新たな「ハリ医学」を「浅刺・置鍼法」で築く、挑戦の軌軌 ⑩
「本来のハリ」の事実は歪曲されて伝わった。
新しい「ハリ医学」の建設は、
「ハリ医術」の根源を辿り
霊枢・九鍼十二原第一の実践からスタートし、
実践効果の事実を即物的に解明することが第一歩である。
既成の「学説」の借用・こじつけ解釈でなく
事実の構造を明らかにすることが真の学問である。
まず、霊枢・九鍼十二原第一の冒頭「持鍼の道」
これが「ハリの刺し方」のすべてである。
しかし霊枢・九鍼十二原第一が「鍼経」として定着した当時の
ハリ医術の臨床家」たちは正しく読んで実践していたと考えられる。
後代の学者たちは、たった「一字」を読み違った。
「持鍼之道」は「正指直刺無左右」に尽きるのである。
この「直」一字の読み違いが、何の疑いも持たれずに
現在に至るすべての「鍼灸学」の根幹となってきたのである。
私の最大の恩師・丸山昌朗先生は、
55年以上も前に直を「縦に刺す」と読むのは
誤りであると提言されたが
誰ひとりそれをまともに受け取る人
はいなかった。(次へ)
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