皆さま
「魂を視る畳職人【和】の物語」です。
前回の物語はこちらからお読みください。
それでは、その続きを書いていきますね。
詳しくは本文をお読みください。
本日もよろしくお願いします。
【自己紹介】
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「魂を視る畳職人【和】の物語」
~人生の鍵を拾い集める~
左眼の見えない畳職人の和(なごみ)は、
幼少期に人生の鍵となるものを集めていきました。
そのきっかけは、最大の理解者であり、
親友ともいえた、従兄弟の洋との
別れです。
大きな喪失感を感じた和でしたが、
残酷にも日常はやってきます。
小学校に行き、人との違いを感じ、
不仲な家族と過ごす、そんな日々を
過ごしていきました。
今までは、その清算を行うように
数ヶ月に一度、洋と遊ぶことが
できたのです。
もう、これからは、それができません。
和は、しばらくの間、抜け殻のように
過ごしました。
でも、和の魂は、その時機を待ち
続けていたのです。
そうして、ようやく和は、人生の鍵を
拾い集め始めました。
そのひとつが、困ったときに寝転んでいた
この畳です。
なぜだか落ち着く畳、この頃から
「畳職人になりたい」と思うように
なりました。
それから、目を閉じると白い神様が
視えること。
左眼が見えないこと。
家族の不仲。
人と違うとからかわれる
小学生時代。
そんな経験が、和にとって、
小学生の和にとって、精一杯の
ものであり、これからの人生で
必要な鍵でもありました。
そんなこととは、つゆ知らず、
和は、大好きな畳について、
自分なりに調べたり、観察したり
するようになってゆくのです。
「畳職人になるんだ」
和が、家族に言ったこの言葉は、
とても家族を驚かせました。