映画「マッドマックス フュリオサ」…爽快な出来に満足. | チャコティの副長日誌

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しばし副長の心の彷徨にお付き合いを….



原題:Furiosa: A Mad Max Saga 製作年:2024年
製作国:アメリカ 上映時間:148分

 

 

 


傑作だった2015年の「マッドマックス 怒りのデスロード」の前日譚、スピンオフ
でもある.公開初日に近所のシネコンのラージ・スクリーンで観てみた.
本年度累積121本目は米製アクション巨編.
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2015年に公開され、日本でも熱狂的なファンを生んだジョージ・ミラー監督の
ノンストップカーアクション「マッドマックス 怒りのデス・ロード」.
同作に登場した女戦士フュリオサの若き日の物語を描く.

世界の崩壊から45年.暴君ディメンタス将軍の率いるバイカー軍団の手に落ち、
故郷や家族、すべてを奪われたフュリオサは、ディメンタス将軍と鉄壁の要塞
を牛耳るイモータン・ジョーが土地の覇権を争う、狂気に満ちた世界と対峙する
ことになる.

狂ったものだけが生き残れる過酷な世界で、フュリオサは復讐のため、
そして故郷に帰るため、人生を懸けて修羅の道を歩む.

「マッドマックス 怒りのデス・ロード」ではシャーリーズ・セロンが演じ、強烈な
存在感とカリスマ性で人気を博した女戦士フュリオサを、今作では「クイーンズ・
ギャンビット」「ラストナイト・イン・ソーホー」などで人気のアニヤ・テイラー=ジョイ
が新たに演じた.ディメンタス将軍役で「アベンジャーズ」「タイラー・レイク」
シリーズのクリス・ヘムズワースが共演.

1979年公開の第1作「マッドマックス」から「マッドマックス 怒りのデス・ロード」
まで一貫してメガホンをとっている、シリーズの生みの親であるジョージ・ミラーが、
今作でも監督・脚本を務めた.

以上は《映画.COM》から転載.
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スピンオフだし、ヒロインフュリオサ役が前作シャーリーズ・セロンが好演して
いたのに、本作ではアニヤ・テイラー=ジョイに変わってしまっているし、
若干の杞憂が有ったのも事実.だがそれらは一掃される爽快な出来の作品.

フュリオサの若き日を演じる子役のアリーラ・ブラウンから主役を受け継ぐ
アニャ・テイラー=ジョイへの切り替えが見事なこと! 目を凝らして
見ていないと2人の入れ替わりに気づかないほど.この切り替えの為の
若いアニャ・テイラー=ジョイの採用であったかと膝を打ってしまった(笑).

子供のフュリオサ、大きくなったフュリオサ、そして冒頭で亡くなってしまう
フュリオサの母:チャーリー・フレイザー、いずれも目の演技が印象的だ.
ギラギラとして挑戦的な目つき、闘志と強い意志を感じさせる目の演技
に魅せられる.

前作のシャーリーズ・セロンのフェリオサは訓練して格闘シーンでも男性に
負けないアクションを見せてくれたが、アニャはか細いままで、近接での
格闘シーンは無い.その分フュリオサの左手が義手になった理由のエピは
披露される.
 

 

そして母の仇、宿命の悪役ディメンタスにクリス・ヘムズワース.そのが体は
相応しいが、多少小者感がつきまとうのが残念なところ.その宿敵イモータン・
ジョー:ラッキー・ヒュームに比べると“悪の格”の差が感じられてしまう.
 

 

作品全体のアクションは前作同様見応えがある.イモータン・ジョーの警護
隊長ジャック:トム・バークが運転する巨大タンクローリーと、ディメンタス
率いるバイク軍団とのスピード感溢れるシーンはメインのアクションシーン.

ウォー・ボーイズ達は巨大タンクローリーの上に立ち、激しい銃撃戦を
繰り広げる.次々に銃弾に斃れながらも、次々に出て来るウォー・ボーイズ達.
殆ど台詞は無いが、実に見応えがあるシーンが延々と続く.
 

 

ディメンタス側の空中からの攻撃のアイデアは秀逸、本作のアクションの
大きなトピックであろう.後半で、ディメンタス側がイモータン・ジョーの砦を
襲う全面戦争のシーンがなぜか無くて、そこがピークかと思わされたのに
大戦争がほぼナレーションで終結したり、肩すかし感マックス(苦笑).

闘いに敗れて逃走するディメンタスの止めを刺しに、フュリオサが追跡し、
ことを成し遂げてラストなるのだが、少女時代から一緒に暮らし育て?られた
恩もあってか、一気果敢に殺さない方法を選ぶのもさもありなんだった.

脚本、演出、テンポの良さ、アクションの撮り方…いずれを取っても
ジョージ・ミラー監督らしさが健在.もう80歳、いやまだ80歳、もう1本は
いけるかも….