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 「日本が誇る」とのタイトルから木造住宅と思ったら違っていた。人間が快適に生活しやすい住宅=木造住宅という考え方は、必ずしも正しくないのかもしれない。


【WPC工法】
 Wall Precast Concrete つまり、「前もって形作られた壁形コンクリート」 (p.110) 

 である。つまりプレハブ住宅に分類される。プレハブ=安っぽくて、温度変化の激しい最悪の住宅というイメージを持っていたけれど、現在では、デメリットを様々に改良して、優れた住宅工法に仕上がってい

 


【安全・長持ち・快適・(美観)】
 「安全」、阪神淡路大震災で倒壊家屋なしで実証済み。補修の必要がない細かなひび割れが数箇所発見されただけで、全てが補修不要だったとか。壁自体がかなりな強度を持つため、とても堅牢な住宅になっている。風水害が多発しそうな最近の地球環境。建物の半分が土砂に埋まっても、この住宅なら押し潰されないだろう。
 「長持ち」、壁の強度だけではなく、殆ど吸水しない耐水性、経年による建材の劣化は殆ど無いため、著者の会社は「台風保証」や「35年保障」をつけているという。百年でも十分に持つそうである。ゆえに「百年住宅」というタイトルになっている。
 「快適」、PC壁の内側に発泡ウレタンを吹き付け、さらに空気の層を形成するように施工するため、従来の結露という問題点がクリアされ、他のいかなる住宅より温度変化が少なくなったという。つまり夏涼しく、冬に暖かいという快適性に優れている。またピアノ練習を考慮して防音性の観点で選択しても、この工法が最適だという。
 「美観」、PCの壁であるがゆえに見た目の問題が最大の弱点なのではないだろうか。現在では多様な色や模様の健在が用意されているらしい。外観もPC壁を用いるために矩形に傾かざるを得ないであろう。ここが最大のネックになりそう。


【WPC住宅のメーカー4社】

「パルコン」 大成建設㈱      「レコハウス」 レコハウス㈱

「ウベハウス」ウベハウス㈱    「プレタメゾン」大栄住宅㈱



【地上で恒温環境を創出する】
 強度・耐水性などに秀でているため、屋上庭園を造ることも十分可能である。さらに地熱利用の基礎工法を組み合わせれば、より恒温性に秀でた住宅になるらしい。
 地上に、地下環境に近似した住宅をつくるくらいなら、いっその事、地下に住めばいいじゃん、と思うこともある。
 人類がもっと進化したならば、人間は地底都市に住むようになる、と書いていたSF小説もあった。地底という処は、災害に対して最も安全な場所であり、圧倒的に恒温性に秀でているというメリットはあるが、人間には陽の光を浴びたいという欲求がどうしてもある。このデメリット対策には、既に開発されているバイオライトという太陽光と同じ波長組成からなるライトを設置すればいいのである。
 ところで、人類の技術力とは無関係に、地球には シャンバラという地底都市があるとかないとか言われている。偶然にも亜空間というエントランスに遭遇して入り込めたら楽しいかも・・・。
 ジュール・ベルヌの『地底旅行』の中で、地底に入り込んだきっかけはなんだったっけ。忘れた。地下水に押し上げられて地上に返ってきてしまった最後の部分は覚えている。突然「地底旅行」が終わってしまって大層ガッカリしたので、その結末だけは記憶している。

 

<了>

 

  《住宅関連・参照》 

   『西岡常一と語る木の家は三百年』 原田紀子 (農文協)
   『日本が誇る百年住宅』 中嶋文雄 (ダイヤモンド社)

   『木の家の選び方5つの法則』 田鎖郁男 (ハウジングエージェンシー)

   『TM3の思想』 守田昌利 (ごま書房)