プロに任せなくても、ポイントさせ抑えれば自分自身で復活させることも出来ますので、あきらめる前にトライしてみて下さい。
またあくまでも銀塩写真と呼ばれているものだけに有効な処置ですので、ご注意下さい。
◎ネガ(フイルム)や写真の扱い方を写真つきで紹介していますので、こちらもご参考に・・・
http://ameblo.jp/chame7/entry-10855221494.html
《ここがポイント!!注目点》
・銀塩写真のベースはポリエチレンでコーティングされている紙なので多少の耐水力がある。
・写真が重なっていても、引っ付いていても程度によっては直る可能性大。
・画面の剥がれや傷や折れなどは程度によって復元が可能なケースもある。
・表面(画面)が濡れているのに触ったり、濡れている手で表面を触らない。
・洗浄後はしっかり、写真を乾かす。
《用意するもの》
・きれいなぬるま湯(20~30℃)
※ぬるま湯が用意出来ない場合は冷たい水をぬるくして(常温)使用してください。
・ぬるま湯を入れる容器(2個~3個)
※プラスチックケースや食品トレーの大きめなものなど・・・フイルムが一本はいるもの。
・洗浄用の水
※通常のきれいな水でOKです。本来は専用の専用液を使用します。
・乾いたタオル(バスタオルでもOK)
※水気を落とす際に使います。数があれば、なお良いです。
・洗濯ばさみ・吊るすひもなど
※写真を乾かす際に使います。
《注意点》
・容器・水はきれいなものを使用すること。
※洗浄用の水は汚れたら取り替える。
・濡れた状態の表面(画面)は直に触れないこと。
※指紋ついたりや傷が入って取れなくなります。
・引っ付いてるものは無理に剥がさない。
※水の中で行えば剥がれやすくなります。
・洗浄作業は必ず水中で行うこと。
※極力、直に触れないために水に動きをつけて取るため。
・大量に作業しないこと。
※作業するスペースや乾燥場所が限られているため。
《作業方法》
本来は洗浄用の液体入れたぬるま湯を使用します。
プロが仕上げる様なきれいな仕上がりにはならない場合や、作業の工程の上で失敗する可能性もありますので、重々ご承知の上、作業にあたって下さい。
1.まずは最終的に乾燥させる場所の用意。
洗濯ばさみの付いたハンガーのようなものがあれば、どこでも移動させることも出来るので便利ですが、ひもを張り、洗濯ばさみで吊るす方法がでも問題ありません。
その際は陰干しできる場所で、人の手の届かないような場所が望ましいです。
この用意が出来ない場合や洗浄後の写真を置く場合…
極力、端を持ち水気を切ったあと、風通しがよく、陰干しが出来るところにタオルを広げて、その上に並べる方法もあります。
2.次に容器を最低2つ用意。
汚れがひどい場合や重なった写真を剥がす作業する場合は、最低2つ並べて作業すると効率的です。
1つの容器はある程度、写真をまとめて入れられる深さがあるものの方が作業しやすいと思います。
もう1つの容器はメインの洗浄作業をすることになります。(浅めの入れ物でもOK)
3つ用意出来るのであれば、3つ目の容器は洗浄済みの写真を入れておく容器としてください。(作業効率が良くなります。)
最初の作業はぬるま湯を使ったほうが、汚れや引っ付いたものが取れやすくなるので、洗浄済みの写真以外の容器は、ぬるま湯をご用意してください。(常温の水を使用する場合は浸け置きを長くすればOKです。)
アルバムごと作業する場合…
アルバムごど水没してしまった場合は、バケツでも何でも良いので深さのある容器、もしくはアルバムが見開くことがある程度できる容器を用意してください。
この容器で、アルバムから写真を剥がす作業と、大まかに汚れを落とす作業を行う事になります。
しっかり写真が水の中に沈められて、作業しやすいものにして下さい。
3.次に写真をバラバラにする作業をします。
水の中で写真がバラバラになるまで、ぬるま湯に浸します。
その際、水の中であっても引っ付いているものを無理やり剥がすことは避けて下さい。
長時間つけることでほとんどのバラバラになるはずです。
※アルバムごとの作業は後半にて詳しく説明します。
汚れがひどい場合も同様です。この段階では大まかな汚れを取るだけでOKです。
4.次に写真を一枚ずつ洗浄します。
バラバラになった写真を最初の容器より1枚ずつ取り出し作業を行います。
もう1つの容器に写真を沈め、まずは裏面の汚れを取ります。
裏面は傷ついても問題ありませんので、多少強く擦っても大丈夫です。
表面(画面)は今までの工程で、汚れが浮き上がってる場合もあるので、まずは写真を揺すって下さい。
それでも落ちない汚れは、指のはらを使ってやさしく汚れを取ります。
その際に、落ちが悪い場合は再度浸け置きしてから作業することになります。
※最初の容器に戻すと汚くなる恐れがあるので、新たに容器を用意して浸け置きしてください。
無理に強く擦って、汚れを落とすことは避けて下さい。
ほとんどが浸け置くだけで汚れは取れるはずです。
それでもどうやっても取れないものは擦らず、そのままにするほうが無難です。
なぜ擦らない方が良いのか・・・
プロの目からみると、傷そのものであったり、水没時または作業中に変色や乳剤の剥がれが起こった場合が考えられるからです。
この場合はプリントの際に画像修整などで復元が可能なケースもあります。
5.次にすすぎ作業に入ります。
何度か水を入れ替えて、4の作業を繰り返します。
すすぎ済用の容器の中に洗浄済の写真を一旦入れます。
※入れる際は表が下になるように入れてください。
まだ洗浄の必要な写真があれば、4→5の作業を繰り返してください。
6.次に写真を乾燥させます。
1つ目の方法・・・
タオルを先に用意し、すすぎ済みの写真を1枚ずつ取り出し、軽くタオルの上で水気を振って落とします。
また、広げたタオルの上に表面を上にして、一旦載せてから吊るしてもOKです。
