皆さま
「魂を視る畳職人【和】の物語」です。
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本日もよろしくお願いします。
【自己紹介】
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「魂を視る畳職人【和】の物語」
~馴染めなかった幼少期~
今でこそ畳職人として、一人前に
働くようになった和(なごみ)でしたが、
幼少期は、社会に馴染めずに苦しんでいました。
子どもたちはワイワイやるもの、
そういった風潮もありましたが、
和には、どうしても受け入れられなかった
のです。
そうして、ワイワイとしている状況を
少し離れたところから、ボーッと
眺めるように和は見ていました。
そのことを、同じ子どもたちは、よく
思わなかったりもしたのです。
和自身、本当にその輪の中に入り込んで
ワイワイやりたい気持ちがなかったわけでも
ありません。
でも、ちょっと遠くから眺めているくらいの方が
和にとっては、心地よかったのです。
そうはいっても、和に友だちが
いなかったわけではありません。
きちんと輪に入れる友だちというのも
いました。
それは、もしかしたら和と似たような
魂を持った友だちだったのでしょう。
そんな風な和でしたので、様々な友だちと
ワイワイ遊ぶというよりも、自分の好きな
遊びに没頭することが多かったようです。
そうやって、自分だけの没頭できる時間、
楽しむことができる時間、集中できる時間を
持つことが、和にとっては重要でした。
そこで、没頭することによって、和は、
エネルギーの源と繋がって、補給して
いたのかもしれません。
こうした生きにくさとか、馴染めない
感覚を子どもなりに対処していたのです。
それから、和は、不思議なことに
小さい頃から「僕は畳職人になるんだ」と
家族に言っていました。
でも、家系で畳職人などいないし、
家族もなぜ、和がそんなことを言うのか
理解ができなかったのです。
当の本人の和も、そこに根拠など
ありませんでした。
だけど、和は、誰もいない和室で
畳の上に寝転がって目を閉じることが
自分にとっての癒しになることを
知っていたのです。
こうして馴染めない社会で、和は、
試行錯誤して生き抜いてゆきます。