福岡マラソン2015 ③ | RUN!FUN♪RUN!

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走ることがそれほど好きではないのに、なぜかランニングを趣味にしてしまった怠け者のブログです。
走れば走るほど太るという奇跡のランナーの卒業ついでに
せっかく太った体を使って、1kg痩せると3分速くなる説の検証中。(※痩せる痩せる詐欺が止まらないため一時中止)

こんにちは。



昨日、男女合わせて8人が一ヶ月で合計100kg減を目指す、

というダイエット番組を観ていたんですが、

その中で運動監督をしていたトレーナーの男性の


「自分で頑張ったって言ってるうちは

頑張ってないんです」


という言葉に箸を持つ手が震えました。((((;;OдO;lll))))ガタガタ







実は頑張ってなかった福岡マラソン、最後のレポです。




ストライド50cmくらいなんじゃないかってほどの小股で

なんとかちまちま走り続け、ようやく32km。


大阪では「残り10kmしかないんだ」とさえ思ったのに

この日は「残り10kmも走れるだろうか」と不安しかありません。

1kmが10kmにも感じられ、全然進まない。(-д-;)


走れるだろうかというよりむしろ

リタイアしようと思う気持ちはどんどん強くなっていて

このまま最後まで脚を動かし続けられるとはまったく思えず

リタイアするにはどうすればいいんだろうと

真剣に考えていました。

本当に死ぬかもしれないとも。


周りは相変わらず半分以上が歩いているので

こんな速度でも、走っているだけで前のランナーが次々捕まります。

でも、一・二歩横にずれて

前を行くランナーを避けるというだけのことも辛い。(-д-;)


歩いているランナーたちのほとんどが

ケータイで電話したりメールしたりしながら歩いていて

歩くならせめて真剣に歩けよ、と

八つ当たり気味に心で毒づいてみたものの

ゴールで待ってる人に連絡してるのかもなあと思ったら

自分がケータイを持っていないことを思い出しました。

そうだ、リタイアしても私には連絡手段がない…!Σ(´Д`lll)



リタイアするという選択肢は、この時かなり薄くなり

(でもまだ完全には消えない)

どうなっても生きてゴールせねば、という気持ちに。


人が前を向くのって、意外に「そんなこと!?」ってことが

きっかけだったりするのかもしれません。



死ぬより100倍マシだ、歩こう。と思いはしたものの
それでも歩くことにまだ罪悪感が残っていたので

給水所の区間だけ歩いてもいいことに決めました。

最初のテーブルでコップを取って、歩く。

飲む、かける、かぶる、をしながら歩く。

最後のテーブルを過ぎたら、ちまちま走り出す。


こうなると、名実共に給水所がオアシスです。

給水所を出た瞬間から、次の給水所が待ち遠しい。


辛い、苦しい、辛い、苦しい。

いち、に、いち、に。

辛い、苦しい、辛い、苦しい。

右、左、右、左。



その時、沿道から

「景色も楽しんでくださいねー!!」と女性の声が。


ほとんど自分の進行方向しか見ていなかった私が

言われて顔を上げると、目に飛び込んできたのは

太陽に照らされてきらきらと青く光る海。

遠くに霞む水平線と、青に映える白い波打ち際。

と同時に、「ザザーン」と波の音。


うわあ、なんてきれいな景色!!(*゚д゚*)

晴れて良かった!!(*゚д゚*)


心の底から思いました。

写真は撮れなかったけど。



しばらくの間、顔を右に向けたままで景色を堪能。

だからといって脚の調子は変わりませんが、


辛い、きれい、しんどい、きれい

辛い、きれい、苦しい、きれい


と、この一瞬だけは半分くらい前向きに。

ですが、景色でごまかすのも長くは続きません。



もう本当にしんどい。

海からの照り返しが眩しいのすらキツイ。

これでも体はまだ限界じゃないんだろうか。

次の給水所が遠い。喉が渇く。

ゴールが遠い。30km越えてもゴールできる気がしない。




つらい。

つらいつらい。

つらいつらいつらい。

つらいつらいつらいつらい。

つらいつらいつらいつらいつらい。

つらいつらいつらいつらいつらいつらいつらいつらいつらいつらいつらいつらいつらいつらいつらいつらいつらいつらいつらいつらいつらいつらいつらいつらいつらいつらい…

(※呪いではありません)




頭の中がほぼ「つらい」で一杯になっていた時

沿道の人が掲げていた、黒地の大きなボードが目に入りました。


「よくここまで頑張った!

足が痛いか、苦しいか?

ここを乗り越えろ!

