長々と続いたこのレポも、いよいよ最終回です…
…一応そのつもりで書き出しております(どうなるかは書いてみないとわからない)
もののけゾーンという名の一山を頂上まで上り切り、下りにかかります。
5時間に間に合わないのはほぼ確定ながら、誠意を見せないといけないので仕方なく走る。
そもそも上りの途中で間に合わないなと薄々思っていながら歩き続けた時点で誠意などないも同然なんですが、いかんせん性格が姑息なので、少しでも楽なところでいいところを見せようとする。
下りで数人のランナーを抜いていきますが、女性は一人もいませんでした。依然順位不明。
下りだろうが上りだろうが、この時点で30km過ぎてるわけで、この練習不足の脚はすでにキャパオーバーです。
くっそ、しんどいな。
「歩いてもいい(というか歩くの推奨)大会」という前提があるからか、走っていること自体に腹が立ってくる。←
なんで走ってんだよ私!5時間ってなんなんだよ!!
誰に向けるでもない…というか誰に向けるべきかもわからない怒りを推進力に変えながら、10コ目のエイド。
ここ、ランナーがめっちゃいた。
後からラインアップを見てみたら、焼きそばとかBBQとか(確かに焼いてた記憶がある!)肉めしとか、豪華なんですよ。
そりゃみんなここで時間取るよ。
ところで私がなんでここでも「後から見た」かって、本格化していた5時間の圧が重くて、結局コーヒーだけ飲んで通過したからですよ。
開き直って食べときゃいいのに、もはや圧が無視できないレベルにモンスター化。
そしてますます腹を立てる。
なんなの!!お腹空いてるのに!!エイド一つ楽しめないのか私は!!
今思えば腹が減ってたから余計にイライラしてたんだと思われますが、次のエイドまで延々怒りながら走ってたw
エイドを楽しむ相当数のランナーを置き去りにして、目の前には女子ランナー。まずは彼女をパス。
直後、さっきのエイドを出たところからずっと付いてきていた足音が私を抜いて行く。女性でした。
女子3名でなんとなく隊列になって走っていた田舎道、目の前から軽トラが。
広い道ではないので端っこに寄りながら走っていましたが、その軽トラも少し前で停車。
通行待ちしてくれてるだけでなく、車内でじいさまとばあさまが全力で拍手してくれてました。
南伊豆、沿道の応援はないと言っていいくらいの少数ですが、こうやって町の人たちが自分の生活の中で温かく見守ってくれていました。
応援がないとフルなんて走れないと頼りきっている私でも、まったく不満はなかった。
ウルトラ出たことないけどこんな感じなのかな。
優しいじいさまばあさま効果で、尖り散らかしていた心が一瞬落ち着く。
それから私を抜いていった女性と2人旅。
しばらくはつかず離れず走っていましたが、徐々にその差が開き始める。
てか、どこの大会でも思うけど「35km」の絶望感ってすごくないですか。
残り7kmもあるの!?マジで?10kmから毛が抜けただけじゃん!(どういう感覚だよ)って毎回奈落の底に突き落とされるんですけど。
今回も「35km」の絶望感にメンタルがやられた間に差を広げられ、そして凪いでいた心も再び荒れてくる。
もう走りたくないんだけど!!プンプン!!!
が、300mくらい先で、彼女が突然立ち止まる。
やがて追いついた私に「道、こっちで合ってます?」
そう、そこは分かれ道。
あからさまなT字路などにはスタッフの方がいたけど、ちょいちょいあるちょっとした分かれ道には案内がないことが多く、おそらく地元民目線だと「こんなとこ行こうとは思わないでしょ」って思い込みがあるんだと思うんです。
でも私みたいな土地勘のない他県民にその確信は持てない。なんたって石廊崎がコースに入ってるような大会なんだもん。
正直、「最高尾」って文字が入ったその白シャツを、先に行ってくれてありがたいと思いながら追ってたところがありました。
「いやあ、わかんないです…マップ見てみましょうか見てもわかんないけど」
2人でスマホを取り出すも「…電波悪いですね…」
待てども待てども私のスマホも彼女のスマホも画面は真っ白w
「私マップダウンロードしてきたんですけど」「ああ~、まあ見てもどうせわかんないし多分合ってると思うんですけどねえ」などとやっている間に、少し前にパスした女性が後ろに男性を貼り付けて追いついてきたので、仲間に引き入れる。
「多分こっちで合ってると思います」とその彼女が言うので、みんなで再スタート。
彼女、出走は初めてながら地元民だそうで、大変助かりました。
…てか、ずっと突っ立って私たちの結論待ってたその男ダレw(※荒んでる)
そこから少しの間はおしゃべりなどしながら走っていましたが、最後のエイドに着くまでには全員バラバラに。
最後のエイドは、わずかにコースから外れたところ。
しかも階段を上らねばならず、すでに虫の息の私には究極の選択。
だがしかし!ここが最後のエイド!
ここを通過したら私、マジでなんのためにこの大会出たのかわからん!!
