皆さま
「魂を視る畳職人【和】の物語」です。
前回の物語はこちらからお読みください。
https://ameblo.jp/chamamitsu0523/entry-12751557705.html
それでは、その続きを書いていきますね。
詳しくは本文をお読みください。
本日もよろしくお願いします。
【自己紹介】
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「魂を視る畳職人【和】の物語」
~こんな形で願いが叶うとは思わなかった③~
左眼が見えない畳職人の和(なごみ)、
ずっと願っていた従兄弟の洋と再会を
果たしました。
うれしくてうれしくて。
和と洋は、それから久しぶりに
二人だけの時間を過ごすのです。
ずっと、一緒にやりたかった
お酒を飲み、食事をしました。
子どもの頃、いつも大人になっても
一緒にいようぜ、そう言い合っていたのです。
それが、叶わなかった時間を取り戻すように、
和と洋は、一緒の時間を過ごしました。
たくさんの話しをしたのです。
まったくもって時間が足りないとは、
このことかもしれません。
和は、畳職人になりましたが、洋は、
中東の方で、なんと絨毯職人になって
いたのです。
これを知ったお互いは、本当の意味で
驚きました。
左眼が見えない和でしたが、これは
別に喜べることではありませんが、洋もまた
病気で、和とは反対の右眼を失っていたのです。
そこまで、共通の出来事、現実が
起きていることに、和と洋は、心底
驚きました。
でも、どこかで、きっとこのまま一緒に
やっていくのだろう、と不思議な確信めいた
なにかが生まれたのも確かです。
そうして、和は、ふと思い出したかのように、
初老の男性からの依頼についてように話しました。
「今までにない新しい畳を作ることになったんだ」
「洋、力を貸して欲しい」
洋は、屈託のない笑顔を浮かべて、和に
右手を差し出します。
がっちりと握手をする和と洋、この日のために
この日のために、今までがあったのです。
和と洋、同時にそのことを実感した
瞬間でもありました。
和と洋、二十年ぶりの共同創造が
今、始まろうとしているのです。