昔話④
試合会場の空気にすっかり飲まれてしまっていた僕は僧侶とプロモーターらしき人に呼ばれた。
“こいつとやれ!”
そこには17、8歳ぐらいの青年が微笑みながら立っていた。
僕よりやや小柄なその青年の目は優しそうでとてもムエタイ選手には見えなかったが、僕は言われるがまま試合をすることにした。
ついにリングにあがるのか…
緊張はピークに達し言いようのない気持ち悪さがこみあげた。
が…
そこから一時間が経ち二時間が経ち…
一向に僕の名前が呼ばれない。
そしてさらに二時間が経ち…僕は準備が出来てから四時間待たされたのである!
もう夜中の2時だ。
僕はさっきまでの緊張が眠気に変わってしまっていた。
そしてやっと「ヤース イープン(日本)!」と呼ばれリングイン。
ワイクーは相手の真似をした。
1R 青年は微笑みを浮かべながら軽く攻撃をしかけてくる。
僕は駆け引きなしで思い切りミドルを連打。すると当たる当たる。いい流れでラウンドを終えた。
そして2R、微笑みの青年はそこにはいなかった。鬼の形相で向かってくる。
しかしリーチに勝る僕の攻撃がよく当たり最後は右のパンチが当たりKOしてしまった。
リングを降りると賭けのオヤジ達は親指を立て僕を賞賛した
僕もいい気になり何を言われたかわからないが喜んだ。
そしてファイトマネー300バーツ(1000円)を手にし、またトラックの荷台に揺られ寺院に戻った。
一面星空で夜風がとても気持ちよかったのを覚えている。
“こいつとやれ!”
そこには17、8歳ぐらいの青年が微笑みながら立っていた。
僕よりやや小柄なその青年の目は優しそうでとてもムエタイ選手には見えなかったが、僕は言われるがまま試合をすることにした。
ついにリングにあがるのか…
緊張はピークに達し言いようのない気持ち悪さがこみあげた。
が…
そこから一時間が経ち二時間が経ち…
一向に僕の名前が呼ばれない。
そしてさらに二時間が経ち…僕は準備が出来てから四時間待たされたのである!
もう夜中の2時だ。
僕はさっきまでの緊張が眠気に変わってしまっていた。
そしてやっと「ヤース イープン(日本)!」と呼ばれリングイン。
ワイクーは相手の真似をした。
1R 青年は微笑みを浮かべながら軽く攻撃をしかけてくる。
僕は駆け引きなしで思い切りミドルを連打。すると当たる当たる。いい流れでラウンドを終えた。
そして2R、微笑みの青年はそこにはいなかった。鬼の形相で向かってくる。
しかしリーチに勝る僕の攻撃がよく当たり最後は右のパンチが当たりKOしてしまった。
リングを降りると賭けのオヤジ達は親指を立て僕を賞賛した
僕もいい気になり何を言われたかわからないが喜んだ。
そしてファイトマネー300バーツ(1000円)を手にし、またトラックの荷台に揺られ寺院に戻った。
一面星空で夜風がとても気持ちよかったのを覚えている。
昔話③
タイ着初日に試合をすることになった僕はタイ人にこれからの一切を全て任せることにした。ここはタイ。郷に従うのが一番だと思ったからだ。
しかし不安である。
どうなってしまうのだろうか。でもなんとかなりそう。人生なるようにしかならないのだ。そう自分に言い聞かせた。
そして僕はトラックの荷台にタイ人と一緒に乗り込み、試合場へと出発した。
タイには交通法規がない。厳密に言うとあるのだが、ほぼないに等しい。
荷台に何人乗ろうがスピードをどれだけ出そうがそこは自由な国タイ。ありえないスピードで会場に向かった。
一時間ほど走っただろうか。辺りには民家も電灯も全くなくなりただ真っ暗な道をひたすら直進(ばく進)していた。
こんなとこに試合会場があるわけがない…
ますます不安になっていると何かがぼんやりと見えてきた。
リングだ!
暗闇の中にただぽつんと浮かんでいるように見えた。
近づくにつれムエタイ独特のチャルメラのような音楽と賭けをするオヤジの声が聞こえてきた。
「あーマジで着いてしまった…」
試合はすでに始まっており、子供から大人まで色んな選手がリングに上がり鋭いキックとパンチを繰り出していた。
肘打ちで額をザックリ切られている選手やパンチで倒され白目を剥いている選手…。
僕はその雰囲気に圧倒され夢を見ているような気分になった。
しかし不安である。
どうなってしまうのだろうか。でもなんとかなりそう。人生なるようにしかならないのだ。そう自分に言い聞かせた。
そして僕はトラックの荷台にタイ人と一緒に乗り込み、試合場へと出発した。
タイには交通法規がない。厳密に言うとあるのだが、ほぼないに等しい。
荷台に何人乗ろうがスピードをどれだけ出そうがそこは自由な国タイ。ありえないスピードで会場に向かった。
一時間ほど走っただろうか。辺りには民家も電灯も全くなくなりただ真っ暗な道をひたすら直進(ばく進)していた。
こんなとこに試合会場があるわけがない…
ますます不安になっていると何かがぼんやりと見えてきた。
リングだ!
暗闇の中にただぽつんと浮かんでいるように見えた。
近づくにつれムエタイ独特のチャルメラのような音楽と賭けをするオヤジの声が聞こえてきた。
「あーマジで着いてしまった…」
試合はすでに始まっており、子供から大人まで色んな選手がリングに上がり鋭いキックとパンチを繰り出していた。
肘打ちで額をザックリ切られている選手やパンチで倒され白目を剥いている選手…。
僕はその雰囲気に圧倒され夢を見ているような気分になった。
昔話②
寺院に連れてこられた僕はトランクス一丁になり早速練習を開始した。
するとリングの周りに人が次々と集まってくる。
“変な日本人が一人で来て練習している”と。
僕は言葉がわからないので黙って練習していたのだが、一人の僧侶が「試合にでないか?」という感じのジェスチャーをしている。
冗談だと思い、「うんうん」と言うと僧侶は携帯を取り出し誰かと連絡を取り始めた。
そう、試合をその電話で組んでしまったようである!
引っ込みがつかなくなった僕は“マジかよー”と思いながらも試合をすることになった。
どうやら今晩らしい。
あれよあれよと話が進み僕はタイという国を肌で感じた。
するとリングの周りに人が次々と集まってくる。
“変な日本人が一人で来て練習している”と。
僕は言葉がわからないので黙って練習していたのだが、一人の僧侶が「試合にでないか?」という感じのジェスチャーをしている。
冗談だと思い、「うんうん」と言うと僧侶は携帯を取り出し誰かと連絡を取り始めた。
そう、試合をその電話で組んでしまったようである!
引っ込みがつかなくなった僕は“マジかよー”と思いながらも試合をすることになった。
どうやら今晩らしい。
あれよあれよと話が進み僕はタイという国を肌で感じた。