映画「man-hole マンホール」(DVD)…今なら超豪華なキャスティング. | チャコティの副長日誌

チャコティの副長日誌

主役になれない人生を送るおじさんの心の日記.
猫と映画、絵画、写真、音楽、そしてF1をこよなく愛する暇人.
しばし副長の心の彷徨にお付き合いを….



製作年:2000年 製作国:日本 上映時間:111分




レンタル屋の邦画コーナーでふと目に付いた作品.同名の最近の作品とは
まるで趣が違う内容の作品であった.そこには24年も前の今活躍する
俳優たちの昔の姿が観られる貴重な作品であった.本年度105本目の鑑賞.
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北海道で人気の鈴井貴之が、札幌を舞台に製作した異色のファンタジー・ドラマ.
かつて鈴井が主宰していた劇団“オーパーツ”のために書き下ろした戯曲が
原案となっている.
主演は、地元北海道出身の新人、安田顕.
共演に三輪明日美、本田博太郎、北村一輝、小野寺昭、高瀬春奈、きたろう他.

北海道札幌市.17歳の女子高生・希は、同じ高校で教師をしている父と
専業主婦の母との3人暮らし.最近は家族の会話もなく、一家の心は離れ
かけていた.希は両親には内緒で、ススキノにある女子高生専門のコンパニオン
クラブでアルバイトしていた.しかし援助交際とは違い、客と一緒に食事して、
カラオケに付き合って話をするだけだ.

ある日、常連客の妻がコンパニオンクラブに押し掛け、刃傷沙汰を起こしてしまう.
それがきっかけで希は勤勉実直な交番巡査の小林と出会う.一方その頃、
女子高生たちの間では“夢のマンホール”の噂が広まっていた…….

以上は《映画.COM》から転載.
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北海道発のこの作品、なんと24年前のTEAM NACS(森崎博之・安田顕・戸次重幸・
大泉洋・音尾琢真)が出演している.まだ売れる前であろう.
なんと安田顕は警官役で主演、大泉洋はバーのマスター兼デリバリコンパニオンの
マネージャという重要な役柄だ.

その他にも若者の北村一輝とか女子高生役に尾上真知子や小池栄子までいる
のには笑ってしまう.今なら超豪華キャスティングなのだ.それがまるで大学生の
映画愛好部みたいな雰囲気の作品で演技しているのは奇妙な印象が過ぎる.

みな演技は稚拙でどうのこうの言えるレベルでは無い.なにせ監督もこの時は
素人だったのだから…(笑).

新米警官の小林正義:安田顕は、札幌に赴任してきて先輩警官の村田勝:中本賢
と吉岡真一:北村一輝と一緒に交番勤務をしている。.彼は父親が巡査をしていて、
定年まで勤め上げたのだった.
その影響からか、名前の通り小林は正義感溢れるおまわりさんだった.

ある日、自転車でパトロールをしていると、女子高校生がひったくりにあうのに
遭遇する.ひったくり犯を追いかけ川にまで飛び込み捕まえるが、その女子高校生
は鞄を取り戻すとさっさと行ってしまう.

彼女は17歳の女子高生・希:三輪明日美、同じ高校で教師をしている父・
鈴木肇:本田博太郎と専業主婦の母・鈴木容子:金久美子との3人暮らし.
最近は家族の会話もなく、一家の心は離れかけていた.
 

 

希は両親には内緒で、ススキノにある女子高生専門のコンパニオンクラブで
アルバイトしていた.コンパニオンと言ってもカラオケで一緒に歌うくらいの
バイトであった. もちろん援助交際とは違い、元締めの寒河江純:大泉洋の元、
数人のコンパニオン(尾野真知子、小池栄子ら)がいた. 
ただ彼女はちょっと浮いた存在で、独特な感じ.
 

 

しかしある日、顧客の妻:風祭ゆきがコンパニオンクラブに押し掛け、
刃傷沙汰を起こしてしまう. それがきっかけで希は勤勉実直な交番巡査の
小林に見つかってしまう. あの時逃げた娘だったことがわかってしまう.

そして小林は彼女の事が気になり、非番の時まで、彼女の家に行ったりし
始める.

生真面目な正義感あふれる新米警官とちょびっと不良に足を踏み入れている
女子高生のドラマ.2000年というと携帯は二つ折りガラケー、写め付きの時代.
ウェブ時代の初期でもあり、新米警官:安田顕は正義感の固まりみたいなHPを
運営しているし、追い回された女子高生:三輪明日美はSNSに不良警官と
記事をあげて、安田顕は謹慎を喰らったりもする.なんとなく2000年という
時代の世相をそれなりに表現してみせるのは有る意味懐かしい.

それじゃ題名の「マンホール」とはなんぞや?
当時、女子高生たちの間では“夢のマンホール”の噂が広まっていた.
丘の上に夢のマンホールが存在し、中に降りて願い事を描いた紙を
流すと、それが実現するという、いわゆる都市伝説.

謹慎にまで追い込んだ女子高生は警官に、一緒に“夢のマンホール”を
探して欲しいと願い出る.そこから始まる唐突なプチロードムービー…(汗).
札幌郊外の丘にマンホールを見つけ、二人はそれなりに紙で船を作り、
流す….

そしてまた平凡な毎日が過ぎていく….
なんて事もない、破綻もなければ、盛り上がりもない脚本.
のっぺんのらりとした演技の連続.よくぞこんな豪華な配役が成立したなと
そのプロデューサー手腕には驚かされた作品.