舞台「カラカラ天気と五人の紳士」 | champagne-bar-tritonのブログ 映画と観劇と浜田省吾

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福岡市にある、「シャンパンバー トリトン」のオーナーです

ストプレの舞台を見に行ってきました!シティ劇場にて。
男性5人、女性2人の出演者による奇妙な不条理劇。


舞台「カラカラ天気と五人の紳士」

 


休憩なしで、1時間10分という構成。
この日が大千秋楽、満員御礼だったと思う。


今回の席は、2階だけど最前列センブロ。
もっと近くで見たかったが、前を遮るものがなく良かった。
見切れることなく、作品の世界観に没頭出来た。

 


懸賞でもらった「棺桶」を担いで現れた、5人の紳士たち。
せっかくの景品を役立てるには、誰かが死んで中に入らねば、と議論が始まる。


個性豊かでクセが強い、芸達者な顔ぶれがまず愉快。


堤真一さんはダンディでかっこいい、痩せたのか細くなった印象。
溝端淳平さんは、相変わらずイケメンでかっこよくて素敵だった。


野間口徹さん、面白いよなぁ。独特の雰囲気を醸し出すのが好き。
小手伸也さんは生では初めて、太目でくどい感じでインパクト強し。
藤井隆さんは、逆に普段のアクの強さを消して、馴染んでた。


紳士たちに特に名前はなく、世代は違うが仲間のようだ。
まず野間口さんを死なせようと、梯子を上らせる小手さんだったが。
そんなに簡単に死ねるわけもなく、押し問答が繰り返される。


基本ダークコメディで、めちゃくちゃ可笑しかったー!笑いまくった!
シュールな笑いが最高に愉快!5人のやり取りがたまらない!

 


人はどうやったら死ねるのか、確かに案外難しいもの。
棺桶を巡って堂々巡りの議論が、愚かしくも滑稽で愉快。


そこへ、ショッピングバッグを抱えた女性二人がやって来る。
高田聖子さんの強烈キャラが、見事に生かされていて最高だった!
グイグイと迫る押しの強さ、男性陣を負かすたくましさ、さすがです!


彼女たちは、同じく懸賞で「青酸カリ」をもらったという。
2人して死のうとするが、カラカラ天気で水不足が続いている。
どうやって飲もうか、紳士たちを巻き込んで試行錯誤が続く。


やがて、青酸カリにまつわる意外な事実が判明する。
それを知ったうえで、彼女たちがとった衝撃の行動とは?


そして、紳士たちは「分別」があるうちには死ねないと気付く。
分かる!もう共感度高し!頷きっぱなしだった。素晴らしい。


どんなに死に魅せられても、恐怖や苦痛を打ち消すことは出来ない。

理屈で考えているうちは、分別がある証拠なわけで。


今や自殺大国となった病んだ日本を、嘲笑うかのような作品。
生死について考えさせられる、反面教師となるような衝撃作。


紳士たちは結局死を待つしかない、やがて訪れる死を待とう、という。
誰もが共通にやって来る死に対し、抗うことは出来ない境地に達する。


笑いの中に納得しかない深さと人間味があって、超面白かった!
70分に人間模様が凝縮されていて、あっという間だった。

 

カテコは盛り上がり、特に小手さんは愛嬌たっぷりにおどけてみせてた。

でも、スタオベになる前に、あっさり終わってしまった。

大千秋楽なので、挨拶があるかと思いきや何もなく終了。

 

演目と同じく、カテコもあっという間で拍子抜けしたが。

豪華なキャスト陣による濃厚な人間模様を、楽しめた。

 

チケット代金10000円、充分笑わせてもらいました。