そして、昨夜のライブ。
そもそもは、このライブが昨日は一番最初にセッティングされていた。
他のスケジュールは流動的でも、ここは全く変えるつもりはなかった。
なにが自分を、そこまで頑なにさせていたのか?
そこに、今の自分の音楽、ライブに対するこだわりがある。
細かい説明をし出すときりがなくなるほどの、熱く繊細なこだわり。
それをさせるきっかけになった、張本人のライブだから。
昔だったら、迷ったら見に行かなかった。
たぶん父の思考の影響だろうが、それでずいぶんチャンスを逃していたのではなかろうか。
その負のパターンを180度改めた、きしのりこの珠玉のひとこと。
迷ったら、来ること!
まず見に行ってみよう。今後どうするか考えるのは、それからでいい。
食わず嫌いする前に、まず食べてみよう。案外好きかもしれないよ。
それを自分は、一番最初にきしのりこのライブに赴いた時に言葉をいただいた。
それがあるから、今の自分がある。
それともう一つ。
だからと言って、ただ楽しいだけ、ただ音楽がいいだけでも成り立たない。
そのいずれかが絶妙なバランスで合わさって、ライブに参加して良かったなー!になる。
それは、その時々の森羅万象で答えが決まる。
だから、完璧に良かったなんてことは、この25年間で一度たりともない。
ないけれども、限りなく近ければ近いほど充実感も比例して大きくなる。
その充実感を追い求めて、いいライブを探し当てては見に行く。
昼の塩塚博さんもそれで充実感を得られたしね。
ことにこの一年余りで、その判断基準は格段に厳しくなっているし。
そしてこの夜も、その充実感を全身にまんべんなく浴びた。
オープニングアクトを務めた初見の有坂ともよ、そして花枝聖くんに皐月さん。
三者三様の音の光を浴び、すでに気持ちは満たされていた。
そして、メインアーティスト・きしのりこ。
彼女のすごさは、歌もMCもわかりやすいくらい気持ちが表に出てくる。
笑いも、怒りも、哀しみも。
それをストレートにぶつけてくるから、こっちも同じスタンスで返せる。
ここまでハッキリできることって、実はほとんどなかったりする。
そのバランスが一番安定しているのが、彼女のライブのたまらない心地良さなのだろう。
気がついたら、全身をそのライブハウスの空間に身を委ね、泳ぎ切っていた。
力を抜くだけ抜いて、そう、それはまさに『ごくゆる』の境地。
こんなリラックスしてライブ観れたことって、今まであったかなあ。
やっとここにきて、ライブを見に行き始めた頃のスタンスに戻りつつある。
そこに至る条件こそ細かいけど、それを満たされた時に自然と現れるスタンス。
それが現れたのを自覚できた時が、最高に満足。
それを自覚できるようになったのが、最近になって激増しているのだ。
自覚できなくなった時は、容赦無く見直して、仕分けして。
少しでも問題をクリアーにして、環境を整えて。
そのためには、時にはヒール役すら演じることも厭わずに。
それを経て得た、今のこの至極の時間。
得た以上はもう離したくないし、少しでも長続きできるようにしたいものだ。
例年のワンマンライブから形を変えて、また新たなスタート。
この素晴らしい三時間半を過ごせたことが、今年のGW最大の収穫だ。
恩人ふたり。
感謝して、またその先へ。