素晴らしい才能を持つU-15ホンジュラス代表GKたち。彼らの一体、何がどう凄いのか? | 元U-20ホンジュラス代表GKコーチ・山野陽嗣の「世界一危険な国での挑戦」

素晴らしい才能を持つU-15ホンジュラス代表GKたち。彼らの一体、何がどう凄いのか?


 【ツイッター 】などでもつぶやいてるし、先日変更したブログタイトル部分(上アップ)にも書いているのでご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、僕は現在、U-20ホンジュラス代表GKコーチだけではなく、U-15ホンジュラス代表GKコーチも兼任して務めています。

 U-15代表も兼任するようになった理由は、実はU-20代表の監督が兼任してU-15代表の監督も務めており、その監督から「YojiもU-15代表でGKコーチを務めてくれないか?」との申し出を受けたからです。

 初めてU-15代表のGKたちをGK練習で見る前は「普通に考えて、U-20代表のGKよりも能力的には下だろう」と想像していました。


 ところが…。


 僕の想像は、良い意味で完全に裏切られました。


 U-15代表GKたち、メチャクチャ能力が高い!!!


 細かな基礎技術から1つ1つ改善せねばならなかったU-20代表GKたち と比べ、U-15代表のGKたちは初めて合宿に参加した時から、ベースとなる基礎技術のレベルは総じて高かった。もちろん修正点はありましたが、U-20代表GKたちと比べれば、微々たるものでした。これは一体、なぜなのか?

 実は近年、ホンジュラスサッカー協会が本気になって「若年層」の強化を始め、このU-15代表GKたちは、小さな頃から「プロのGKコーチの指導」を受けてきているのです。対照的にU-20代表GKたちが小さな頃には、まだこのプロジェクトはなく、今日(こんにち)まで「プロのGKコーチの指導」を受ける事はできませんでした。この「差」が、現在のU-20代表とU-15代表のGKたちの「基礎技術の差」を生み出しているのです。U-15代表GKたちの基礎技術のレベルの高さは、若年層強化のプロジェクトを始めた協会と、実際に指導に当たった現場のGKコーチたちの仕事の賜物なのです


 しかし、ただ「小さな頃からプロのGKコーチの指導を受けてきたから」というだけでは、この領域までは辿り着けません。このU-15代表GKたちは、彼らが先天的に備えているGKとしての才能、センス、ポテンシャルも抜群に高い

 
例えば、同じメニューをU-20代表GKたちに行うと、習得するのに1ヶ月かかった練習が、このU-15代表GKたちは、何と僅か「2週間」でできるようになったのです!!これには本当に驚きました。U-20代表GKたちも決して、才能、センス、ポテンシャルが低い訳ではありません。ところが、そんな彼らでも習得に1ヶ月かかる練習を、僅か2週間でマスターしてしまうU-15代表GKたち…。彼らの持つ才能、センス、ポテンシャルがいかに高いかを裏付ける事実です。

 彼らはまだ15、14歳の少年たち。なのに、僕がホンジュラス1部リーグのレギュラーGKに蹴るのと同じくらいの際どいシュートを打っても、何なくストップする場面もしばしば。「おい、この年齢で、これを止めるのか!?」「えっ、こんなプレーもできるのか!?」と驚く毎日です。


 ホンジュラスはつい2年くらい前まで、若手主体のリザーブリーグすらありませんでした。それが最近になって「若年層強化」の一環でそのリザーブリーグを立ち上げたと思ったら、もう昨年、その効果が現れ「U-17W杯でベスト8進出 」という快挙を達成。元々、選手が持っている才能、センス、ポテンシャルは高かったものの、それをきちんと計画的に強化してこず、またレベルの高い指導者もいなかったため世界で結果を出せなかった過去のホンジュラス…。それが一度(ひとたび)、きちんとした若年層の強化を始めれば、元々、持っている才能、センス、ポテンシャルが高いので、他国が何年もかかる強化が、実行すればすぐに効果が現れるのです。驚異的です。

 「ホンジュラス史上最高の選手」であるダビド・スアソ は、ホンジュラスでプレーしていた10代まではただ足が速いだけの選手で全く基礎技術がありませんでしたが、若くして移籍したイタリアの地で技術やその他多くの事を吸収し、世界的なストライカーに成長しました。我々、指導者に与えられた使命は、ホンジュラスに居る時からベースとなる基礎技術等を強化して身に付けさせ、なおかつ彼らの「ナチュラル」な良い部分は壊さず、ダビド・スアソを超える選手を1人でも多く発掘・輩出し、世界のトップリーグで活躍するホンジュラス人選手をどんどん生み出し、ホンジュラスサッカーをより発展させる事

 同じ中米のコスタリカには、スペインリーグ屈指のGKと言われるレバンテ守護神のGKケイロル・ナバスが居ますが、ホンジュラスにはヨーロッパで活躍しているGKは1人も居ません。これは悔しい…。

 このU-15ホンジュラス代表GKたちは、このまま順調に成長すれば、ケイロル・ナバスにも負けない「世界トップリーグで活躍できるGKになれる」と僕は見ています。それだけ彼らの持っているGKとしての才能、センス、ポテンシャルは高い。


 若き才能が溢れ、それを計画的に強化する体制も、近年、やっと整ってきたホンジュラス。「2大会連続W杯出場 」「ロンドン五輪ベスト8 」「UAE U-17W杯ベスト8」などはその賜物であり、まだまだ序章。ホンジュラスサッカーの未来は明るいこれからさらに上昇します


 ホンジュラスサッカー界の未来を担う責任ある仕事に関われる事に幸せを感じながら、これからも自らの任務を全身全霊で全うしていきます。愛する、ホンジュラスのために…



※U-15ホンジュラス代表の素晴らしい才能を持つGKたち。実はU-15ホンジュラス代表は北中米カリブ海地区の大会で優勝しており、「大陸王者」として今年8月に中国の南京で行われる「ユースオリンピック 」に出場します。グループリーグ対戦国は、南米王者のペルーとヨーロッパ王者のアイスランド 。出場するからには当然「世界チャンピオン」、ホンジュラス人GKとして初の「ベストGK賞」獲得を本気で目指します。応援、よろしくお願いします!!

U-15ホンジュラス代表GKたちと。



◆連絡先メールアドレス: cafehondurasyoji@hotmail.co.jp



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