本当の笑顔はゴールの先にある!」


ちょっと記憶が曖昧でうろ覚えですが、

多分こんなような内容だったと思います。



ヨチヨチ走りながらボードをじっと見つめていた私に気付いて

ボードの手前にいた元気なおじいさんが

「○○さん!(福岡のゼッケンは名前入りです)

頑張れよ!もうあと少しだからな!!頑張れよ!!」

私を名指しで前のめりに応援してくれました。


初めてとも言える辛過ぎるマラソンと闘っている最中の私、

ボードだけでけっこうキてたところに加え

おじいさんの力強い応援が決定打で…あ、ダメだ、泣く…


こらえろこらえろ、この上泣いたら気道が狭まる。

ただでさえ苦しいところに呼吸まで苦しくなったら脚が止まる。



「…う……うヴァあぁ!!(TДT)」



いえ、何かが産まれたわけではありません。

ついに堪えきれずに漏れた、私の嗚咽です。


そこに


ピロ~~♪


…何、この音…。(´;ω;`)

あ、35kmのマット踏んだんだ。まだ35km…。


おまけに


「オールスポーツです~…

お写真撮ってま~す…」



そのすぐ後ろに控えていた天敵オールスポーツ。

しかも私の様子がおかしいもんだから

声かけ係の女の子、確実に気使って尻すぼみじゃん…。



ああサングラス!




心とは裏腹に、まんまと気道が狭まった私は

必死にしゃくり上げながら、ズルズル鼻をすすりながら、

帽子と手ぬぐいで顔を隠し、下を向いてオールスポーツ前通過。

今思えば、ゼッケン隠せば良かった。




頑張ろう。まだ走れる。

しかし前向きになれるのも、この状況ではもって3分。

すぐに「辛い、しんどい」で気持ちが埋め尽くされていきます。


でもね、過去最高にしんどかった福岡マラソンだけど

「なんでこんな苦しい思いして走ってるんだろう」

とか

「もうフルマラソンなんて走らない」

とか、ただの一度も思わなかったんです。

考えていたのは



「情けない、こんなマラソンの走り方してちゃダメだ!」

「二度とこんな走りをしないようにきちんと練習しよう」

「大阪が楽に走れたからって調子に乗ったなあ」

「思えば自分には驕りがあった。初心にかえらなきゃ」



死ぬんじゃないかとさえ思いながら

それでもフルマラソンを走ることを止める気がないことに気付いて

完全に自分ドMだなと呆れましたが、

走ることが好きではない私がフルマラソンを走る理由は、

大会が好きで、ただ大会に出たいからなんです。

だからどれだけ今がしんどくても、

大会を走れていることはハッピーなんです。


速くなれば励みにはなりますが、私にとって記録は二の次で

笑顔でゴールできないマラソンでは本末転倒。

(※私の基準です)


記録を目指してガンガン走っている人からすれば、

3年も走っていてまだサブ4も達成できていないなんて

亀のごとくに遅い進捗度に思われるでしょうが

私の目的はそこではないんですね。



…なんて偉そうなこと言ってるくせに、この走りは最悪。

本当に自分が不甲斐ないと思いました。

笑顔で楽しくも走れてないし、だからって速くは走れない。

一体なんの練習してきたんだ、私は。(lll′-`lll)


しんどい、辛い、ゴールできる気がしない。

情けない、不甲斐ない、カッコ悪い。


福岡マラソンのコースは日陰がほとんどないため

日差しがずっと直で体に当たり続けていて、とにかく暑い。

ネガティブ感満載で36km地点の給水所を歩きながら水をかぶり

最後のテーブル終わって、走るのもうやだ、と思ったところに


「とあこさん!」


プリンの☆ふく☆さんが見つけて声をかけてくれました。

☆ふく☆さんの姿を見て、咄嗟に出たのが


「もうヘロヘロです~~」


とことん醜態。どこが笑顔で楽しくフルマラソンか。(。-´ェ`-)




美しい海岸沿いはヨチヨチちまちまどうにか走り続けましたが

一面田園地帯に出たところでいよいよ心が折れました。

37km、ついに歩き始めます。


せめて真剣に歩こう。

ダラダラ歩くんじゃなく、大股でせっせと歩こう。

大丈夫、少し歩いたらまたきっと走れる。


今年のはじめに参加したチームの練習会で

一緒に走った女性が言ってたんです。


「42.195km、ずっと同じペースでは走れなくなることもあるけど

そういう時は体が回復してる時間だと思えばいいの。

長いフルマラソン、波があって当たり前。絶対また走れるから」


いい考え方だなあと心に残っていたこの言葉を

心の中で繰り返しながら真剣に歩きましたが

この時の私はどんな顔して歩いていたんでしょうか、

声をかけてくれる沿道の人を見ると、揃って眉尻の下がった困り笑顔。

「頑張って」

「頑張って」

控え目なガッツポーズを作り、小さな声で呼びかけてくれます。


せめて「頑張って歩きます!」くらいの返しができればいいのに

そんな一言すら声にできないほど弱っている自分。


「無理せんと、無理せんと!

まだまだ後ろにいくらでもおるけん!」


優しいなあ、おじちゃん。(ノДT)

去年応援に行った大阪で、「走れ~!」と

鬼の形相で叫んだ自分を思い出して、唐突に福岡で悔いる。




よちよち走りも大概進まなかったけど

歩きはもっと進みません。

残りは5kmを切ったのに、まだゴールできる気がしない。


歩いてても脚が辛い。

止まりたいけど、止まったら二度と進めない気がする。

早く進みたい。もう走れるだろうか。

試しに走ってみるも、せいぜいほんの数m。


おまけにこの日は風も強くて、

見渡す限り田んぼの37km過ぎは、吹きっ晒しの強風地帯。

歩き始めはコースの右端にいたはずなのに

右側からの風に押されていつの間にか左側に。

さらに土手の方まで押し出されて、危うく田んぼに落ちそうになる。

どこまで力なくなってるんだよ…。

てゆーか、こういう時こそ自慢の体重の出番でしょうが。



最後の給水所。

ゴール地点である糸島の男子高校生ボランティアたち。

「ここが最後の給水所です!

