前回の記事からだいぶ時間が経ってしまいました
忘れないうちに書き留めておこうと思います。
14時間にも及ぶ大動脈弁置換術(バイパスなども含む)を終えた母。
手術自体は上手くいったものの、予後の経過が思わしくなく暫くICUで様子を見ることになりました。
2~3日おきに主治医から母の様子について連絡がありました。
身体に付いていた管が徐々に外れていく報告でもありましたが、術後のせん妄の症状が酷いので、まだしばらく看護師さんの目の届くところにいます…と。
せん妄。
そういえば母の荷物の中のファイルに冊子が入っていたのを思い出したので広げてみる。
先生のお話では、術後せん妄と言って、入院前後の誘因(全身麻酔、手術、環境)が変わることが大きな原因であり、心臓の手術をした人の8割はこの症状が出るそうです。
母の状態は・・・
・朦朧として話の辻褄が合わない
・怒りっぽくなり興奮する
・見えないものを見えると言ったり(幻視)ありえないことを言う(妄想)
・夜眠らない
・症状は急に起こることが多く、夜になるとその症状が激しくなる
このような症状が出ているからと言ってこの時点では面会も出来ず、ただただ「くれぐれもよろしくお願いします」という事しか出来ませんでした。
そうこうしているうちに預かったままの母の荷物をどうしたらよいのか気になりだした頃、病棟の看護師さんから今後必要になるものがあるから持ってきてほしいと電話がありました。
・トロミ粉(水が上手く飲めない)
・パンツ型のおむつ
・おむつのライナー
ちょうどいいタイミングだったので再度母の様子を聞いてみましたが、相変わらずせん妄の状態が続いているようで、日中は穏やかに過ごせているが夕方以降は興奮して叫んだりしているようでした。
看護師さんに言われたものを届けるついでに、母の荷物を全て預かってくれるというので、翌日病院へ持っていきました。
この時まで母のスマホも私が持っていたので、これからは母と直接LINEでやり取りが出来るからよかった!と思いました
が・・・
今までほとんどLINEが出来なかった母ですが、検査入院中はあまりにも暇だったためか、返信もすぐ来るし何よりきちんとした文章が打てるようになって姉妹で喜んでいたのですが、術後それがほとんど出来なくなっていました
こちらからLINEすると個室に入っているわけでもないのにすぐに電話がかかってくる。(個室以外は電話禁止)しかも他人行儀なしべり方だったり、時には意味不明なことをブツブツ言って切ってしまう
私と妹には頻繁に連絡が来るのですが、一番頼りにしているはずの姉の話は一切出て来ずもちろん母も姉には一切連絡していない。
(後に母に聞いたら、姉の存在はすっかり忘れていたそうです)
手術入院する時に妹が
「退院の話が出たら土曜日なら迎えに行けるから」
だけ何故か覚えていたらしく、先生から退院の話も出ていないのに
「次の土曜日退院だから!」と、毎週のように繰り返して連絡してくるのも困惑しました(笑)
その度に病院に電話をして
「母が次の土曜日退院すると言っていますが本当ですか?」
と、何度か確認しましたが、やはり母の妄想でした。
電話口に出た看護師さん。
「あなたがchamさんですか?いつもお母さんがcham!cham!と叫んでおられますで、私がいつもchamさんに間違えられるようでいつも呼び止められるんですよ~」と。
いや~・・・。穴があったら入りたい
本当にお世話になりました。
術後の経過が順調であれば1ヶ月ほどで退院できるはずでしたが、せん妄の状態が長く続いたこともあり、退院まで2か月かかりました
その間、この頃もまだ病室までは入れないので週に2度ほど差し入れや洗濯物を受け取るので病院に通っていました。
実際は玄関の受付で荷物のやり取りをするだけなのですが、私が荷物を届けに行くよ!と連絡するとchamが病室まで荷物を届けに来てくれた!と母は大騒ぎしていたようです(看護師さんとの電話で判明)
術後は固形物を受け付けなくなりご飯が完食できずにいましたが、何とか食事もとることが出来て手術から2か月後にやっと退院することが出来ました。
現在も2~3週間おきに通院していますが、何とか元気にやっています。
その頃、息子の学校に行く機会も多かったので私も実家に顔を出して様子を見にいっていましたが、ここ最近は忙しくて顔も出せていない状態が続いています。
退院してから、入院中のことを思い出したかのように色々と話してくれます。
退院が決まってICU付近にいた時に、同じく心臓の手術を終えた方がせん妄の症状が酷く、大きな声を出しているのを聞いたそうです。
介助してくれている方に「あの方も術後大変ですね」と母が言ったそうです。すると、今まで見てきた中で貴方が一番酷かったね・・・!と言われたそうです(( ´∀` )www)アハハ
とにかく元気になってよかったです!
が、元々小さかった母ですが術後はさらに痩せて小さくなってしまいました。
家に帰ってからは妹が食事や洗濯などのサポートをしてくれています。
色々ぶつかることも多いと双方からの愚痴を聞きますが、私もたまには帰って親孝行しなくてはいけないと思っている今日この頃です。
母の病気シリーズ、長々とお読みいただきありがとうございました。