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 つまらない本を読んでしまった。

 

 

【コンピュータの原型:バベッジ機関と詩人・バイロンの娘】
 1822年にイギリス人バベッジは、航海に必要な数表の作成を目的に、計算機械を構想していた。
 バベッジの解析機関はコンピュータの原型であるといわれ、エイダは世界最初のプログラマーであると言われるようになった。その後、米国防省が開発を推進したプログラム言語に 「エイダ」 の名前が付けられ、その名前を後世に残している。 (p.11)
 世界最初のプログラマーと言われるようになったエイダは、詩人・バイロン (1788-1824) の娘である。

 

 

【エニアック】
 エニアックは、コンピュータの第一号機として、コンピュータの歴史に必ず記述されている。
 エニアックは真空管18,000本を使用し、重さ30トン、消費電力140kwという巨大なコンピュータである。エニアックの抱えていた大きな問題の一つに真空管の信頼性の問題があった。18,000本の真空管を使うと、真空管1本の寿命が1年(8760時間)とすれば、1時間に2回以上の確率でどこかが故障していることになる。(p.20)
 1時間に2回は間違った計算結果を出力している可能性があったわけである。 真空管は、その後、半導体、IC (集積回路)、LSI (大規模集積回路) と、小型化・高速化・省電力化しつつ進化していった。

 

 

【エドバック】
 エニアックの次世代のコンピュータであり、エニアックの開発者である、エッカート、モークリー、ノイマンらがエドバックの開発を行っていたけれど、この構想をノイマンが単独で発表したため、後に、この構想に沿ったコンピュータを、「ノイマン型コンピュータ」 と言うようになった。2進数による計算方法は、この構想の中に書かれている。
 エドバックが稼働したのは1950年。

 

 

【エドサック】
 ノイマンがその構想を発表したとき、イギリス人のウイルクスがこれを聞き、英国に帰って直ちにその草稿にもとずいたコンピュータの開発に着手した。・・・中略・・・。
 こうして開発されたコンピュータ 「エドサック」 は 1949 年に完成した。従って世界で最初のノイマン型コンピュータは、ノイマンが作ったのではなく、ウイルクスの手によって造られた。 (p.27)

 

 

【その後のスーパーコンピュータの担い手】
 その後、大型汎用コンピュータは、アメリカのIBMが中心となって進化していったが、天才的なエンジニアであるクレイによって1963年に開発されたCDC6600と名付けられた機種は、まさにスーパーコンピュータというに相応しいものだったという。
 超高速を要するスーパーコンピュータは、主に学術の世界で要請されていたものであり、IBM(インターナショナル・ビジネス・マシン)は、その社名の通り一般ビジネス企業を顧客としていたがためにそれほど、スーパーコンピュータにこだわっていなかったのかもしれない。クレイはIBM社の人間ではない。
 1970年代後半には、日本のメーカーがスーパーコンピュータを開発するようになり、海を超えた日本の3社(富士通、日立、NEC)のみがクレイ社の競争相手になった。(p.34)

 

 

【スーパーコンピュータの定義】
 スーパーコンピュータには明確な定義がない。・・・中略・・・。強いて言えば、「その時点で存在する最高速度のコンピュータ」 がスーパーコンピュータである。(p.34)
 ならば、汎用コンピュータとスーパーコンピュータの違いはというと・・・・

 

 

【スーパーコンピュータと汎用コンピュータ】
 最近は汎用コンピュータでも速い演算回路を使用するものが増えてきたので、演算回路だけをみれば、スーパーコンピュータと汎用コンピュータの境は低くなりつつあるが、メモリの能力はまだ差がある。 (p.109)
 ここで記述されているメモリの能力とは、メモリの転送能力、つまりIT技術者の言っているアクセス処理能力のこと。
 汎用コンピュータを用いているのは主に企業である。PC(パーソナル・コンピュータ)は言うまでもなく個人が所有しているもの。PCがいくら高性能化しているとはいっても、扱えるデータ量に関しては、汎用コンピュータに遠く及ばない。

 

 

【スーパーコンピュータの高性能活用方法】
 スーパーコンピュータは、汎用コンピュータより高速で処理できるにしても、データの構成(スカラーかベクトルか)によって処理速度は大きく左右されるという。スカラーとは、個別に扱われるデータ。ベクトルとは、データの集合体。 
 スーパーコンピュータを高速で活用しようとするなら、ベクトル化率をできるだけ大きくして処理しなくてはならないのだという。


【個人のPCでスーパーコンピュータなみの計算に参加可能】
 今日では、インターネットの発達により世界中のあらゆるPCがつながっている。なので、1台のスーパーコンピュータだけでも時間がかかってしまうような計算を、ネットワークでつながった個人のPCを活用して処理する方法が可能である。
 学術機関に対し、個人が所有するPCを使用してもいい旨の登録をしておけば、その機関は、個人のPCが使われていない時間を活用して演算を行い、その結果を受け取ることができる。スーパーコンピュータなどという高額なハードウエアを買わずとも、世界中でつながっているPCを用いるだけで、スーパーコンピュータに匹敵する計算が可能になっている。
 PCが現在ほど高性能ではなく、インターネットが普及する以前は、複数の人々が、数少ないスーパーコンピュータないし大型汎用コンピュータを利用するために、時間を分け合って処理するシステム(TSS:タイム・シェアリング・システム)が用いられていた。
 コマンドごとにカードにパンチして、それをカードリーダーで読み取って処理するなどという作業経験のある人々は40代以上の世代だけであろう。大学にあったあの端末は、今どうなっているのだろうか? と思ってしまう。コンピュータの進化は激変に近い。
 
 
<了>