クリスマスが真近かなので読んでみた。小学生向けの物語である。
【美しい装丁】
表紙も中身も、装丁の美しい本である。そしてそれだけである。インテリアとして飾っておくのには丁度良いかもしれない。こんな書き方は著者に失礼かもしれないけれど、そうとしか書けない。少なくとも大人向けの書籍ではない。
もしも、クリスマス・プレゼントに書籍を贈るなら、装丁で誤魔化されてはいけない。装丁がどうであれ、「賢者の贈物」 が入っている 『O・ヘンリー短編集』 を選択すべきである。
【サラという名前】
この書籍は、聖書と不可分のクリスマスに関する物語なのだけれど、この中にはサラという名前が何人も登場している。そもそも欧米人の女性にはサラという名前が多い。最近公開された 『幸せのポートレート』 <原題 : THE FAMILY STONE > というクリスマスを題材にした家族映画のヒロイン、メレディスを演じていた女優さんの名前もサラ・ジェシカ・パーカーだった。
サラは旧約聖書の物語の分岐点に立つ重要な女性である。
アブラハムとサラの間にイサクが生まれ、イサクはキリスト教徒のルーツとなった。そして、アブラハムと奴隷のハガルとの間にイシュマエルが生まれ、イシュマエルはイスラム教徒のルーツになった。キリスト教とイスラム教は、父を共通に持ち、母が異なるルーツとなるのである。
イサクとイシュマエルについては
《参照》 『闇の終焉と地球元年』 中矢伸一&ベンジャミン・フルフォード (VOICE)
【旧約聖書とコーラン】
キリスト教徒にとって、サラという名前はルーツを特定するキー・パーソンの名前である。もしかしたら、上記の映画のヒロイン選出にも、女優さんの名前が考慮されていたのかもしれない。偶然にしては出来過ぎである。
<了>