代々木上原に到着し、多少過熱する撮り鉄をよそに、最期の折り返しも粛々と進む。
こうやって小田急4000系と日常的に顔合わせしていたのも、今日まで。
10両編成ギリギリめいっぱいの引き上げ線、肩身狭く入っていた。
そして、一身に注目を浴びる中、ラストランが始まろうとしています。
慌ただしく、代々木上原から離れる時間がやってきました。
この瞬間、この代々木上原での203系の歴史は幕を下ろしました。
通勤客を吐き出し、迎え入れるの繰り返し。
中盤までは、ラッシュの多少の遅れはありつつ、それでも順調に前進していた。
ところが…
当該マト55編成も、機外停車~発車を繰り返し、ついに日比谷で抑止!!
平穏な通勤風景が、俄かに掻き乱されていく。
それでも、極端な抑止にはつながらず、少しずつ前へ進んでいくことに。
…だんだん、この列車もちゃんと走るのか心配になってきました(笑)
そう、地下鉄と相互乗り入れの列車って、直通運転中止ってことがありえるのです。
綾瀬で折り返しになって、再開まで千代田線内を往復、ってことも充分ありえるのです。
…このまま松戸で運転終了してしまうのは、寂しい…
…もうちょっと乗っていたい…
…でも、体力的にこれ以上走られると、逆にしんどい…
さまざまな思いが、頭の中を駆け巡ります。
当該列車もとにかく早く外に出たいがために、走る。
そして…綾瀬に到着して出迎えたのは…
JRの乗務員!
前途が心配されましたが、25分遅れを引きずったまま常磐線内へ入ります。
乗務員も時刻表を携行しているが、ほとんど意味はない状態になっています。
そんな中、ひたすらに終着に向かってラストスパートしていきます。
亀有・金町の各駅のホーム端には、たくさんの撮り鉄が集ってました。
電車が遅れ、本当に来るのか気が気じゃなかったことでしょう。
最期の風景を、みんな思い思いに収めていきます。
この瞬間、203系の営業運転はすべて終わりを告げました。
しばしの撮影会になり、思い思いに画像を収めていきます。
ただ、前回(14日)と同じダイヤだから、ある程度入庫まで時間があると踏んで移動したら…
列車遅れの影響で、後続の松戸止まりの列車がすぐそばまで接近していた。
このため、予想よりも早く入庫してしまった。
慌てて後追い撮影を敢行。
203系の営業運転のラストカットは、なんとも慌ただしいものになってしまいました。
その後このマト55編成は、一旦我孫子に疎開されて「もしや?」と思わせる節があった。
9月30日には、松戸車両センター我孫子派出に居ることが確認されている。
しかし後に松戸に返却、その後10月15日に海外譲渡の為川崎貨物まで輸送されたとのこと。
これをもって、203系は完全にJR線上からその姿を消しました。
日本での203系の歴史は、これにて幕となりました。
それでも、今後、トップナンバー・このマト55編成を含めた数編成が、遠い海の先で再起する。
その元気な姿を、一日でも長く見られることを期待してやまない。
だから、今回はさよならというよりは新天地へのエールを送ることにしたい。
先に渡っている元日本の電車とともに、末永く活躍することを…
ありがとう、そしてがんばれ、203系。