立川バス曙営業所、廃止 | たいちょ〜の心のつぶやき 第2章

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『縁は、連結する』鉄道など交通を中心に興味の赴くままに、日々呟き語るブログ。
※最近すっかり鉄道ルポタージュ化してますが、言いたいことを素直に言うという意味でブログタイトルは変えてません。

 久しぶりに、地元のバスの話題なんぞ。

 

2月15日。

立川バス曙営業所(営業所記号:A)が、この日限りで廃止となった。

管轄路線は上水と福生に移管となったそうである。

 

2006年、立川市立飛駅前に建設された宗教団体・真如苑の施設「応現院」への輸送用に新設。

営業所記号はAとなり、昭和後期に消滅した記号が復活した。

開設当時は、いち宗教施設への輸送用に営業所を新設するのは相当異例で、鉄道ジャーナルの

バス情報コーナーにも取り上げられるなど話題になっていた。

 

開設にあたり投入された車両も、応現院バスターミナルの「自動改札」も特殊で注目を集めたが

ただでさえ運行形態が特殊なところに、近年はコロナ禍もあったのか情勢が大きく変わり…

応現院の自動改札は使用停止し、南側のターミナルへ移転状態に。

一昨年からは応現院経由立川~玉川上水間の急行便新設など、運用面の変化が大きくなった。

また、夏季に運行していたレインボープールシャトルバスもレインボープール自体が休業となり

久しく事実上閉鎖状態になっていることも、今回の廃止に影響しているとみられる。

かつての国体など、イベントでの使用頻度も減少していたようだし…

 

廃止当日である2月15日。

前日に知らせを聞いて大いに驚き、久々に曙営業所を訪ねた。

応現院線開設と共に立川北駅至近に新設された「曙バスターミナル」に隣接して新設。

開設当初から給油設備も整備ピットもない、操車場形態のごく小さな営業所だった。

 

曙バスターミナルは構造上、この営業所敷地を通らないと入っていけない。

このため、営業所廃止後もこの敷地は当分残るとみられる。

 

配置車両は、数年おきに2台程度の入れ替えがあったものの、大量輸送を念頭に置き開設当時に

製造された車両は長尺の特殊仕様で、一貫して曙営業所配置を通した。

中でも一番異色となったのは、三菱エアロスターワンステップ、中扉が4枚折り戸の車両。

形式をPJ-MP35JM改といい、944~951の8台が一挙導入されて運用されてきた。

特殊仕様故に、曙営業所管轄路線以外での一般路線運用実績はほぼ皆無だろうか。
これ以外に、時折イベントなどの貸切運用に入っていたのを稀に見たくらいである。

 

狭い敷地を巧みに利用して、日々運用を行っていた。

 

営業所の事務所は、道路挟んで向かいのマンション6階に。

 

曙バスターミナルの建物は、現在改修中。

一応2月末までの時刻表は掲示済みだが、3月以降はどうなっていくだろうか。

 

…さてここからは、未公開も含め曙営業所関連のものを蔵出し。

2018年3月10日、バスジャパンハンドブックの車両形式撮影に同行させていただいた折に。

営業所のフロアから、バス駐機スペースを見下ろした写真である。

基本は関係者以外立ち入り不可の場所であり、この時の記録はレアかもしれない。

この階から見て配車するため、車両屋根にも番号が書かれていたのが当営業所の特徴だった。

 

当時、曙に在籍していた2001年式のKL-MP37JM(916号車)KL-MP37JK(917号車)

916号車は上水から、917号車は拝島→瑞穂を経て曙営業所に移籍。

この影響で、917号車の登録ナンバーは2回変わっている。


車両形式撮影では、狭い敷地を巧みに動かして好ポジションで撮影させていただいた。

他営業所からの移籍車は、車内座席モケット柄は小田急マテリアルグループの統一仕様だったが

直接投入車はオリジナルの柄を採用、当初は運賃表示器もオリジナルであった。

 

2011年2月11日 (旧)拝島営業所にて

他営業所から最初に移籍したのは、ノンステップ1号車でもあった907号車。

 

投入から長いこと上水に配属されていたため、幕のほとんどは上水時代のままであった。
後部にボックスシートも設置するほど意欲的な車両だったが、2011年春に引退。

廃車後は関東鉄道に移籍し、TR9346号車となったそうである。

その後は、通称「木バス」カラーの909号車も一時期曙営業所に在籍していた。

 

2014年10月、立川駅北口にて

その後一時期、曙営業所の歴史上では異色なツーステップ車の配属時期がある。

703号車と721号車がそれで、2015年3月まで在籍していた。

こちらは信者一般輸送よりも、総本部など真如苑職員向けの輸送充当が多かった印象である。

 

 運用を終了したのは2015年3月8日のことだったが、この時は「エルガJ」のさよなら運転があり

たまたま立川駅北口で遭遇、何の気なしに撮影していたのだった。


2015年3月8日

 
なお、これだけ書いていて、特定貸切用途の車両の行方がよくわかっていない。

最盛期はマイクロとワゴン計3台が居たはず。

実際2018年3月の取材の折にも営業所内に確認していたのだが、いつの間にか姿を消している。

こちらは一般運用に入らず、職員専用輸送や病院送迎がメインだった。
もしくは、他の営業所に移籍しているのだろうか??

とにかく最近、ほとんどバスのことには日常利用以外はノータッチでいたので…

 

曙営業所といえば、2015年秋の「富士見町団地線代走」も懐かしい。

しっかり前のり表示も黄色地で新調されて走った姿には、なかなか痺れたものだった。

…そういえば、従来の緑地で前のり表示に変わったのは、いつからだったのだろう?
曙営業所最後の訪問の時に気づいて、アッと思ったのだが。

最近の新型車両は前面表示が省略されるようになっていたから、より気になったのだけど…

 

いずれにせよ、米軍横田基地内にかつて存在していた横田営業所のようにまたも特異な存在感を

終生に渡り発揮し続けていた、極めて稀有なバス営業所であった。

このような形態、経緯でバスの営業所ができることは、今後当分は無いのではないだろうか。

その特異な18年間に、近隣在住民としてのささやかな気持ちと記録をここに留めておきたい。

 

…別に真如苑信徒なんかじゃないけどな。笑