映画「デューン 砂の惑星 PART2」…圧倒的な映像、そして音響!!! | チャコティの副長日誌

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猫と映画、絵画、写真、音楽、そしてF1をこよなく愛する暇人.
しばし副長の心の彷徨にお付き合いを….



原題:Dune: Part Two 製作年:2024年
製作国:アメリカ 上映時間:166分


ドゥニ・ビルヌーブ監督、ティモシー・シャラメ主演と魅力的なラインナップ、
待望のパート2を3/8の先行上映、IMAX-Lasar装備のTOHOおおたかの森
まで遠征して観賞.本年度累積54本目はSF超大作.
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「メッセージ」「ブレードランナー2049」のドゥニ・ビルヌーブ監督がフランク・
ハーバートのSF小説を映画化し、第94回アカデミー賞で6部門に輝いた
SFアドベンチャー大作「DUNE デューン 砂の惑星」の続編.

その惑星を制する者が全宇宙を制すると言われる砂の惑星デューンで
繰り広げられたアトレイデス家とハルコンネン家の戦い.ハルコンネン家の
陰謀により一族を滅ぼされたアトレイデス家の後継者ポールは、ついに
反撃の狼煙を上げる.

砂漠の民フレメンのチャニと心を通わせながら、救世主として民を率いていく
ポールだったが、宿敵ハルコンネン家の次期男爵フェイド=ラウサがデューン
の新たな支配者として送り込まれてくる.

ティモシー・シャラメ、ゼンデイヤ、レベッカ・ファーガソンら前作のキャスト
に加え、「エルヴィス」のオースティン・バトラー、「ミッドサマー」のフローレンス・
ピュー、「007 ノー・タイム・トゥ・ダイ」のレア・セドゥが新たに参加.

以上は《映画.COM》から転載.
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今まで過去IMAXLasarの映像はたくさん体験してきた.が、本作ほどその効果を
思い知らされたのは初めてだったかもしれない.それほどの映像感、そして音響感.
本作はむしろ“音の映画”なのではないか.耳から映画が流れ込み、心臓を鷲掴み
にされ、五感が映画に包まれる.身も心もスクリーンのなかに吸い込まれていく
感覚を覚える…意味不明の衝撃体験が音の力でもたらされた.
 

 

砂虫の突進の轟音、何千人の兵達のあげる歓声、すべり落ちるように砂の惑星に
降りてくる皇帝の宇宙船、そして最後のシーンでポール:ティモシー・シャラメが
皇帝に対し、腹立ちに足を大理石の床に叩きつける音まで…身体を震わせるような
轟音が響き渡る.一部では座席シートがびびるほどの音量であった.

ハンス・ジマーの音楽はいつも通り邪魔にならないし、音量は低い.効果音が凄い
のだ.耳と体を介して心を揺さぶられた感覚.この作品は小さなPC画面やイヤホン
からでは、絶対的にその魅力を味わえることは出来ない.Dolbyの効いたちゃんとした
大画面で楽しむべきだと思う.

映像ももちろん魅力的だが、素晴らしい環境で人生で最高クラスの映画体験
だった.中味ももちろん166分の間、ずーっと興奮が続く.

ひとりの男が英雄になり、やがて神格をまとっていくプロセス.叙事詩が神話通り
になっていくプロセス.そういうものを目撃した感覚を味わえる.
物語世界がどんどん拡張していき、主人公のステージが上がっていき、
映画としてのスケールが巨大になっていく感がある作品.

前作以上にスケールは大きく、砂の惑星の世界を描く.
そしてポールの成長を演ずるティモシー・シャラメの演技を十二分に楽しむ事が
できる.前作ではどことなくまだ弱さが目立つポールであったが、本作では強く
逞しくなり、父の復讐を果たし、更なる征服を目指していよいよ最終章へ向かう.
 

 

指導者として民の幸せを叶える事を最優先に突き進むポールの姿と、最後の
シーンで、皇女:フローレンス・ピューと政略結婚を決めてしまい、愛して止まない
チャニ:ゼンデイヤとの関係が歪んでしまう.次作でどう展開するのだろう?

前作のキャストに加えて、フローレンス・ピュー、レア・セドゥ、アニャ・テイラー=
ジョイといった一癖も二癖もある女優まで迎え、複雑な人物相関図を俯瞰して
見せるのも、魅力の一つ.次回への布石の配役とも考えられる.

本作で登場する、ポールと敵対するハルコンネン家の残忍なフェイド=ラウサを
演じるオースティン・バトラーのそのサイコぶりの演技が素晴らしい.その悪役ぶり
は、ほれぼれするほど切れ味鋭い演技で、ポールの好敵手として格好の人物.
 

 

惜しむらくは、166分という長尺にもかかわらず、明らかにエピをカットしていると
感じさせる場面があった.編集の難は判るが、ここまで来たらファイナルカット版を
観てみたいと思う.

ドゥニ・ヴィルヌーヴがpart3まで監督することを希望してるらしいので、次回も
非日常の砂まみれの世界にどっぷり浸かりたいものだ.

IMAXとドルビーと合わせて素晴らしい視覚や聴覚の効果が感じられ、
世界観と戦争場面のカットも、今年鑑賞した映画でNo.1と思った.