宇宙を繋ぐ最重要な器官である。密教系統の修行者が目指す最終段階はサハスラ・チャクラの覚醒といわれているけれど、この脳下垂体という部位の活性化に関わっているのである。密教系の修業に依らずとも卓抜なシャーマンはこの部位が活性化している。

 

 

【日本列島の変貌】
 日本列島は海底隆起と地盤沈下で、どんどん形が変わってゆくだろう。
 これは地球の自浄作用の一環なので、止めることは不可能だ。(p.176)
 本文の 「止めることは不可能だ。」 の部分には横線が入れられて強調されている。そして、具体的な変化の様子が3頁に渡って記述されている。冒頭にも書いたように、この書籍は1990年12月初版である。
 この書籍が出版されてから20年間に、記述されていることの多くが起こっているけれど、大事件というほどの受け止め方はされてりない。心ある人々の思いによって、大難が小難に変えられてきたのである。
 多くの人々は、地球温暖化に関する近年の異常事態だけを危機的と思っているだけなのであろう。この書籍には、地球温暖化という単語は記述されていないけれど、環境問題について大いに警鐘がならされている。

 

 

【原子力発電所】
 2006年までに、原子力発電所の全面閉鎖をしなくてはならない。これは2016年以降の地球の汚染度の軽減化を計るためのである。これらの汚染軽減策は、地球という惑星の生物的存続可能性ギリギリの生命ライン保持のためだ。
2006年から2013年には、地球は惑星規模のシフト(振るい分け)を経験することになるからである。(p.227)
 原発が正常稼働できなくなることが前提でこの様のことが書かれている。その原因が、地球規模の地殻変動によるものなのか、フォトンベルトの影響によるものなのか、この書籍には書かれていない。
 現時点では、原発廃止どころか、環境問題のCO2温暖化対策として原発は建設ラッシュに向かっている(!)のである。
   《参照》   『捨てない生活』 クライン孝子 (ポプラ社)
            【核は出口のないゴミ】
 我々としても、地球が健全な生命を育む星として進化するのを見守りたい。しかし、我々は、あなたがたの都合に合わせて、尻拭いをするといった、御利益主義の作りだした神様ではない。我々には、汚れきった地球をもとにもどすことはできない。もし仮にできたとしても、宇宙進化の法則で我々が過剰関与することはできないのだ。あなたがたが地球をもとにもどすうえでの作業を我々は見守り、はるか彼方から波動でいろいろな暗示や示唆をおくることしかできない。(p.228)

 

 

  アーリオーン著の読書記録

     『I LOVE YOU 1』

     『I LOVE YOU 2』

     『光よりの光、オリオンの神の座より来りて伝える』

     『アーリオーン・メッセージ』

 

<了>