何も食わずに(正確にはオレンジ寒天とバナナは食った)帰れるかーーーー![]()
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強い決心を持って階段を上ると、そこには小洒落た古民家カフェ的なエイドが。
手作りの顔出し看板。
撮ってあげるよとボランティアの方が声かけてくれたけど、頑なに固辞。
初めて食べる大会自慢のフード。※正確には…以下略
冷やしぜんざいを大変美味しくいただきました。(突然の強調)
紙コップに残ったあんこがもったいないので、そのままお茶注いでもらった。
どれだけ大切に食べたかわかっていただけると思う。
親切に爪楊枝が刺さったゆず大根も。
抜きつ抜かれつでずっと一緒だった男性2人組はここでもしっかり食べていて、「最後まで腹いっぱい」と言ってました。
腹いっぱい状態で走れること自体が私には考えられず、多分トレイルやってる人たちなんですけど、やっぱ胃腸の強さは半端ないなと思った次第。
そわそわと気が急いて「連れに5時間で帰ってこいって言われてるんですよ、あと3km?4km?もう出ないと間に合わない」と落ち着かない私に、エイドのお姉さん方が「大丈夫、あと2.5kmだよ」と。
「…マジで!2.5km?ワンチャン間に合う!
」
…あの時のあれはぬか喜びだったと、先に伝えておきます。
2.5km♪2.5km♪
さすが「だいたい42.195km」なんて謳ってるだけあって、ガーミンより短いんだね♡
などと呟きながら最後の力を振り絞る私でしたが、2.5kmを経過したときまだゴールの公園は見えてもおらず、同時にあれほど必死で逃げた5時間も無情に経過…。
2.5km以上あるじゃねえか!と自暴自棄になりそうだったところに、なんと私設エイドが!
こんなにエイド充実した大会なのに、私設まで出してくれてるの!?
5時間を経過した今こそ誠意の見せどころですが、ここで開き直るのが私。
過ぎてんだからもういいわと、正真正銘最後のエイドに立ち寄り、コーラを所望。
「冬瓜と海老のあんかけも食べてってね」という優しい声かけにお礼を述べて、ゆるゆるゴールに向かって出発。
ちなみにそこからゴールまで1kmはありました![]()
そうしてようやくたどり着いたゴール地点。
公園最寄りの駐車場をぐるっと回りながら、サム、ここに車回してくんねえかな…などとキレ気味に(←2.5kmが夢だったせい)考えていると、コース脇にニコニコしているらんな~さんが。
「遅くなってごめんね~」謝りながら通過。
さらに進みトイレ前にさしかかったところで、用を済ませた←みやみさんが。
「あー!とあこさんだ!速いー!」
なんかわからないけど褒めてくれた...5時間過ぎてるのに…。
ゴール前ではボランティアさんが「ゴールの写真撮ってくれるよー」と迎えてくれます。
「写真は要らないー」ヘロヘロのくせに、それだけはやっぱり頑なに固辞。
まあ私全顔隠蔽スタイルなので、撮られても誰かわからないんだけどね。
(実際ゴール後にカメラマンさんが「顔見せてー」って言ってた気がするけど、曖昧に笑って通過←しかしその笑顔も隠蔽されている)
どうでもいいでしょうけど、ゴールタイムは5時間10分ほど。(グロス)
女性3位だったようです。(みやみさん情報)
ゴールまで来てくれたらんな〜さんが「前傾のいいフォームでねえ、バネも残っててねえ」と褒めてくれる。待たせたのに優しい…。
総合2位のみやみさんも駆け寄ってきて「とあこさん思ってたより全然速かったー!」と満面の笑顔。
優しい…待たせてすみま…
「みんな絶対ワープすると思ってたからーwww」
…ええ、私もそのつもりでしたとも…![]()
ゴール後にいただいたカルピスがマージーで美味しかったです!
こんな面白いタオルキャピ写真、見たことない。
ちなみにここにサムさんがいないのは、なんと車を近くまで持ってきてくれてたから。
サム様…!!さっきまで呼び捨てでごめん…!!
サムさんが持ってきてくれた車に乗り込み、近くの日帰り入浴施設で汗を流す。
アームカバーのゴムで擦れたらしい二の腕の内側がめっちゃ滲みて、「痛っで!!」ってでっかい声出た。(塩泉だった…)
実は中で終盤に道に迷った?仲間が集結してたんだけど、それを知ってたのは私だけ。なにせ隠蔽スタイルだったもんですからw
締めくくりは南伊豆リピーターの3人イチオシの「瀧」という店で。
刺身すっごい美味だった。
サムさん推しのアジフライ。
一口食べて「ハードル上げすぎたな」と呟いていたのは聞き流した
そして全員一致で過去一と絶賛のキンメの煮付け。でっかい!
このタレでごはん食べたいと、みやみさんが米を注文。
余談ですが、みやみさんは最近米派だそうです。
米が高い今こそパン派優位なのにw
2時間弱の打ち上げを終え、踊り子で宴会(サム様ごちそうさまでした)し、熱海でお別れ。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
5時間に追われ、途中どこに向けたらいいのかわからない怒りに襲われながらw結局最後まで走り抜けた南伊豆。
景色はいいし人は優しいし、終わってしまえばなんだかんだ楽しい42kmでした。
そしてやはり特筆すべきは、他のマラソン大会とはまったく違うその雰囲気。
走ってよし歩いてよし途中でワープしてもよし。
ランナー同士の交流も多く、いわゆる「普通の」大会では得られない満足感に浸れる唯一無二の大会でした。
冗談混じりに「また来年」なんて言ってたけど、来年もそこにいそうな気がします。
次があればブーたれることなく終われるよう、脚力を鍛えるなりワープするなり計画しなくては。
楽しかったです。
ありがとう、南伊豆みちくさぼちぼちフルマラソン。
そしてこの話が出て以降、最後まで面倒みてくれたサムみやさん、らんな〜さん。
2025年のトップクラスの思い出になりました。
ありがとうございました![]()
また遊んでください。