吊るす際は1で用意した洗濯ばさみで写真の隅の一箇所を挟みます。
※たくさん吊るす際は、表面が触れ合わないように間隔をあけて吊るして下さい。
2つ目の方法・・・
最初の水気を取るのは一緒です。
写真の数にも寄りますが、風通し良く、陰干しが出来る場所にバスタオルを広げ、表面に触れないように、その面を上にして並べて乾かします。
※タオルが濡れてしまった場合、乾きづらい原因になるので、途中取り替えられればベスト。
どのくらいの乾燥が必要か…
環境にもよりますが、自然乾燥だと半日から一日くらいで乾くと思います。
※タオルの上での乾燥の場合は吊るすより時間がかかります。
挟んだ部分が乾燥してない場合もあるので、その際は場所を変えてはさみ直すか、裏が乾いていればその辺に置いても問題ありません。
ともかく完全に乾かして下さい。
またドライヤーでの乾燥も可能ですが、自然乾燥が望ましいです。
一気に乾燥させると、写真がカールし易くなります。
吊るした状態でドライヤーを使う場合、弱風か微風で30cm以上はなして作業してください。
また風を送る意味でドライヤーを使うのは、乾燥時間を早めてくれますので、距離をあけて使うと効果的です。
7.乾燥後の保存・保管方法
完全に乾いていれば通常の保存の仕方で問題ありません。
ただ、乾く際にカールがかかってしまう場合があるので、カールを抑えされる貼るタイプのアルバムや、挟むタイプのものだと問題ないと思います。
カールがキツイものは・・・。
アイロンを掛けるとまっすぐになるケースがあります。
その際に気をつけることは、直接アイロンをつけず、表面からは絶対掛けない下さい。
1.タオルなどを一度濡らし、固く絞ったものを用意します。
2.アイロン台の上にクッキングシートを敷きます。
※クッキングシートが無ければ作業は出来ません。
3.2の上に写真の裏面が表に来るようにおきます。
4.3の上に1を載せ、温度の目安は低温ドライくらいで、しっかりとアイロンをのせます。
※のせる時間はタオルが乾くまでの目安です。状況を見て判断をして下さい。
5.タオルがアイロンの熱で乾いたら、アイロンの電源を切り、そのまま置いておきます。
また置きっぱなしにすることで焦げ付きや火災の原因になり、もちろん高い温度で掛けたり、写真に直接掛けると燃えますので、ご注意下さい。
※この作業を行ってもカールが戻らない場合や、温度や写真の状態によっては、表面(画面)が剥がれたり、下に画面が引っ付いてしまうことがありますので、あまりお勧めは出来ません。
《その他》
・銀塩写真の判断って…
印画紙であれば銀塩写真となります。
土台の上にある乳剤面が液体の中で、発色現像→漂白・定着→リンスという流れで、映像が浮かびあがるものなのです。
土台は紙ではありますが、ポリエチレンがコーティングされていますので、多少耐水力があるように出来ています。
・銀塩写真以外の写真も混じってる…
この場合は銀塩写真を優先にして作業する方が無難です。
銀塩写真以外のものは、耐水力はほとんど望めません。
長時間水に浸かると紙が経たったり、画面の変色が進みます。
また剥がれたインクなどが他の写真を汚してしまう場合もありますので、速やかに作業を行うことが大事です。
ただ、ほとんど一連の作業を行う中でも駄目になってしまうケースが多いと思います。
しかし、水に浸かる時間をなるべく短くすることで助かる可能性も無くもありません。
・アルバム丸ごと水没…
作業方法の2で用意した容器の中で作業を行います。
アルバム本体も大事ですが、まずは写真を優先することで作業を進めます。
写真を剥がす前に、写真以外剥がせるものは全て剥がし、取り出しやすいようにしてください。
粘着テープなどで張られているものや、糊でとまってるものは剥がれにくいので、40℃くらいのお湯の中にしばらく浸け置きして下さい。
それでも剥がしづらいものは、写真と台紙の隙間に入る薄くて丈夫な定規みたいもので、隙間の幅を広げてみてください。
※隙間に水が通ると剥がれやすくなります。
それでも駄目な場合は裏面ですので、あきらめて写真にあわせて切り取るなど、無理に剥がさないで下さい。
表面の引っ付きの処置や剥がし済みの写真は、作業方法3→4の工程の中と同様に作業していただければOKです。
・剥がれた部分を直したい・・・。
写真屋さんでは写真の修整を行っているところがありますので、ご相談してみることをお勧めします。
写真の箇所で同じような部分があれば可能性も高いのですが、写ってないものや人の顔などの特定のものは、直しようもないものもあります・・・。
※また、写真をスキャンできる環境で、PCに写真を取り込め、メールが出来る状況でしたら、個人的にご相談に載れますので、メッセージBOXより連絡下さい。
◎関連リンク先◎
《チャメの素》
◎写真のイロハはじめました!」~思い出復活編~
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◎フイルムについて~水没復活編~
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◎写真で見る「ネガや写真の扱い方」~水没復活編~
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◎富士フイルム
(写真プリントや記録メディアが水などをかぶったときの対処法について)
(サービス&サポート)
http://wwwjp.kodak.com/JP/ja/service/index.shtml
《大手カメラメーカー》
◎CANON
・(サポート)
http://cweb.canon.jp/e-support/index.html
・(東北地方太平洋沖地震にて被災したキヤノン製品の修理対応について)
http://cweb.canon.jp/e-support/info/110317earthquake.html
◎NICON