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 タイトルの割には冴えない内容の本だった。一般向けに書かれた本であるならば、言霊の解意にもう少し詳細であってもよさそうなのに飛躍が多いのである。内容の繋がりに関しても同様である。それでいて、同じことが何度も記述されていたから、少々興ざめつつ、なんとか最後まで読み通した。
 この書籍の出版元は、精神世界やニューエイジ系の著作を主体に扱っているたま出版であるけれど、著者は必ずしも言霊の解意を学ぶに相応しい神道系の知識に秀でた方ではなさそうである。複数の仏教系宗教団体を遍歴して学んできたらしい痕跡がいくつか残されている。だからであろう、このような一貫性のない記述になってしまうのは。
 言霊以外で、精神世界やニューエイジ系に興味を持つ人々が、既に知悉しているポイントを数箇所書き出しておくだけ。

 

 

【皇祖皇大神宮という存在】
 竹内文書によれば、モーセ、イエス、マホメットのほか釈迦、孔子、孟子、伏義ら聖者、聖賢も来日し、天皇にお目にかかり、皇祖皇大神宮に参拝しています。
 不合朝後期末期から神倭朝初期のころになると、たんに表敬のためだけでなく、上古代以来の歴史や万国政法を探り、宗教の本来のあり方などを学ぶために、皇祖皇大神宮を訪れるということになりました。
 というのも、不合朝後期に、いわば集中的に襲った大異変によって、世界各地の上古代以来の文明が殆ど壊滅したため、文明の基礎的なノウハウさえ皇祖皇大神宮で学ぶ以外に方法がなくなってしまったのです。
 竹内義宮氏の解釈では、「いま右に挙げた人々は人生のある時期(十数歳から三十歳ころまで)、つまり人間形成・思想形成のもっとも重要な時期の消息が皆目分っていない。いわば生涯のこの謎の期間に、これらの人々は故郷を離れて、日本の皇祖皇大神宮に留学していた」 ということです (『謎の竹内文書』 佐治芳彦・著 徳間書店) (p.167-168)
 『謎の竹内文書』 は、仏教の知識しかなかった大学生の頃に出会っていた本だけれど、上に書き出した内容は、読んだことのある人々なら一様に印象に残っている箇所のはずである。
 この内容を日本人の独善的な作り話として受け流すか、真摯に受け止めるかは、日本文化の基底的中核をなす神道の理解度に応じて変わってくるはずである。
 この説に従うならば、カンジ = 漢字 = 神字(≒言霊) であるから、漢字の本家は中国ではなく、神字の日本であることがスンナリと理解できる。

 

 

【十六菊の御紋とカゴメ紋】
 上古代皇統第二代スメラミコトが、16人の御子(皇女含む)を選んで、16カ国(4方8方16方)に派遣したのが十六菊の御紋の起こりです。 (p.181)
 ヘロデ王家の菊花十六弁の紋章は、日本のスメラミコトの紋章から派生したものです。 (p.195)

 ユダヤ人からイスラエル王国の建国の父と崇められているダビデ大王のシンボルである六光星(六芒星)、カゴメ紋が、伊勢神宮の参道にある百個近い石灯籠のすべてに、皇室のシンボルである菊の御紋とともに彫られています。また、紀元前三七年にユダヤの王となったヘロデ大王の紋も同じ灯篭に彫られています。
 これら二つの紋はなぜ彫られたのでしょうか。わかっているのは、彫られたのは戦後のことであること、彫ることを命じた人も、上からの指示に従っただけで、その理由については聞かされていなかったといいます。
 カゴメ紋は伊勢神宮の奥宮の正式な紋であるとのことです。 (p.197)
 彫ることを指示した方は、伊勢・伊雑宮で毎日神剣を振るっておられた故・小泉太志命先生であると聞いている。
     《参照》  伊勢神宮(伊雑宮)
 カゴメ紋が奥宮の正式な紋である理由を知っている人々は少なからずいるけれど、言霊上、“話す” は “離す” に通じてしまうので、一般には口外できないのである。

  《参照》       日本文化講座 ④ 【 日本と古代キリスト教の関係 】

                 【ミロクの世】

 
<了>