映画「イビルアイ」(DVD)…脚本は怖いが、演出は稚拙. | チャコティの副長日誌

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主役になれない人生を送るおじさんの心の日記.
猫と映画、絵画、写真、音楽、そしてF1をこよなく愛する暇人.
しばし副長の心の彷徨にお付き合いを….



原題:Mal de ojo 製作年:2022年
製作国:メキシコ 上映時間:100分



たまにならホラーも観ても良いかとレンタル屋新作棚から借り出してきたのは
珍しいメキシコ製の作品.本年度累積89本目の鑑賞.
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「パラドクス」「ダークレイン」が世界各国の映画祭で上映されて注目された
メキシコのアイザック・エスバン監督が手がけたスリラー.
祖母が人間でない何者かであることに気づいた少女が、恐怖におびえながらも
隠された秘密を暴いていく姿を描く.

都会に住む13歳の少女ナラは、奇妙な病気にかかった妹の療養のため、
家族とともに母の田舎であるラスアニマスという村にやってくる.
そこには年老いた祖母がひとりで暮らしていた.祖母と過ごすうちに次第に
不穏な空気が漂い始め、ナラは祖母の不可解な行動から、彼女が人間では
ない何者かであると疑い始める.

妹の容体はさらに悪くなっていき、家政婦の突然死など不吉なことが続き、
村と祖母に隠された秘密が徐々に明らかになっていく.

以上は《映画.COM》から転載.
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原題“Mal de ojo”は「邪悪な目」の意.
邦題もその通りの英語訳なのだけど、内容に関連が無い気がする.

次女の病気の治療のために人里離れた母方の祖母へ預けられる姉妹が
体験するヒューマンホラーが題材のホラー作品.
住み込みの家政婦が"怖い話聞かせてあげようか"から始まる魔女に
纏わる怖い話からの本当にいるのではなかろうかと子供ながら錯覚
してしまったのかと思うような出だし.

ところが、エンディングに至るまでの展開は予想だにしない方向へ.
使用人がナラがプールを使うにも関わらず掃除をしなかったがために
掃除中に亡くなったことを皮切りに、徐々に祖母が魔女としての本性を
露わにしていく….
 

 

手法としてはジャンプスケアというのだろうか、“バーンッ”と大きな効果音と
供に老婆が不意打ちのように現れるシーンが何回も続いて、不愉快な気分.
あまりに幼稚な怖がらせ手法だと思う.お化け屋敷じゃないのだから…(汗).

展開がわかりにくいし、もったいぶっている割には伏線回収がなかったり、
夢のシーンが多すぎで進行が緩くテンポも悪い.ちょっとうんざりする.

家政婦の“怖い話し”から解釈するに、三つ子の娘たちの内、
ホセファが魔女の魔術を受けなかった事により年老いてしまうが、
レベッカは魔術を受けて若さを保ち続けた、その結果若い男性と結婚し、
生活を楽しんでいたが、若い血を摂取してからホセファが若返り、
レベッカの代わりに家族の元へ、そしてレベッカはホセファに間違われた
ナラに殺されるという筋書き.

3つ子の顔の似てやすさを利用した入れ替わりホラーとしての見せ方は
上手い脚本かなと思わせた. ホセファが最初の方から異常性のある人物と
して描かれていたので、それを一切疑う事なく見れたのが素直に解釈できた.
 

 

姉のナラ:主人公?が長女ありがちでかわいそうな環境.
妹のために我慢させられ、親の、特に母の愛情も妹にばかり.
必死で妹を守るが、お姉ちゃんは誰にも守ってもらえない.

邪険にされていたとはいえ、自分が殺したのが実は母だったと

分かったナラは、これからどう生きていくのか?
絶望的で救いの無いエンディングにため息がでてしまった.