長野そば記録【はしば食堂】 | RUN!FUN♪RUN!

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走ることがそれほど好きではないのに、なぜかランニングを趣味にしてしまった怠け者のブログです。
走れば走るほど太るという奇跡のランナーの卒業ついでに
せっかく太った体を使って、1kg痩せると3分速くなる説の検証中。(※痩せる痩せる詐欺が止まらないため一時中止)

三重県に「ジャズドリーム長島」というアウトレットがあり、

そのCMが私の毎朝見ているチャンネルで流れます。

見られるのは東海地方だけなんでしょうか。

内容はこうです。



(アウトレット内のカフェで

待ち合わせしている的なシチュエーション)


「ごめんごめん!遅くなって!」
CMキャラクターのトリンドル玲奈、拝むように手を合わせて登場。


待ち合わせの相手の前に座り

「今日はね、ワンピもスカートも靴もシャツもバッグもぜーんぶ買うの!」
「それからね」

言いかけて、ハッと気付いたように

「Σ急がなきゃ」

慌てて席を立ち


「早く早く!」

相手を手招きしつつ、いそいそとセールに繰り出す。





いや、遅れてきたのオマエだろ。






毎回イラっとするのは私だけなんでしょうか。

そうでなくても忙しい朝、聞き流せばいいんですけど

冒頭の「ごめんごめん遅くなって」が

超音波のように甲高い声で、何をしてても耳につくこともあってか

どうしてもイラつかずにはいられません。

可愛いからって甘やかすのはんたーい。(  ̄っ ̄)







秋レース報告で前後しましたが、蕎麦記録の続きです。

なぜここだけ別記事なのかは、読んでいただければわかるかと。



長野から帰る日、飯山市の西乃茶やで蕎麦を食べながら

スマホ片手に更なる蕎麦屋を検索。


蕎麦大好きな連れの者が、腹ペコなのにも関わらず

大盛りではなく普通盛りにしたのを見て

さてはハシゴする気だな、と察知したコナン君のように鋭い私。←



蕎麦どころ長野、蕎麦屋のブログ記事には困りませんが

逆に対象が多すぎて、絞るのが大変。┐(´~`)┌

私の琴線に触れた蕎麦屋は、新潟に近い県境の山奥で

おばあちゃんが打っているという庶民的な店。

おばあちゃんがいて、蕎麦があれば食べられるそうで

営業時間も営業日も決まってないんだとか。



ここはどう?とスマホを見せると

検索中の自分のスマホと比べてしばらく逡巡した後

「婆の蕎麦屋にするか」

…いきなり婆呼ばわりするんじゃないよ。ヾ(・∀・;)



せきざわや涌井せんたあも相当な山の上にありますが

それすら比較にならないくらいの深い山。

本当にこんなところに蕎麦屋があるの?と思った頃

「はしば食堂 左折」と手書きの看板が。


その先も小さな看板がちゃんと設置されていて(全て手書き)

迷うことなく辿り着くことができました。

最後はすれ違い不可のなかなかな勾配の坂道だったよ…。



ちょっと離れた駐車場から。
 


ひっそりと静まりかえっている食堂…て言うか民家。

駐車場は私たちの車だけだし、営業してるのか?



疑いながら近寄ってみると、右の柱には営業中の文字。

玄関も「どうぞ」と言わんばかりに開いている。

ということは営業してるんだろう。

いざ!!(`・ω・´)+


玄関に近付いた私たち。

と、その隙間から黒い何かが二つ飛び出してきました。

「!?」

…つ、ツバメ!!Σ(゚口゚;



え、何?

ここ玄関じゃないの??

なんで中からツバメが出て来るの??

二重玄関???



頭から「?」をいっぱい出しながら玄関扉を開け

動揺しつつも「こんにちは!」叫んでみる。


正面にはパチンコの換金所みたいな小窓があり

頭上にはツバメの巣と化した玄関照明(補助段ボール付)。

小窓から「はいよー」と小さなおばあちゃんの顔が見え、「何人?」

「2人です、やってます?」

「いいよー。あと玄関全開にしといて。ツバメが出入りするで」

ええ、今さっき出ていかれました。(;´∀`)



「入ってー」

…入ってって言われても、右方向の引き戸の奥は真っ暗だし

正面は小窓だし(どう見ても台所だし)、どこ入ればいいの。



靴を脱ぎ、恐る恐る引き戸を開けて見ると、居間へ続く廊下。

あ、こっちだ。

台所を通ってきたらしいおばあちゃんが出てきて

「電気点けて」


…そこから?Σ(゚Д゚;)

スイッチを探してたけど、単純に紐引っ張るだけでした。

写真と逆側には床の間があって

扉の閉まった仏壇と思しき家具と、鴨居に並ぶご先祖様の写真。

完全におばあちゃんちだな!


