妹がずっと暗い。
退院してからずっと。
ガンは取り除けたのに、リンパ転移を心配してる。
明日は取り除いたリンパの生検の結果をききにいくみたい。
妹は落ち込むとパニックになって、話が頭に入らなくなるタイプだから、一緒にムンテラ聞きに行ってあげたかったけど、わたしも病院の通院日だから行けない。
旦那さんがついてきてくれるらしいから、よかった。
録音してきてね、って頼んだ。
妹は「もしもだめだったら」と、よく口にする。
まだわからないのに。
リンパ転移していても、まだ初期だからオペできるのに。
「私が死んだらお願いしたいことがある」とオペ前から言われていた。
完全に彼女は、ガンに気持ちで負けてる。
「これで最後かもしれないから」とか、すぐ口にする。
笑いなさいって、わたしはよく言う。
NK細胞増やしなさーい!って。
声が出にくい、飲み込みづらい、疲れるってよく言ってる。
大好きなお酒をしばらく止められているから余計にストレスなんだろうなぁ。
わたしは、すっかりアルコールなしで平気になったから、それは理解できないけど、辛く哀しいのはわかる。
立場は違うけど、身内が大病になることばかりだから。
わたし以外みんな、手術してる。
見守るしかない、もの哀しさはよくわかる。
それもかなり、辛いんだよね。
だけど、家族には辛いって言わない。
言われた人の哀しみを考えたら言えない。
妹がストレス発散として、暗い話をしてくるのは構わないんだ。
だけど、毎日毎日、もしだめだったら・・・と言うのは良くないと思う。
先生からも叱られたみたい。
オペが成功したのに、なぜ悲観的なことばかり予測しているの!って。
もうだめかもしれないって、眠ってばかりみたい。
「もうやり残したことはないから」も、よく言う。
子どもまだ小さいのに。
やり残したこと、たくさんあるはずなのに。
鬱っぽくなっているのかな。
精神的に弱い人だから。
だけど、がさつなんだよね。
ワイルドだったりもする。
だから、弱音はいて、眠ってばかりいると不思議になる。
いつも自分中心でわがままなくせに、たまに弱気になったり。
母に似てる。
わたしを一番に見て!アピールがすごい二人。
淋しがりなんだろうね。
わたしと父は、弱音は吐かない。
内に秘めておく。
それで父は胃潰瘍になったりした。
そんなときも、母は「わたしどうしたらいいの?」泣いたりおろおろしていた。
主役はいつも自分。
ある意味うらやましいけどね。
病気に気持が負けちゃうと本当にだめなんだよ。
ゆっくり静養して、楽しいこと無理にでも見つけなきゃなんだよ。
と、言うと「あんたにはわからない」って冷たいこと言われる。
例え、同じ病気になったとしても、人の気持ちなんてわかんないけどね。