僕たちはランナーの皆さんを応援しています!

頑張ってください!!」

右も左も疲労度MAXのランナー達に向かって

一生懸命声を出し手を動かす様子に、また涙が出そうになります。


水を取って歩道に引っ込み、脚に水をかけようとしたら

すぐに一人の男子高校生が

「お姉さん、水ありますよ!」

2Lのペットボトルを手に飛んできてくれました。

まだ使う前だったから一滴も減っていなかったけど

お礼を言って、入る分だけ入れてもらいました。

コースに向かって歩き出した私に、後ろから

「なるぽん会、頑張れ!」って声かけてくれた男子もありがとう。




元気に走っている時は、沿道と接するのが楽しくて

ずっと顔も口角も上がりっぱなしなんですが

歩いていると、そんな自分が情けないのと、

せっかく出て来てくれている沿道の人に

笑顔で応えられないのが申し訳なくて、目線はずっと地面。

しょぼくれた私の目線を再び上げさせてくれたのは


「がんばってーーー!!」


いっせーのーせ!で叫ぶ、数人の子どもたちの声でした。

見渡す限り田んぼで、沿道に立っているのはボランティアの方だけ。


どこから声がするのかと思って巡らすと、

少し離れたところに建っているお宅の庭で、

塀から身を乗り出してコースに向かって叫ぶ、数人の子どもたち。

周辺のランナーたちも、これには思わず笑みが。


子どもたちに向かって大きく両手を振り、

前を向いた先に見えたのは40kmの案内表示。




ゴールできる。




やっと、やっと確信できました。

同時に、走り出します。

もう充分休んだ。2kmならきっと走れる。


右、左、右、左、いち、に、いち、に。


必死に脚を動かす。

動く。大丈夫。動く。動く。走れる。走れる。




沿道の人数も、ゴールが近付くに従ってどんどん増えていきます。

ボランティアの方の応援にも力が入ります。


大勢の人たちの声が耳に届く。

フィニッシュゲートが見えてくる。

ゴールしたランナーのゼッケン番号をコールする放送が聞こえる。

青いマットが目に入る。

あと10m。情けないレースだったけど、せめて最後は上げよう!

もう少し!



………


決して楽な2kmではありませんでしたが、

最後は走ってゴールすることができました。




22kmからフィニッシュまで


6‘14-5‘39-5‘42-6‘53 (22:53)

7‘07-6‘40-7‘28-6‘24-7‘00 (35:49)

7‘23-6‘45-6‘39-8‘09-6‘49 (36:15)

6‘45-7‘41-10‘05-10‘08-8‘46 (43:38)

6‘28-5‘28 (13:09)




フィニッシュゲートをくぐり、コースに向き直って

走らせてもらった感謝を込めて一礼…

…したら、体を起こすのに思いのほか力が必要で

たっぷり5秒は体を半分に折ってました。(-∀-`; )


近くで見ていた人はきっと、

あの人やたら深々と礼してるなと思ったことでしょう。

カメラの存在を思い出して急いで撮ったゴールの様子。



レース中にあれだけ涙した福岡マラソンでしたが

ゴール後は安堵こそすれ、涙は出ませんでした。

このままでは終われません。

福岡マラソンの記憶を上書きに、必ずまた走りに来ます。

ところで、こんなことをネットで無差別にというのも

いかがなものかと若干の躊躇はありつつ告白しますが、

この夜予定外に月のモノが襲来して、

この日の体調不良の原因が判明しました。

私にとっては、月で一番走ってはいけない日だったようです。


前日のOPPも、走っている時の異常な眠さも、

いつまでも脚が重かったのも、気分が上がらなかったのも

ついでに必要以上に涙もろかったのも、全部これで納得。

なので、ご心配などされませんよう。ヾ(;´▽`A``



ネガティブ要素満載のレポ、

最後まで読んでいただいてありがとうございました。


撃沈のヘタレレースだった福岡マラソンですが

辛いばかりではありませんでした。

少なくとも、練習不足はイヤというほど痛感しましたし

驕っていた自分に気付くこともできました。

勝負レースの名古屋に向けて、これはプラスです。


名古屋は記録狙いで走りますよ!

サブ4します。(`・ω・´)(断言)







最後に…

この日焼け線で、当日の天気を想像していただけますか?

ネガティブレポを散々読まされた挙げ句

太い脚見せられて不快ですか。


そうでしょうそうでしょう。(´∀`)






…しょうがないじゃん、撮れ高少なかったんだもん!!

体も張るわ!!(:.;゜;∀;゜;.:)(逆ギレ)