さて、その後、どうなったかというと。
ついに、二人の子どもが、「東京に戻ってこい」と説得しました。
そして今、その夫婦は、元いた町に再び戻り、住んでいるそうです。
けれど、私たちからすると、最初から結末が分かっていたことのように見えました。
どう考えても、毎日デパートに出掛けるその方と、「山」が繋がりませんでした。
さらにもう一つ、私たちが聞いて、「それは決定的にまずい」と思ったことがあります。
その方が移り住んだ県は、その方の夫の出身地でした。
夫は長男でしたが、大学から東京に出ていたため、
ご両親のそばに住み、最期まで看たのは弟夫婦だったそうです。
ところが、いざご両親が亡くなり、相続の話になった時、
この長男がほぼすべてを受け取った上に、
先祖から代々受け継がれていたその土地を売り払い、県内の別の場所に新たに
土地を買って家を建築した、ということだったそうです。
そして、弟夫婦とは絶縁状態となったそうです。
聞いていると、よくもまぁそれだけのことができたものだ、と思いました。
ここから先は私の想像にすぎませんが、
弟夫婦のみならず、夫のご先祖様はおそらく、
このことをよく思っているはずがないだろう、と私は思いました。
だから祟りがある、というよりも、守護が届きにくくなってしまったのでは、と思います。
また、購入した土地というのも、おそらく人間が住むべきところではなかったのでしょう。
引っ越してからの夫婦の病みっぷりは、ただ事ではないように感じました。
土地購入の話が中々進まなかったのも、この方を守護する存在が
引き留めようとしていたのではないかと想像します。
でも、本人の意思が結局は尊重されるのがこの世の理?ですから…
このようなことになってしまったのではないか、と思いました。
ずいぶん高い代償を払ったものだね…私の家族はそう言いました。
物事がスムーズに行かない時…それはきっとどこかで、
聖なる存在たちが、その人を守るべく、「そっちじゃないよ」と
言ってくれているのかもしれないな、と思う一件でした。