イメージ 1

 

 この本の主筆は岡田多母さんという、50歳くらいの女性である。数年前、船井幸雄さんの本で紹介されていて、『愛しのテラへ』という本を読んだことがある。新しい時代の生き方を発信する人々の中の一人のようだ。
 この本は、「雰囲気的に分かる」といった類の本である。かなり飛躍がある。理屈で分かろうとしても無理な本である。しかし、ヤマトビトなら分かるはずである。


【イツクシム】
 女のたくましさと男のたくましさは、同じたくましさという言葉でも感覚そのものが全く違う。でもそれは、別の言葉を使うものではなかった。だから、「厳」と書いてイツクシムと読むし、「慈」と書いてもイツクシムと読むように、イツクシムという一つの音(オン)に男らしさと女らしさが、ちゃんと出ていたのです。 (p.22)



【因果は一つである】
 センチメンタルモードはありえないのが自然界です。逆説的に言うと、センチメンタルモードは不自然ということです。自然界は「原因と結果」などと分離してはいません。因果が一つになっているのが秩序なのです。<因 即直 果> 「どうして(因)こう(果)なるのかしら・・・? 」などはないということです。(p.40)

 おそらくこれは、老子の 「天地に仁なし、万物をもって趨狗となす」 を、岡田さんなりに言い換えた表現なのであろう。


【イヤサカ(弥栄)とは】
 古いかも知れないけれど、爺ちゃんが縁側で碁を本を見ながら打っている、その横で婆ちゃんがお茶を入れている。イヤサカとはそんな雰囲気。 (p.71)



【コトバ】
 伝統として生き残っていく中で、一番真髄を感じさせる大切なものがカタだと思っているのですよ。一番大きなカタが言葉なんです。だからヤマト、日本では「コトバの乱れは世の乱れ」ってコトバが乱れることをとても嫌がったんです。
 乱れたコトバをちゃんと美しい表現に変えてゆくと、この人の暮らしぶりも、立ち振る舞いとか居住まいも、その表現どおりに変わるんです。そのようにコトバを直(タダ)してゆくということは、必ず自分の暮らしぶりが直(タダ)されてゆくという、素晴らしいルールなんです。 (p.84)



【ヤマト】
 「ヤマト」とは特定の土地や政治的実体・歴史的事実の一部を示すものではない。また神話や物語の一こまでもない。「ヤマト」- それは祈り、真実を現す生の実質。この実質とは私たちの一つ一つの鼓動に内在するもの、呼吸と共にあるもの。意識の層の奥深くに常に存在し、脈々と溢れ続けながらも忘れ去られてしまっている「素顕(ソラ)」である。
 人は、地球のどこにでも生まれる - どの国にもどの時代にも、過去にも今にも未来にも、人は生まれる - もしあなたの生が内なる「素顕(ソラ)」の実質を体現する祈りそのものであるのなら、あなたはヤマトの住人 - ヤマトの民・ヤマトビトであるといえる。 (p.90)



【ヤマトビトの本質】
 ヤマトビトの本質は、その愛にあり、その和にある。ヤマトが人間の生を磨く明かりに愛の火を灯し、生の実質には、内なる意識の明かりに静寂の火を灯して、ヤマトビトはこの二つの火をヒトツに合わせる祈りを体現し続けている。これ以外のすべては捨て去り、ただヤマトビトはヤマトの火を灯し続けている。静かに今もなお、何億万年もずっと-。
 神についていたるところで語られてきたが、それは今だ人間には遠く宇宙の彼方にあるようだ。だが、ヤマトだけが、神が人の内にあることを実証した。それは生の内側で実際に神を感じることで、その能力、その尊厳をヤマトは人に開花させ、自らが神宮となり、神殿である 「存在の美」 雅美をヤマトビトに体現させた。 (p.92)



【地球の命運を握るヤマトビト】
 アニメ 「宇宙戦艦ヤマト」 の主人公、古代守・古代進に象徴されるように、地球の命運を握っているのはヤマトビトである。
 宗教家であれ、アニメ作家であれ、ごくごくありふれた一般の社会人であれ、ヤマトのという言葉に微かであっても意識が蠢くのであれば、いつか覚醒して欲しい。多くのヤマトビトの意識が連結したとき、地球は回天の時を向かえるであろうから。

 

<了>

 

  岡田多母・著の読書記録

     『へその話』

     『あなたへ・・・そして あなたから』

     『あなたへ・・・そしてイヤサカ』