こんにちは。
ふら~っと怠けた休養に入ったかと思ったらふら~っと復活、
気ままな私に、優しいコメントの数々ありがとうございました。
喜びで昨日はワイン一本空けときました。。゚+.゚ヽ(●´ω`●)ノ。
もう、ダイエットは?とか自己ツッコミ入れるのも疲れたわ。
今日の部署はいつもに増して人の出入りが多く、落ち着かないですが
私、どうしても先日の裁判について書いておきたいんです。
時間が経つと私の中でおもしろさが薄まってしまう!ヽ(´Д`;)ノ
なので、なんとしてでも執筆させていただきます。
…え、今「家でワイン空けてる間に書けばいいじゃん」とか言った?
キコエナ~イ。( ̄ω ̄)わーわーわー
長くなるので、裁判所に行った事情とかは一切省きますが
私が傍聴した初めての裁判は、小さな法廷の民事裁判でした。
元々この裁判を見る目的で行ったわけではないので、
詳しい事情はわからないんですが
どうやら金銭トラブルから起こった裁判のようです。
そんなありきたりと思われる裁判が、なぜそんなに面白かったか。
それは
原告が耳の遠いおじさんで
被告がフィリピン人のおねえちゃんだったから。
どうです、期待で胸が膨らむでしょう?((*´≧∀艸)
30そこそこの若い女性裁判官と男性書記官だけの小さな法廷。
裁判官と、原告・被告との距離はせいぜい2メートル程度。
裁判官席は少し上がっていますが、それでも2.5メートルないくらい。
弁護人は両人ともおらず、向かい合って座っているのは当事者のみ。
いえ、被告側にはもう一人。
被告本人が日本語に不安があるようで、通訳として友人が付いていました。
正式な開廷宣言などもなく、おもむろに始まった口頭弁論。
手元の証拠資料ファイルを見ながら、原告に問いかける女性裁判官。
「ナ-3の借用書ってお持ちです?」
「すいませんけどね、もう少し大きい声でしゃべってもらえる?」
確かに彼女の声は小さくて、傍聴席の私も聞こえづらい。
「ナ-3の借用書って持ってます?」
「え?」
「ナ-3の借用書!持ってます!?
耳、聞こえます!?」
こ、これは…!∑(゚Д゚)
否が応にも湧き上がる、金ネタの予感に震えるとあこ。
審議中の全力発声を余儀なくされた女性裁判官、続けて被告側へ。
「どちらがパールさん(仮)ですか?」
「コチラデス。被告人、日本語アンマリ話セナイ。
私ハ、トモダチ。通訳サンデ来マシタ」
被告人とか原告とか理解して使ってるところを見ると
日本語レベルは相当高いと思われますが、訛りはきつい。
集中力を高めて情報収集した結果、どうやら原告のおじさん
被告人になんと1000万もの大金を貸したらしい。
ちなみにこのおじさん、耳の遠さが異常なんですが
背筋もしっかり伸びていて、見た目はどう見ても50代。
ピンパブのおねえちゃんに入れ込んじゃったんですかねえ。
「ナ-4に貸したお金の一覧が表になってますけど、
パールさんは借りたことは認めますか?」
「チョット今日眼鏡シテナイカラ見エナインデスケド、
借リタコトハ認メマス」
眼鏡持って来てよ。日本の裁判なめてるでしょ。(;´Д`)
てゆーか被告人に確認もしてないけど、通訳が認めちゃっていいんですか。
「田中さん(仮)、貸したお金は最低いくらまで返してほしいですか?」
「はい」
田中さん、キャッチボールしよう!(;゚∀゚)=3
「いや、あのね、お金貸したでしょ?」
「ああ、はいはい」
「それ、全額返してほしいですか?それとも」
「借りた金は返すのが当たり前ですわね!それが普通でしょ!
それを彼女はフィリピンに帰るからって嘘ついてね!
日本にいるのに、フィリピンにいるから返せないとかね!
そういうのが許せんのですわ!」
「うん、わかりました。それで貸したお金なんですけどね」
「ここにも資料がありますけどね、借用書は1000万分しかないけどね!
本当なら貸しとる間の金(多分利子の意味)付いて
500万くらい多くなっとるんだわ!
20万ずつ返すって約束だったのにね、フィリピンに帰るとか嘘ついてね!
100万でも返してもらわないかんわね!!」
嘘だろ!Σ(`L_` )
1000万貸したのに、100万の返済でいいの!?
「100万?100万ね?」
「うん」
あまりの大幅ディスカウントに、裁判官も再度確認。
「田中さんは、100万でも返してほしいってことでいいですか?」
「うん、そうだわね」
なんだろう、なんか取り返しのつかない食い違いが
そこにあるように感じるのは私だけですか。(;・∀・)
「田中さんは100万でも返してほしいって言ってるんですけど
パールさんは月々いくらずつなら返せますか?」
「7万…8万クライシカ無理デス」
被告人に何の確認もせず、即答する通訳係の友人。
「田中さん、月々7,8万の返済でもいいですか?」
「もう少し欲しいわね!20万か30万、せめて15万くらいはね!」
ほらあ~絶対田中さん、1000万取り返すつもりでしゃべってる~。
(((((((;´д`)))))))
「もう少しなんとかなりませんか?15万くらい」
「無理デス、昼間ノ仕事ニ就イタバカリデ
一ヶ月ノ給料ガ15万クライ。被告人コノ頃体調モ良クナイ。
生活スルノニ精一杯デス」
「ちょ、ちょっといいですか!」
挙手と共に突然大声で割って入る原告。
「ここにね!証拠のメールがあるんですわ!
