本日の日経新聞電子版に、『上場企業とTOEIC 2割の企業が昇進・昇格の要件に 』という記事が載っていました。電子版は購読していないので、記事の内容は確認していませんが、「上場企業304社の調査」ということから、恐らく出所は昨年行われた国際ビジネスコミュニケーション協会による調査 だと思われます。
TOEICに対しては賛否両論がありますが、
(1) (延)受験者数が非常に多い
(2) 刻み幅が相対的に小さく、客観的な点数として表示される
(3) TOEICに代わる指標がない
ということから、幅広く使われているのだと思います。
以前の記事 にも書いたように、TOEICは英語運運用能力を直接的に測る試験ではありません。
しかし、TOEICの点数と英語運用能力に全く関連性がないというのも(誤った)極論です。
問題なのは、TOEICの点数アップだけを目的とした勉強です。例えば、ひたすら問題を解きまくるという勉強法は要注意です。![]()
点数アップ目的の勉強では、大量の問題を短時間に解けるようになることを第一義とします。例えば、Part5(文法・語彙問題)では、意味に関係なく品詞だけで判断できる問題も多く、Part6も空欄の前後で判断できる問題も多くあります。Part7にしても、まず設問をざっと読んでから問題文を読むことで、時間の節約ができます。これらはTOEICの受験上のテクニックと言えるでしょう。
限られた試験時間内で個々の英文を吟味し、出題される英文の内容を100%理解するということは、上級者でも不可能です。換言すれば、TOEICにおけるテクニックも高得点をとるための必要悪ということです。
現に、私自身も実際こうしたテクニックを使ってTOEIC試験を受けていました。
TOEICに限らず、MBA受験の際に用いたTOEFLやGMATにしても、高得点をとるためのテクニックは存在しますし、(多かれ少なかれ)私を含め大半の人がテクニックを使って、要求点数を獲得しています。資格試験や入学試験にしても然りです。むしろテクニックを使わない試験を探すことの方が困難でしょう。
ところが、TOEICがTOEFL、GMAT等の英語試験と異なるのは、
① 受験する母集団がはるかに大きいこと
② 試験自体に「卒業」という概念がないこと にあります。
特に②は重要で、TOEICは(自主的に卒業しない限り)何度でも何年で受け続けることできるので、本来的でない勉強(≒英語力アップに結び付かない勉強)を延々と続けてしまう危険性があるのです。すなわち、間違った勉強法の習慣化のリスクです。![]()
例えば、TOEICのPart5は文法・語彙問題ですが、実際にビジネス英語で使える表現が結構多く含まれています。Part7などは、英文メールを題材にした問題が結構出ますので、実際に英文メールを書く際の参考としても使えます。制限時間内で問題を解くためには、一々英文を吟味する暇はありません。しかし、日頃の学習の中で、(点数アップのための勉強だけではなく)TOEICの英文をじっくり吟味し、アウトプットに使えそうな表現を蓄積していくことはできるはずです。
TOEICの点数アップだけに執着せず、(TOEICの教材を使っても)こうした本来的な勉強を続けていけば、TOEIC批判も少しは和らぐのではないでしょうか?
そのためにも、TOEIC受験者の(英語学習の)意識変革が必要なのだと思います。![]()