皆さま
「魂を視る畳職人【和】の物語」です。
前回の物語は、こちらからお読み
いただけます。
【自己紹介】
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「魂を視る畳職人【和】の物語」
~渦からサッと抜け出る~
左眼が見えない畳職人の和(なごみ)、
今ではその左眼で多くの人たちの魂を
視ることができるようになりました。
でも、それまでとうものの、ネガティブな
感情や思考に苦しんだことも長くあります。
「なぜ、僕だけ」
「どうして、僕の左眼は・・・」
「父さん、母さんなんで?」
答えのない思考がグルグルと、
和の小さな頭を巡り続けるのです。
そう、そのネガティブな思考は、
まるで渦を巻くように、和を取り囲んで
ゆきました。
自分で創り出した渦がどんどんと
大きくなり、勢いを増し、そこから
出られなくなります。
それは、自分で創り出した渦に、自分から
どんどんと入っていくことに要因があるのです。
和は、そのことにやっと気がついて
ゆきました。
それは、やっぱり、大好きな畳を編み込んで
いるときのことです。
和が畳を作っているとき、無心になります。
そのときに気がつくのです。
「あ、今、渦から抜け出ている」
そうして、自分が普段、思考の渦に
巻き込まれているところを、客観的に
遠く離れた場所から、観ています。
「そうか、渦は自分で創っている」
「そこから抜け出るのも自分次第」
「渦は真上に出れば、簡単に出られるんだ」
それから、和は、ネガティブな思考や
感情の渦を自分で創っていることに
気がつくと、すぐさま抜け出るように
練習をしていきました。
好きな畳のことを考えるようにしたり、
目に入る木々の緑の美しさを感じたり、
そよぐ風に意識を向けてみたり、
自然と行えるようになるまで、
やっていったのです。
それが、できるようになった和は、
より一層、自分の魂に沿った生き方に
シフトしてゆきました。