皆さま
家があって、ご飯が食べられて、眠ることができる
ありきたりですが、幸せなことですね。
感謝ですね。
では「道端で起きている幸せを綴る物語」の
第54作目を書いていきたいと思います。
「夢にたどり着きたい祐一郎さんが道案内をしてもらった物語」
前回までの記事はこちらからご覧ください。
洋風のお城を目指していた祐一郎さんでしたが、
日本のお城を目指すべく、来た道を女性と戻ってきました。
そして、見えてきた分岐点に立ち止まります。
重装備の祐一郎さんは随分と疲れているようでした。
戻ってくる道で起きた様々な出来事に葛藤したことで
気持ち的にも少し疲れています。
それでも目的地を決めた祐一郎さんは以前よりも
表情がしっかりとしてきているようです。
女性が道の分岐点で祐一郎さんに聞きます。
「さあ、どちらの道を進みますか?」
祐一郎さんは二つの道を見ているようです。
右に曲がるか、真っ直ぐ行くかのどちらかです。
日本のお城は右に見えているので、方向的には
右に曲がると良さそうですが、右の道は
とても歩きやすく舗装されていて
真っ直ぐ行く道はやはりボコボコしていて
獣道のようでした。
「方向的には右に曲がった方が良いですが・・・」
「何か気になることでも?」
「あまりに綺麗な道で歩きやす過ぎやしませんか?」
「何か問題ありますか?」
「あ、いえ、新しく目的地を日本のお城にしたので・・・」
「その道は辛く険しい道でないとならないとでも?」
「ま、まあそんな気にはなりますよね・・・」
「そんな気になりますか?」
「せっかくのこの装備ですし・・・」
「あなたがこの辛く険しい道を選ぶのなら、それでも良いのではないですか」
「少し考える時間をください」
そう言うと祐一郎さんはしばらく考え込みました。
「右に曲がれば目的地の方向だから近付く」
「右の道は舗装されているから、ずっと愛用してきた装備たち、鎧・兜・盾・・・など、そして大きな荷物、これらは役立つのだろうか・・・」
「その装備や持ち物を活かすなら、真っ直ぐ行って獣道を進む」
「そうすると、どこにたどり着くのだろう」
「いや、まて本当の目的ってなんだったっけ?」
「この装備や荷物を十分に使ってやること・・・」
「いや、違う!」
「日本のお城に行くことだ!」
「危ない、危ない本当の目的を見失うところだった」
「そうだ、僕は今日本のお城を目指しているのだった」
祐一郎さんは考えるのが終わったようで、
表情を整え直しました。
そうして、女性を見て言いました。
「右に曲がって目的地である日本のお城を目指します」
女性は納得したような表情を浮かべます。
「わかりました。あなたが決めたなら私に異存はありません」
祐一郎さんと女性は右に曲がって、
舗装された綺麗な道を日本のお城に向かって
歩き始めました。
そして、しばらく歩くと女性は祐一郎さんに
不思議そうに尋ねました。
「ところで、あなたのその装備と荷物、この道を歩くのに必要ですか?」
「え」
「私には重そうで歩くのが大変のように感じますが」
「え」
【~続く~】
皆さまいかがでしたでしょうか。
祐一郎さんは目的地に向かって歩き始めました。
早速、分岐点があったようです。
そこで、しばらく考えたようですが
目的地に向かうという本当の目的に
照らし合わせて進む方向を選ぶことが
できたようです。
続きは次回書きたいと思います。
現在、不自由や不安を感じる人生を送っている人が
このブログを読んで少しでも新たな一歩を踏み出してくれる
きっかけになったら嬉しく思っています。
世の中には親切な人は意外といます。
そんな願いを込めて書いています。
何か生きる上でのヒントになりましたら幸いです。
皆さまよろしくお願いいたします。