皆さま

 

街を歩いているとおいしそうなお店って

 

沢山ありますね。

 

気になるところには入ってみたりしています。

 

たいていおいしくて満足しております。

 

では「道端で起きている幸せを綴る物語」の

第53作目を書いていきたいと思います。

 

「夢にたどり着きたい祐一郎さんが道案内をしてもらった物語」

 

前回の記事はこちらからご覧ください。

夢にたどり着きたい祐一郎さんが道案内をしてもらった物語①

夢にたどり着きたい祐一郎さんが道案内をしてもらった物語②

 

女性の頭越しにはっきりと見えた日本のお城の姿、

 

それを見て祐一郎さんの気持ちは確信に変わったようです。

 

「洋風のお城を目指してきたけど、日本のお城へ行きたい」

 

祐一郎さんは女性に言いました。

 

「僕は日本のお城へ行きたいです」

 

「良かったですね、本当に行きたい場所がわかって」

 

「はい、ここまでやってきましたけど、自分の気持ちに正直になろうと思います」

 

「では、日本のお城に行くなら今来た道を少し戻る必要がありますね」

 

そう言って女性は祐一郎さんを道案内し始めました。

 

祐一郎さんと女性は再び歩き始めます。

 

祐一郎さんはしばらくすると、しきりに後ろを振り返っています。

 

後ろには洋風のお城が見えるのです。

 

「どうしました?後ろばかり気にしているようですが」

 

「あ、いえ、ちょっと気になってしまって」

 

「もしかして洋風のお城に未練があるとか」

 

「いえいえ、あんなに辛く厳しい道のりはもうけっこうです」

 

道中には祐一郎さんがテントを使って一夜を明かした

 

思い出の場所なども出てきます。

 

「懐かしいなあ」と祐一郎さんは振り返っています。

 

しかし、祐一郎さんはその度に頭を振って

 

「僕は今、日本のお城を目指しているんだ」と

 

思いなおしてきた道を戻ります。

 

すると、今度はイノシシの親子に出会います。

 

「あ!」と祐一郎さんは気が付きます。

 

随分前に怪我をしたイノシシを手当てしたことがあったのです。

 

イノシシの親子はにっこりと笑って祐一郎さんを見ています。

 

イノシシの親子は祐一郎さんと女性が進む方向とは逆を目指しているようでした。

 

イノシシの親子はまるで祐一郎さんに一緒に行かないかと言わんばかりに

 

すり寄ってきました。

 

祐一郎さんは少し胸の中が暖かくなりましたが、

 

逆方向に行ってはまた洋風のお城を目指すことになります。

 

祐一郎さんは顔を引き締め直して、イノシシの親子に言います。

 

「僕はあの日本のお城を目指しているんだ。だから君たちと一緒には行けないよ。わかってくれるかい」

 

イノシシの親子たちは少ししょんぼりしていましたが、

 

その場でお別れをしてお互いの道を進み始めました。

 

どんどん祐一郎さんと女性は進んでいきます。

 

女性は軽装ですが、祐一郎さんは重装備のため

 

祐一郎さんは「はぁ、はぁ」と息を切らしながら歩いています。

 

それでも表情は何か吹っ切れたようなものがあり、

 

清々しさを感じるほどでした。

 

祐一郎さんの中での迷いがどんどんと

 

なくなっている様子が見て取れます。

 

しばらくすると二股に分かれた分岐点のような

 

ものが見えてきました。

 

【~続く~】

 

皆さまいかがでしたでしょうか。

 

祐一郎さんは目的地を変更するという

 

大きな決断を行いました。

 

元来た道を戻る中でも

 

様々な葛藤があったようですね。

 

それでも新たな目的地に向かって

 

祐一郎さんは歩き続けます。

 

続きは次回書きたいと思います。

 

現在、不自由や不安を感じる人生を送っている人が

このブログを読んで少しでも新たな一歩を踏み出してくれる

きっかけになったら嬉しく思っています。

世の中には親切な人は意外といます。

そんな願いを込めて書いています。

 

何か生きる上でのヒントになりましたら幸いです。

 

皆さまよろしくお願いいたします。