序盤は息子が担任教師から虐待を受けていることを察した母親(安藤サクラ)が、小学校に事実確認を求めに行くところから始まる。しかし、校長(田中裕子)をはじめ、教頭・学年主任・そして担任教師(瑛太)も無気力に「申し訳ございません」というのを繰り返すだけで、きちんとした説明をしない。だんだん感情がエスカレートする母親。

このあたりまで、教師たちの態度が実に気持ち悪く、この先どういう展開になるのか不安を感じた。

しかし次の場面では担任教師の視点に変わり、わりに気さくで生徒思いな先生の姿が見えてくる。そして学校の体裁を守るために、説明せずにひたすら謝ることを校長に指示される。

さらに校長の視点・生徒の視点でも描かれ、真相はクラスでのいじめがもととなっていることが明らかになっていく。


複数の人物の視点から物語をプレイバックする手法は、黒澤明の『羅生門』をモデルとしているのだろう。

主題の「怪物」とは結局誰を指すのか、是枝作品に共通する結論の曖昧さがあり、もやもやした気分が残る。でも結局次回作を見てしまうのだから、そこが是枝作品の魅力でもあるといえる。