映画「イコライザー THE FINAL」…これで最後なの? | チャコティの副長日誌

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主役になれない人生を送るおじさんの心の日記.
猫と映画、絵画、写真、音楽、そしてF1をこよなく愛する暇人.
しばし副長の心の彷徨にお付き合いを….



原題:The Equalizer 3 製作年;2023年
製作国:アメリカ 上映時間:109分 R15+



2014年の初作からすっかりファンになってしまった本シリーズ、邦題では
「THE FINAL」となっているが、原題では単に「3」となっている.

終わって欲しくないこのシリーズ、さて今回はどんな楽しませ方を?
本年度累積234本目は近所のシネコンで観賞.
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名優デンゼル・ワシントンが世の悪を完全抹消する闇の仕事請負人を
演じる人気アクション「イコライザー」のシリーズ最終章となる第3作.

アントワン・フークア監督が前2作に続いてメガホンをとり、イタリアを
舞台に主人公ロバート・マッコールが最後にして最大の戦いに挑む姿を描く.

シチリアでの事件で負傷し心身ともに限界を迎えたマッコールは、アマルフィ
海岸沿いの静かな田舎町にたどり着く.身内のように温かく接してくれる人々
の存在に救われた彼は、この町を安住の地にすることを心に誓い、
イコライザーのスイッチともいうべき腕時計を外すことを決意する.

しかしその町にも魔の手が迫り、マッコールは大切な人々を守るため再び
イコライザーの仕事を開始.やがて事態はイタリア全土を巻き込む爆破
テロ事件へと拡大していく.

マッコールの過去に深く関わる謎のCIAエージェントをダコタ・ファニング
が演じ、「マイ・ボディガード」以来18年ぶりにワシントンと共演した.

以上は《映画.COM》から転載.
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たしか「1」ではDIY店員、「2」ではタクシー運転手だった様な気がするが、
今回はいきなり、イタリア、シチリアで麻薬輸入業者の本拠地で仕置き人
稼業をしている所から始まる.なんでイタリア?なんでシチリア??というのは
かなり後半でその理由が明かされる.きっかけはやはり貧困者の手助け
だったんだね.

初作なんかでは、銃ではなく身近にある“道具”での殺しが売りだったが、
本作では始まり方から見ても、いきなり銃や刀、ナイフで始まってしまう.
しかも麻薬マフィアだから容赦ない殺し方…(汗).

が、最後にボスの孫に油断を見せてしまい、後ろからライフルで背中を
撃たれてしまう.さすがに子供には手を出さないデンゼル・ワシントン.
シチリアの静かな田舎町で倒れている所を国家警察軍の一警官に
助けられる.

町の医者エンゾ:レモ・ジローネの丁寧な治療で回復していくマッコール:
デンゼル・ワシントンは徐々にこの美しい静かな田舎町に於いて、善良な人々
に癒されるなか、静かに引退を決意.この地で穏やかに残りの人生を送ろうか
と思ったりもする.

訳知り風のエンゾはマッコールに聞く、“君は良い人か悪い人か?”と.
マッコールは“わからない”と答える.エンゾは“良い人はそう答えるものさ”.

ここは大きなポイントとなるやり取り.初作では弱者を助ける仕置き人に目覚めた.
第2作では、亡き妻に諭されていた行為だが、妻の思い出を振り切り、指輪を
捨て、悪の組織と闘った.最終となる?本作ではまた模索しているような雰囲気.
指輪も戻していた….

内面的なポイントとして、暴力に対するマッコールの内なる葛藤がある.
マッコールは“家”と呼べるような場所、終の棲家を探している風にも見える.
そんななか、彼は「自分は善人なのか、悪人なのか」ということを自問して
いると思える.
 

 

そんな居心地の良い町に於いても、麻薬マフィアの親分に当たるイタリアン・
マフィアによる事件が町で次々と起こっていく.素性の知れないよそ者である
自分にも身内のように接してくれた、心優しき町の人々が恐怖に怯えるさまを
黙ってみていられない.

先ずは自らを助けてくれた国家警察軍の警官を苦しめるマフィアボスの
チンピラ弟を公道上でナイフで惨殺する.ボスはいきり立ち、マッコールを
殺すと誓うが…、それを明日決行すると言い放つのが大きな間違い.

善は急げ、先手必勝の例えあり.夜中にマッコールはアジトを急襲する.
静かに、確実に増幅していったマッコールの怒りは、シリーズ史上最も
激しいかと思われるバイオレンスとして爆発.マフィア相手に、ときには銃で、
ときには拳で、その場にある全てのものを武器に変えて、正義の鉄槌を下す.

最後のラスボスは、彼得意の麻薬を大量摂取させて死んでもらうという
離れ業には感心すると供に爽快感が….

終わってみれば、マッコールの周囲の善人たちは誰一人死ぬことなく、
死んだのは悪人たちだけ…という勧善懲悪の物語.痛快だった.

最後だとするなら…、見事な終わり方だった.