○月までにちゃんと返すって書いてあるでしょう!」
「ソレハコノ人が書イタモノデス!
(と、外国人登録証のコピーと見られる紙を
高々と裁判官に向けて振り掲げる通訳係の友人)
被告人ト一緒ニ住ンデマス!
被告人ガ寝テル間ニ勝手ニ被告人ノ携帯ヲ使ッテ送ッタ!」
「こうしてメールでね、返すって言いながら、これも嘘でしょう!」
「ダカラソレハ被告人送ッテナイ!
送ッタノコノ人!(と、再びA4のコピーを両手で裁判官に向ける)」
「…それ、誰ですか?(苦笑)」
「コレ、証拠トシテ提出シマス!
被告人ハ難シイ日本語ワカラナイ!
イツモ私ガ被告人ノ作ッタメール今デモ送ル前ニチェックシテマス!
ダカラ、ソンナニ長イメールヲ被告人ガ書ケルワケガナイ!」
ちなみに被告本人は、ここまで一言も声を発することなく
マスクを装着したまま無表情でイスにもたれて座っています。
しかしこの友人、これじゃもう通訳じゃなくて弁護人。
おまけに主観入りまくっちゃってるんですけど。(;´▽`A``
「わかりましたわかりました、ちょっといいですか」
書記官が持ってきた、彗星のごとく現れた第三者の
外国人登録証のコピー用紙をチラ見しただけでフィリピン人に返却し、
裁判官が弁舌を奮う弁護人通訳を遮ります。
証拠品、不受理。
「田中さん、借用書の他に証拠になるものあります?
例えばパールさんの口座に振り込んだ時の明細書とか」
「返す返すって言いながら、嘘ばっかりなんですわ!
日本にいるのにフィリピン帰ってるとかね!
マラリアに罹ったとか、お母さん死んだとかね!」
いえ、みなさん大丈夫です。(;´Д`)ノ
話が噛み合っていないことに気付いていないのは原告だけです。
「そうじゃなくてね!(失笑)耳聞こえます!?」
もはやイラつきを隠せない裁判官。
「振り込みしたとしたら、明細出るでしょ?それ、あります?」
「僕の他にも何人かに追いかけられとるんですわ!
彼女はね、5,6人に金借りとるんですわ!」
「ソレハコノ件ニハ関係ナイデショ!」
「だいたい嘘ばっかりだからね!
金ない金ないって言いながら、毎日パチンコ行ってること知ってるんだ!」
「ダカラー、ソレモ全ク別ノ話デ、関係ナイデショ!!」
「あんたちょっと黙っといて!私は彼女に話しとるんだわ!!」
「ワタシ通訳!彼女ニ依頼サレテ来テマス!!」
やべー、これカオス!(:.;゚;*;゚;.:)
こみ上げる笑いを堪えられず、下を向く私。
最も我関せずで澄ました顔してるのが1000万借りた被告人ってのも何なの?
「うん、関係ないですね、あのね田中さん!
振込明細書!そういうの、持ってますか!!」
「金はねえ!彼女の友達って言う人に渡してたんですわ!」
「お金貸す時に振り込みはしてないのね!?」
「うん」
そんで結局手渡し!(:.;゚;*;゚;.:)
「わかりました、じゃあ田中さんは次回、借用書の原紙持ってきてください。
公判日は水曜でいいですか?」
「ワタシ仕事休ミナノガ25日ト26日ダケデス」
真っ先に自己都合を申告する通訳=第三者…。
って、え?(:.;゚;*;゚;.:)
「午後でもいいですか?」
「ハイ構イマセン、25日カ26日ナラ大丈夫」
「田中さん、25日の午後14時でいいですか?」
「…」
「田中さん?」
「……え?」
吉本か。(:.;゚;*;゚;.:)
「あのね…耳、聞こえます!?
次回!25日の14時で大丈夫ですか!」
「それ、即答せなかんの?すぐには決めれんわね」
「あ・な・た・の・裁判ですよ!決めなきゃ進みませんよ!!」
いやほんと、誰の裁判だよ。
「ほんならまあ、いいですわ」
裁判官に叱られて、原告のおじさんが渋々承諾。
閉廷宣告もなく、なんとなく裁判が終わりました。
たまたま当たったのが面白かっただけで
全てがこんなコントみたいな裁判ではないでしょうが
いつか仕事辞めてヒマになったら、
裁判傍聴を趣味にしようかと思うほど楽しめました。
他人のトラブルを楽しんだってのも、人としてどうかとは思いますが。
桜写真でお口直ししてお帰りください。
傍聴人出口はあちらのドア一つとなっております。(´∀`)ノ