カミンズ製エンジンを積み、電車に劣らない加速・高速性能を示しJR東海黎明期を引っ張り続けた
キハ85系も、営業運転開始から早いもので32年を迎えた。
なかでも特急「ひだ」は、現在は名古屋・大阪〜岐阜〜富山間で運行されているが…
特に東海道本線内での圧巻の走りっぷりは、乗り鉄なら今のうちに体感しておきたいものだ。
心くすぐられるエンジンの唸りを東海道本線で堪能できる機会は、実はもうそんなに長くない。
シリーズハイブリッド方式の新型特急車両HC85系は既に量産先行の確認試験車が導入されており
来年からはいよいよ量産車の導入が開始されると予告されているからだ。
ちなみに、関西本線・紀勢線方面の「南紀」は未だ置き換え計画は出ていないが…
こちらとて運転開始してから来年で30年、早めの記録に不足はないだろう。
②311系電車
キハ85系が「ひだ」で走り始めてから約半年後、いわゆる「金山総合駅」が開業したタイミングに
東海道本線の新快速用に導入された新型車両が311系。
性能こそ当時ロングシート化の上リピート製造が続けられていた211系5000番台を基本にしつつも
車内は転換クロスシートにグレードアップ、前面もシャープなイメージに変化した。
自分が初めてJR東海を強く意識したのもこの311系だったな。
211系5000番台は神領・静岡合わせて242両もいるが、311系は大垣に60両が存在するのみ。
213系5000番台(28両)という更なる希少形式もあるが、製造当時のJR東海の心意気を詰め込んで
中京都市圏での存在感の強化、マウントの奪取に貢献した名車ではなかろうかと思う。
ただ、花形たる新快速をメインとして活躍した期間はさほど長くはなく、313系が登場してからは
東海道本線をメインとするのは変わらないものの、基本は普通列車運用が中心に。
車内のグレードの高さは現代でも十分通用するだろうが、脇役に転じた姿は寂しさも感じる。
315系の車内はオールロングシートになるそうだから、新快速にそのまま導入されるということは
並行する名鉄との兼ね合いからも少々考えづらく、果たしてどのようなプロセスで置き換えていく
ことになっていくのか、今後も動向を注視してみたい。
まぁ、いずれにしても。
廃車が始まってからオタオタするより、
今のうちから、ってのが一番だ。
今回はギリギリでスケジュールが詰まってしまったけど、それでもこうして撮れて満足している。
しばらく離れちゃってもいたけど、また行ける理由ができたからね。
今度、もしくはその次に行けるときにはゆっくり乗れる機会も取らねば!
(全撮影:2021.10.17)