台所から出てきた小さいおばあちゃんが

「さっきねえ、電話があったのよ。5人行くから開けとけって」

わざわざ電話してくる人もいるみたい。

「その人たちあそこに座ってもらうから(奥の6人掛け)

あんたたちはここにしようか」

手前のテーブルを指し示し

「はいこれ、お茶ね」

湯呑を二つ渡されて、急須とポットは各テーブルでセルフです。



注文を決めている間に台所へ消えたおばあちゃん。

お盆に、口一杯並々そばつゆが入った徳利(?)と

たくさんの小皿を載せて戻ってきました。

お通しみたいなものです。テーブルごと¥200。

全部おばあちゃんの手作りみたい。手前は単に薬味のネギです。

トマトの煮浸し、ズッキーニの浅漬け(絶品)

あとワラビ(かゼンマイ)のお浸しと…

その隣の山菜がよくわからないんですけど、ぬるぬるしてた。


並そばを2人前頼むと、「笹ずしはどう?」とおばあちゃん。

撮ったつもりの写真がありませんでしたが

笹ずしは北信地方に伝わる郷土料理。

笹の葉っぱに酢飯が乗り、その上に佃煮等がトッピングされてます。

岐阜の朴葉ずしに似てる。


私たちハシゴしてますので、お腹はそこそこ膨れてますが

わざわざ言ってくるってことはおススメなんだろうと

一人前(5つ)頼んでみました。

「あんたたちで今日の分は最後!」

…え、後から5人来るのに売っちゃっていいの?



そんな本日最後の笹ずしをつついていたら、

新規のお客さんで3人の親子連れがやってきました。

彼らの注文は、蕎麦と…笹ずし。

おばあちゃん、一瞬考えて

「わかった、ちょっと作ってくるわね!

あの人たちで最後だったんだわ」

そしていそいそと台所とは逆方面の引き戸へ向かい

笹の葉取ってくるところからなんだろうかと思っている私たちに




「予約の人来たら、

あの席案内しといてね」




…は、はあい。( ̄▽ ̄*)



引き戸の向こうへ消えていった後ろ姿を見送り、

おばあちゃんの素晴らしい臨機応変さに感心するやら戸惑うやら。

また連れの者が「はい、わかりました」

とか穏やかに澄ました顔で請け負うもんだから

笑いがこみあげてきて止まらない。

いやあ、こりゃ噂に違わぬ名物おばあちゃんだわ。


おばあちゃんの熟練した笹ずし作りの手の方が早く、

結局案内することなく終わりましたが。



おばあちゃん帰還後、ほどなく運ばれてきた並そば2人前。

実はここの蕎麦、富倉そばと言ってちょっと特殊。

見た目も透明感がありますよね。
富倉そばは、富倉地区にだけ伝わる蕎麦です。

つなぎに使っているのが小麦粉ではなく、

ヤマゴボウの葉の繊維だそう。

食べても普通の蕎麦とは全然違って、弾力と歯ごたえがすごい。

いわゆる「蕎麦は喉越し!」とは一線を画してます。


おばあちゃんは

「上杉謙信が鉄砲の玉に使ってたものが入ってる」

と言ってました。



親子連れにもざるにてんこ盛りの蕎麦を提供した後

台所からざる(調理用)を手に出てきて

「まだ食べれるでしょう。これ、端っこだけど良かったら食べて」

切れ端の蕎麦をざる(提供用)に置いてってくれました。素手で。

たまらないおばあちゃんちぶり。( ´艸`)




そしてそのまま

私たちのちゃぶ台横に腰を下ろす。




おばあちゃん(推定年齢80歳超)が打った蕎麦であること

ヤマゴボウの葉の繊維を使った蕎麦生地は透明になること

蕎麦を打つ時の棒は230cmもあること

飯山市の「富倉そば」は(一軒目の西乃茶やからほど近い)

実は親戚が営んでいる店だとか




~~~~~ここまで下書きしていた分~~~~~




まるで昔から知っている相手のようにあれこれ話してくれて

3年前に亡くなった祖母に今でも頻繁に会いたくなる

おばあちゃん子の私は、懐かしい感じで嬉しかったです。

…訛りで半分くらいしか聞き取れてないんだけど。(;´▽`A``




私たちが訪問してから一ヶ月くらい後、

TVケンミンショー内の「日本一転勤が多い夫婦コーナー」で

長野県がフィーチャーされ、その際上記の「富倉そば」が出てました。

おばあちゃんの店も外観だけ一瞬映りました。


ものすごい山奥だけに、

自主的に行こうとは簡単に思えない場所だけど

TVに映ったことできっと一躍人気店になったんじゃないかな。

おばあちゃん、忙しさで体調崩してなきゃいいなあ。





蕎麦も含めてとても個性的な、なかなかないタイプの店で

また必ず来ようと楽しい気持ちで店を後にしました。(*´∇`*)