イメージ 1

 

 1985年に出版された本。著者は日本人で、頻繁に韓国を訪れていた方のようだ。20年以上前に書かれたこのような本であるが、古ければ古いほど、このような本を古書店で見つけると必ず買ってしまう。

 


【20年前と現在。為替の変動が語るもの】
 値段は一皿1000ウォン(約300円)だった。(p.29)

 現在1000ウォンは、およそ100円程度であろう。ウォンの価値が3分の1に下がっている。日常生活者としての日本人は日本経済が強いことを、それほど自覚していない。しかし、国際的な経済力指標(為替レート)では、高度経済成長を続けていた1985年頃よりも、現在のほうが価値が高くなっている。日本の国際競争力は強くなっていることになる。
 しかし、ウォン・円の為替レートの比較は、日本が強くなったというよりも、韓国が衰退したということである。


【31】
 ソウルに最初にできた高層ビルの名前が 『31ビル』 で、最初にできた高速道路の名が 『31道路』。そして、その 「31」 が、日本帝国主義侵略に対する1919年3月1日の無抵抗の独立運動を記念している・・・(p.41)

 「恨みを水に流し、恩を石に刻む」 日本人に対して、「恨みを石に刻み、恩を水に流す」 のが韓国人や中国人である。東南アジアの小さな国では、日本が架けたひとつの橋を紙幣に印刷しているけれど、感謝することを知らない国家や国民が、日本の隣に存在する。


【夜に咲く「労働資源」】
 という章に書かれている内容 (p.114) は興味深いけれど、書き出すのは控える。
 日本の1980年代当事の不埒な馬鹿オヤジ達と、その相手をしていた、当事世界最高と評価されていた夜に咲く韓国人女性達のことである。


【日・韓の「士」の違い】
 韓国で、「士」 といえば、学徳ある人士、即ち科挙合格者である文官を意味するが、日本で、「士」 といえば、侍、即ち武士である。 (p.171)

 韓国と日本の若者達が、歴史問題を話していたのを聞いたことがある。
 韓国の若者 「日本は韓国にひどいことをした」
 日本の若者 「日本なんかに占領されるような弱い国だったからだ。悔しかったらもっと強くなれ」
 全員爆笑だったのであるけれど、この会話が、正に、文官気質のウジウジした韓国人と、サムライ気質の剛毅な日本人を象徴している。


【国を守る】
 7世紀後半の新羅の第13代文武王は、「自分の遺体は東海(日本海)の海に沈めろ」という遺言を残して死んでいる。これは、そのころ猖獗を極めた日本の倭寇の狼藉から、死後も霊となって人民を守ろうとしたためといわれている。 (p.172)

 著者は、日本人とは違った朝鮮人の気質の一例として、この文章を書いている。しかし、これは気質の問題ではない。愛国心の強さの現れである。現在の日本人は土葬や火葬が当たり前になっているけれど、昔の日本にも日本を守るために、日本海(東海)などに亡骸を沈めている歴史上の人物はいるのである。
 どの国の人物であれ、死した後まで国を守らんとする人物を、私は深く敬愛する。


【サクラ(桜) と ムクゲ(槿)】
 日本のサクラは集団で咲きいっせいに散る。韓国のムグンファ(槿)は一輪一輪がそれぞれの姿で咲いては散ってゆく。散っては、次の花弁に後事が託される。 (p.185)

 それぞれに、国民性を象徴するに相応しい花のように思う。日本人がサクラの花の散り際の潔さを愛するのは、生と死を繋ぐ魂の新たな旅路を受け入れる素地があるからだと思っている。韓国人がムクゲを愛するのは、どこまでもこの世に対する未練を断ち切れない素地があるからなのではないだろうか。
 『歴史から消された日本人の美徳』 に書いたように、中国・韓国の儒教は、輪廻転生という思想的な背景を持たぬがゆえに、良心を欠いた支配者が人民を階級差別的に支配するための規範となっている。どこまでも、この世の現実が重視されるのである。
 国を象徴するサクラとムクゲは、民族の生死観まで、恕実に物語っている。


【タイトル解題】
 いま、“ブリキづくり”のように見える韓国経済が、そんな時期に台頭してくれば、日本経済にはなかった、この国独特の足腰の強さを見せるのではないかという気もしてくる。とにかく、「ハングラサラムン チョンマルロ クンジリキダ(韓国人はほんとにしぶといよ)」 なのである。筆者には、いずれ韓国人が、やさしい目で日本人を哀しむときが必ずやってきそうな予感がする。 (p.217)

 これが、この書籍の最後の文章である。
 この本が書かれた85年時点から22年後の現在、筆者の予感は当たっていない。
 韓国経済を評価する国際的な指標として、現在の国別企業の平均株価をみると、韓国は悲惨である。そもそも、1998年の東アジア通貨危機でビクともしなかった台湾と比較しても、その基礎体力の脆弱さは歴然としていたのである。
 経済の結果を証拠にして語るまでもない。「恨(ハン)の思想」 を民族文化の基礎としている国は、永遠に敗北を続けるだけである。それは、宇宙の法則の必然である。

   《参照》  一般の日本人は、韓国人をどう考えているか。(日本文化を背景に)

 

 

<了>