2024年3月16日(土)、神奈川・西丹沢のミツバ岳~権現山を歩いてきました。
8時44分、丹沢湖駐車場を出発しました。
私の持っている1995年版の「山と高原地図」の丹沢では、ミツバ岳、権現山への登山道は書かれていませんが、現在は、YAMAPにも登山道が載っています。
目的地のミツバ岳が奥の方に見えました。
正式な名は、大出山(おおだやま)というそうです。
この永歳橋を渡り、正面に迫る山は車道のトンネルをくぐってアプローチします。
三保ダムの天端(てんば)と丹沢湖です。
北側を向くと、奥には大室山が見えます。
落合隧道というトンネルの中を歩きました。
結構長いトンネルで照明がないのでほとんど真っ暗です。
トンネルを出てしばらく県道を歩くと、「望郷之碑」という記念碑がありました。
かつてこのあたりは「世附(よづく)」という集落がありましたが、三保ダムの建設によって丹沢湖の湖底に101世帯が沈みました。
湖畔の県道と別れて、ミツバ岳への登山口となります。
いきなりなかなかの急登です。
登山道脇には、低木であるミツマタ(三椏)がたくさん生えています。
その名のとおり、三つ又に分かれた枝の先に、黄色い花を咲かせていました。
ミツマタは、葉が出る前に花が咲いて、春を告げてくれます。
樹皮は、強い繊維質で和紙の原料となります。
小さな花が集まったミツマタの花は、陽が当たると輝くようになります。
このあたりのミツマタは、紙幣の原料とするため、昭和初期に植栽されたものだそうです。
今は原料としての役目もなくなり、伐採されずにこうして毎年、花を咲かせています。
そういえば、私の故郷の実家裏庭にも、ミツマタが数本あったのを思い出しました。
山の斜面に、ミツマタは枝を伸ばしています。
一つひとつの花は、次第につぼみが開いて、がく片が4つに裂かれています。
山頂付近は、登山道両側にミツマタが迫っています。
10時8分、ミツバ岳山頂に着きました。
どなたが作って設置したのか、素朴ながらデザインもグッドな標識です。
富士山を背景にした撮影スポットです。
山頂付近は、まだ3分咲き程度でしょう。
満開になるのはこれからです。
この日の陽光を浴びて、花がひとつ、またひとつと咲きだしていました。
ちょっとおませさんは、美しい姿を披露してくれました。
ミツバ岳山頂を後にし、権現山を目指しました。
左側の二本杉峠方面と、右側の権現山から丹沢湖方面への分岐です。
ベンチがありますが、先客で埋まっていましたので、そのまま右へ進みました。
10時53分、権現山山頂に着きました。
標高は、1019mです。
山頂からの展望は、樹木の枝があり、こんな感じです。
レジャーシートを敷いて、昼休憩としました。
たらことペペロンチーノの2味を楽しみました。
丹沢湖への下山路は、踏み跡が不明瞭とのことです。
尾根筋のザレザレの急坂を下りました。
こちらにもミツマタが咲いていました。
枝先は、三つ又に分かれています。
黄色の花と青空とのコントラストが爽やかです。
ザレた急登を下り、ようやく普通の登山道になりました。
丹沢湖に向けてさらに下りました。
スミレも出てきました。
12時48分、下山し丹沢湖記念館に入って展示を見ました。
丹沢湖記念館の隣の「三保の家」は、江戸時代末期建築の民家です。
丹沢湖の湖底に水没する地にあったものを、ここに移築・復元したものです。
丹沢湖畔に、石像彫刻のモニュメントがあります。
作品名は「林泉」、制作者は秦野市在住の彫刻家、土屋健さんです。
三保ダムの天端道路と丹沢湖です。
これで山行は終了であとは帰宅ですが、厚木市の野草園に寄り道することにしました。
厚木市荻野運動公園内にある野草園入口です。
入園は無料です。
野草園は、自然の谷や森を活かした非常に広い園です。
雪割草がありこちに咲いています。
正式には、ミスミソウというようです。
色とりどりの雪割草です。
これは、キクザキイチゲ(菊咲一華)との案内板がありました。
アズマイチゲに似ていて、見ごたえのある花です。
ショウジョウバカマ(猩々袴)もありました。
ヤマルリソウ(山瑠璃草)です。
可憐なミスミソウがちらほらと咲いています。
これもですね。
セリバオウレン(芹葉黄連)でしょうか。
シラユキゲシ(白雪芥子)という花だそうです。
ニリンソウ(二輪草)です。
クリスマスローズが何で野草園に?、と思ったのですが、もしかするとオキナグサ(翁草)かもしれません。
案内板がなかったのでわかりませんでした。
最後は、再びキクザキイチゲです。
野草園からは、荻野運動公園、その奥の厚木市街が見渡せます。
素晴らしい野草園でした。寄り道してよかったなあ、と思いました。
合計時間 4 時間 3 分 休憩時間 33 分
距離 8.6 km のぼり / くだり 965 / 969 m