ANJOとアビタス参入前の黎明期、1990年代後半の急成長期を経て、2000年代前半からUSCPA受験業界も成熟期・変革期に入ったようです。一時の熱狂的なUSCPAブームも去り、冷静さを取り戻していったのです。
私が受験勉強を開始したのもちょうどこの頃でした。先輩に「USCPAの勉強始めました。」と報告したら、「え~、今頃USCPAかよ~。」ってビックリされました。![]()
変革期の象徴は2004年の試験制度の変革ですが、その3~4年前頃から、USCPAの受験産業の成長は鈍化し、成熟段階に入っていったように思います。
市場が成熟した理由の一つには、USCPAの希少価値の低下があります。USCPAブームの頃は、特段の会計実務経験がなくても、USCPAという名前だけで採用されたこともあったようです。そのため、経理や財務等の経験がほとんどない人が、この資格を受けようと殺到したようです。しかしながらその後、採用側が『実務能力のあるUSCPA』を選ぶようになったため、試験合格だけでは有利な転職につながらなくなったということです。
もう一つは、受験準備費用の高額化でしょうか。予備校に通い、単位を取得し、海外に試験を受けに行くという一連のコストを合計すると、場合によっては100万円近いコスト(あるいはそれ以上)負担が必要となります。これだけのコスト負担ができる人はそうそういませんし、上記のとおり、合格してもそれだけでは有利な転職はできないことが分かってきました。その結果、受験者の伸びも鈍化していったと思われます。
その後、2004年に試験制度が変更され、TOEFLのように、プロメトリックセンターのPCを用いて行う試験になるなど、USCPA試験制度自体も大きく変わりました。当初、受験予備校は新試験対応で苦労していたようです。
また、2011年から日本での受験も可能となり、この制度変更により日本人受験者数が増加すると期待されたようですが、この変更は日本人受験者増にはあまり寄与していないようです。
というのも、日本受験の場合、追加料金(1科目当たりUS$300程度)が係ることから、費用面では(海外渡航と比べて)大きなメリットがあるわけではないからです。むしろメリットとしては、「忙しくて海外まで試験を受けに行けなかった人が、国内で試験を受けられるので便利になった。」ということの方が大きいと思います。
ということで、試験制度変更は、①相当の実務経験のある大手企業の経理担当者、②大手会計事務所(監査法人)等に勤める日本の公認会計士等にとっては、確かにメリットがあるかもしれません。
いずれにしても、日本におけるUSCPA市場は、成熟期を迎えていると思います。市場はすでに数校の受験予備校による寡占状態で、今後の新規参入はしにくいと思われます。また、ビジネスモデル(米国大学での単位取得+日本語化)も確立されました。今後は、更なる再編があるかもしれませんが、基本的にコスト削減とコスト優位に基づく割安感のある受講料を設定することが、各予備校の課題になると思われます。