映画「トンソン荘事件の記録」(DVD)…尺が短ければ良いとは言えず. | チャコティの副長日誌

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主役になれない人生を送るおじさんの心の日記.
猫と映画、絵画、写真、音楽、そしてF1をこよなく愛する暇人.
しばし副長の心の彷徨にお付き合いを….



原題:Marui Video 製作年:2023年
製作国:韓国 上映時間:87分



ホラー系とはつゆ知らず、87分という尺の短さでレンタル屋で選んでしまった.
本年度累積69本目は韓国製のドキュメンタリー風を偽ったホラー作品.
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猟奇殺人事件の一部始終を記録したビデオに映った“あるもの”を追って
取材班が調査する姿をフェイクドキュメンタリー形式で描き、韓国で
スマッシュヒットを記録したホラー映画.

1992年、釜山の旅館・トンソン荘で殺人事件が起きた.
旅館でアルバイトする男が恋人を連れ込んで隠しカメラで部屋の様子を
撮影していたが、男はその部屋で恋人を殺害してしまったのだ.
逮捕された男は心神耗弱による無罪を主張したものの無期懲役の判決を
受け、仮釈放の1年前に自ら命を絶った.

男が撮影した犯行時の映像はその残虐性から検察庁によって封印されたが、
検事たちの間では、部屋の鏡に正体不明の何かが映り込んでいると話題に
なっていた.真相解明に乗り出した取材班は、その過程を記録映画として
撮影しながら調査を進めていくが…….

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フェイクなのに、これほど凝ってドキュメンタリー風を装う意味があるか疑問.
手持ちのカメラでわざとぶれてみたりして、画像はうざい.よりによって勤めて
いた会社のシネカメラを使っていやがる(笑).



ダラダラとメリハリのないストーリーに主人公もいない. なによりまるで怖くも
なんともないのが大問題だと思う.

最初に警察で保管期限を過ぎた証拠資料を処分業者に渡してからの問題
の映像に辿り着くまでの経緯が非常に細かく説明される.そこからが過去映像と
現在が頻繁に切り替わるし、現在映像も防犯カメラ越し、取材班のカメラ越し
だから過去なのか現在なのか分かりづらい.
 

 

韓国のシャーマニズムってどうなのだろう? 作中の中盤からは御祓いのシーンが
大部分を占める.その御祓いの中からビデオに映った制帽被った学制の霊の正体
がわかったりするのだけど、多少のうさんくさを感じてしまう.

その後87年に起きた峨嵋洞殺人事件に繋がって行くけれど、母親と妹と叔父さん
がどうのとか、その実は双子だったなんて設定を後出しされるに至っては、
もうついていけずにテンションだだ下がりするばかり

最後は憑依された娘に、撮影班が襲われ監督も行方不明で…お終い.
なんじゃこれ?の連続.尺が短いだけで選んじゃいかんと教訓を授かった(笑).