インド映画の、圧倒的スケールで描く愛と忠誠の物語。
謎の都市国家の王座を巡る、骨肉の権力バトルを描く。
映画「SALAAR サラール」
謎の都市国家カンサールの、王の第二夫人の息子ヴァラダ。
親友のデーヴァと、少年の頃から強い絆で結ばれている。
相手が大人でもひるむことなく、命がけで戦いを挑むデーヴァ。
ヴァラダの命と名誉を守ることが、自分の使命であり宿命のよう。
やがて部族間で争いが起き、友情を引き裂く運命に翻弄される。
デーヴァは親友に忠誠を誓い、母と共に国を去り身を隠す。
25年後、たくましく成長したデーヴァの活躍を描いていく。
強く勇ましいプラバースが、渋くてかっこよくて痺れる。
彼は国の王位継承争いに、ヴァラダが巻き込まれたと知る。
そこでカンサールに戻り、ヴァラダを助けるため立ち向かう。
壮大なスケールで描かれる、壮絶なバトルアクション満載。
剣や拳を武器に、大勢の敵を相手に次々となぎ倒していく。
宙を舞いながらぶっ飛ばされる姿が、スローを多用して展開。
面白いのだが、同じことの繰り返しだと次第に飽きてしまう。
仰々しい音楽は常に鳴り響き、いかにも的演出で盛り上げる。
音響や迫力ある映像など、スクリーンの良さは味わえる。
シリアスで、歌は随所で挟まれるがミュージカル場面は無し。
歌って踊る明るいインド映画ではなく、ダークな世界観が漂う。
様々な傭兵集団が襲い掛かるが、最強を誇る無双のデーヴァ。
次第に殺戮は激しさを増し、容赦ない血みどろバトルに発展。
登場人物が多く、それぞれの関係性が掴めず心情に戸惑う。
前後の脈絡が分からず、混乱するので人物相関図が欲しい。
親友のために戦う、男同士の友情と絆が熱く興奮させるが。
ほぼ戦いのオンパレードで、3時間近い尺は長く感じた。
優しさと凶暴性を秘めたデーヴァが、覚醒して大暴れする。
しまいには敵が薬でゾンビみたいになるので、可笑しかった。
ややSFファンタジーのような感じもあり、カオスの世界。
千手観音像を連想させるなど、宗教観も盛り込んでいる。
停戦するか否かで最後まで争うが、まさかの続編ありきとは。
続く第二章が提示されて終わったので、驚いてしまった。
男臭いバトルを楽しめるが、途中は中だるみしてしまった。
パワフルだが話自体が進まず、壮大な序章のように感じた。
おまけ
博多座に行く途中の、川端通りにあった飾り山。
おお、なぜかガンダム!
この山笠は、このまま走るらしい。