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 “気づき” に分類される書籍。著者はメガネ業界での実践を通じてさまざまな “気づき” を習得してきたらしい。
  著者には、色彩心理カウンセラーと肩書きがついている。

 

 

【色にも陰と陽がある】
 色料の三原色は、マゼンダ(赤紫)、イエロー(黄色)、シアン(青)。色光の三原色は、紫がかった青、緑、黄色がかった赤です。
 それぞれの三原色の違いは、単に色味の違いだけではなく、混色という、色を混ぜ合わせた時に大きな違いが見受けられます。
 色料の三原色は、混色によって、明度が低くなります。つまり、より黒に近づいていくともいえます。また、色光の三原色は、混色によって、逆に明度が高くなります。つまり白に近づくといえるのです。言い換えれば、色という存在のあり方に陰(色料)と陽(色光)があることを表現しています。 (p.85-86)
 色料と色光の対比で陰と陽を分かりやすく説明してくれている。そして、それぞれどの単色にも、陰と陽の両面があることを、著者はキチント説明している(p.119)。
 重要なのはむしろこちらの認識であろう。個々に色彩が持つ陰陽(長短)を知って使い分けてこそ、色彩は活きてくる。
   《参照》   『ネオスピリチュアルアセンションpartⅡ』 エハン・デラヴィ/中山康直/白峰由鵬/澤野大樹
               【白・黒・金】



【「今」を生きる】
 私たちは常に、今の意識を置いているところに存在しています。例えば、昨日の失敗が気持ちから離れず、仕事をしながらもそのことを後悔している時、あなたの肉体は今日にいながら、意識は昨日にいるのです。これは、今をいきていることにはなりません。常に自らが意識をおいているところが全てです。
 あなたが過去のひとつの事実に対する認識を心から受け入れ、変えた時点で、今のあなたも同時に変わります。今のあなたは、過去の意識の延長上にいるわけですから、過去の事実への認識を変えれば、今の認識も変わります。
 そして、今のあなたの認識が変われば、同時にまた未来も変わることになります。 (p.65-66)
 人々の心の枷となっているマイナス心理を解きほぐすセラピーでは、上記のように説明している。これはかなり重要な記述である。
 日本人は、日常生活の中でこの様な “「今」 を生きる” 生き方を心がけるべく、日常生活の中に慣用句を取り込んでいる。帰宅時に言う “ただいま” である。この慣用句を元に、過去にこだわる韓国人向けに、日本人の生き方(日本文化)を説明した文章を書いたことがある。
    《参照》   一般の日本人は、韓国人をどう考えているか。(日本文化を背景に)
              ●宗教的な視点から (その2 : 『ただいま』 を キーワードとして )

 

 

【「どっちでもいい」の弊害】
 著者は子供の頃、不和なお母さんとお婆ちゃんの仲をとりもつために、あれこれと気を使い、自分で選択しない子供になっていたという。その結果、
 「どっちでもいい」
 と答えることが大切になり、自分が何をしたいのか何が楽しいのかということが自分でよく分からないような子供時代だったといえます。 (p.108)
 チャンちゃん自身も子供の頃、「どっちでもいい」 を頻繁に言っていた子供だった。このような子供時代を持つ人に顕れる弊害は “大人になっても自分が本当にやりたいことを、自分自身にですら分からなくさせてしまう” ということなのである。これは実に重大なこと。
 子供時代にのびのびと時を過ごしてきた人々は、素直に選択できる良さがある。このような人々こそ自分の直感を信じて行動して良い人々なのだろう。素直に選択できない人々は、そもそも直感が正しく機能できていない。
 これに絡んで、 “ダブル・バインド(2重拘束)” という心理学用語を思い出す。
 著者のように、大人たちの人間関係の不和が、図らずも子供の心に生み出している拘束。あるいは、大人たちのストレスが子供に向けられて子供の心に生み出される拘束。良い子であろうとする程に深みに嵌ってしまう。
 このような心理的束縛から解き放たれる方法、それが、 “「今」 を生きる” ことなのだろうけれど、過去に係留されている心理的な束縛を解き放つためには、最低限、自らの心を束縛(拘束)している原因に気付き、それを受け入れることが必要である。
 
<了>