皆さま
「魂を視る畳職人【和】の物語」です。
前回の物語はこちらからお読みください。
それでは、その続きを書いていきますね。
詳しくは本文をお読みください。
本日もよろしくお願いします。
【自己紹介】
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「魂を視る畳職人【和】の物語」
~こんな形で願いが叶うとは思わなかった~
左眼が見えない畳職人の和(なごみ)は、
左眼で魂を視ることで、多くの畳を作り上げて
いきました。
和は、心の底から望んでいることが
あります。
でも、それは、きっと叶わないと
和は今までの癖で押し込めてきました。
そんなある日、白髪が目立つ初老の男性が
畳屋に現れたのです。
きちんと仕立てられたグレーのスーツ姿で、
右手にはステッキを持っていました。
見るからに上品そうなその男性は、
帽子を脱いで、こう言ったのです。
「今までにない新しい畳を作ってもらいたいのですが」
そう言うと、男性は、畳屋の中を
スーッと見回します。
畳屋の奥にいた和は、そのとき、
男性と目が合ったことがわかりました。
男性は、ニコリと笑いかけ、
和の方向に向かって、一礼します。
「是非ともあなたにお願いしたいのです」
和は、自分に言われているのだと
本能的に感じました。
唖然としている畳職人たちを
横目に、和は、玄関近くの男性に
駆け寄ります。
和は、何がなんだかわかりませんでしたが、
「よろしくお願いします」
そう言って、男性と握手を交わして
いました。
「今までにない新しい畳・・・」