NHK 総合テレビ 2008/12/14(日) 00:20~ (土曜深夜)
11月23日(日)にNHKに「番組たまご」枠で放送されるはずだった「ブラタモリ」が
元厚生事務次官連続襲撃の容疑者自首の臨時ニュースで延期。
いつ放送するのやらと待ちわびていましたが、やっと見ることが出来ました。
「タモリ倶楽部」のようだが、ちょっとゆったりと落ち着いた感じで作られている。
また、流浪の番組よりCGなどでお金をかけられているのと、
下調べ取材の質の厚さが、さすがNHKと思わせた。
番組がシリーズモノの昇格したら面白そうだ。
NHK「ブラタモリ」公式サイト
内容は地図、坂道、川、電車好きなタモリの古地図片手の散歩に、
久保田祐佳アナが勉強しながら付き合っている感じ。
仕切りはもちろんタモリ主導。
散歩の経路は、明治神宮⇒原宿⇒表参道⇒青山通りの書店でした。
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ブラタモリ・記事リンク
「番組たまご」放送時 「明治神宮⇒原宿⇒表参道⇒青山通り」
第1回 「早稲田」
第2回 「上野」
第3回 「二子玉川」
第4回 「銀座」
第5回 「三田・麻布」
第6回 「秋葉原」
第7回 「日本橋」
第8回 「本郷台地」
第9回 「品川」
第10回 「横浜」
第11回 「浅草」
第12回 「神田」
第13回 「新宿・大久保」
第14回 「赤坂」
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★冒頭
NHK社屋のバックに雷鳴をとどろかせるCG。
(そこにお金をかけなくてもいいだろうーっ!)
まずはスタジオで久保田アナと収録の段取り。
語りは銀河鉄道999のメーテルの声でおなじみの池田昌子さんである。
(加賀美アナで「テレビファソラシド」 の再来でもよかったかも)
古地図を広げて楽しそうなタモリに、
全く地図に魅力を感じてなさそうな久保田アナ。
「われわれは5000年の歴史の上に住んでいる」と、
ここでタモリが古地図の説明と魅力を始める。
江戸時代の江戸の地図を見ながら、大名屋敷の名前がそれぞれ
いろんな向きから書かれていることについて説明。
それは地図上の屋敷名の頭の●印が、屋敷の玄関を示しているからだそうな。
理由は、屋敷が広いので玄関が分かるようにとのこと。(ほほ~、なるほど)
ここで久保田アナが屋敷が広いということで、
「植木屋さん結構繁盛したんですかね」とボケる!
「そういう問題じゃない!」とタモリがツッコミ。(笑)
タモリが古地図の魅力を語る。
「江戸時代の道、同じ道を武士が歩いていたり、町人が歩いていたりしている。
その道を今現在自分が歩いている」という感覚みたい。
(「タモリ倶楽部」を見ている人には、もうよく分かっていることかも)
例として、罪人の市中引き回しの経路を自分で歩いてみる話がでた。
そんなに遠くない昔と同じ道を歩く面白さだと・・。
ここでタモリが注目している明治時代地図の場所は、現在の原宿周辺。
とくに明治神宮の場所には当時森が無いことに注目。
ここへ行きましょうということに。
ちなみにタモリはそこに流れている川にも興味。
池田さんの語りではタモリの散策好きについてちょいと説明があり、著書、
が紹介された。
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★明治神宮・森の秘密
明治神宮を訪れたタモリと久保田アナは、案内役の造園家・景観デザイナー
涌井雅之さんと合流。「ハウステンボス」や「愛・地球博」の設計をした人である。
涌井雅之 公式プロフィール(三桂所属)
実は涌井さんの恩師・上原敬二氏(1889 - 1981・東京農業大学名誉教授)が
明治神宮設計に携わった一人という。
ということで、木の数17万本、70万平方メートルの広さの神宮の森は
人工的に計画的に作られた森なのだそうだ。
池田さんの語りで明治神宮の成り立ちを説明。
1912年(明治45年)の明治天皇崩御により、明治天皇を祭る神社建設を計画。
建設地に選ばれたのは、代々木御料地。でも神社につき物の森が無かった。
そこでここに森を作るという国家プロジェクト「林苑計画」が始まる。
森の専門家や造園家など学者が集められ、その英知を結集した
「林苑計画」の資料が紹介された。
それによると森は100年先まで3段階に予想されている。
最初は背の高い針葉樹を植える。(森を立派に見せるため)
その下に広葉樹が植える。(土壌に適していて将来の成長が期待できる)
50年後、針葉樹が次第に枯れてゆき、広葉樹が生長。
100年後、豊かな広葉樹の森が完成する。
・・・というもの。(すごいな)
森作りは1915年(大正4年)に始められ、延べ11万人がボランティアで植林。
ここで1920年(大正9年)の「明治神宮・鎮座祭」のフィルムが紹介された。
出来たばかりの神宮には確かに森が無い。
そして現在も森を完成させる計画は続いているそうな。
ここで森を守る明治神宮・林苑主幹の沖沢幸二さんにインタビュー。
彼は毎日木の健康を観察している。その方法とは、木槌で木の幹を叩いて、
カーンという締まった音なら健康、コンという鈍い音なら中が腐っていると、
作業をしながら説明してくれた。彼は毎日森を歩いて贅沢というか幸せだと語る。
沖沢さんも合流。彼が森の変化が見れる場所へ案内。
参道脇にある朽ちた木を見ながら歩く一同。
斜めに倒れている木を、役割を終えた木だと説明する沖沢さん。
倒れた木と、下から生えてくる新しい木の世代交代がが行われているのですね。
一行が参道を歩きながら気付いたことは、参道の真ん中に落ち葉が一列に
並んでいること。これは参道の清掃の仕方なのだという。
さっそく道を特別な竹箒(柄が長くて箒が平たい)で掃いている「はきやさん」
にインタビュー。落ち葉だけを掃いて、玉砂利を残すのはかなり技術が必要。
タモリが挑戦したが、かなり難しそうだった。
真ん中に集められた落ち葉は森の中に返されて次の世代の肥料に。
一行は明治神宮・御社殿でお参り。
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★原宿にひそむ、失われた川
明治神宮には「南池」という池がある。この池は「清正井」からの湧き水から
出来ており、池から原宿の駅の下へ川となって流れている。
つまり原宿方面に川があるということ。次はこの川に注目というわけです。
ここで古地図(明治42年の土地利用図)をチェック。
確かに当時の地図には原宿駅の下を通って原宿方面に川が記されている。
「この川は今どこにいっちゃったんですかね?」と、素朴な疑問の久保田アナ。
ここで、タモリお得意の暗渠(あんきょ)の話題です。
「アンキョ!?」久保田アナは暗渠を知らなかった。 ⇒暗渠(Wiki)
その暗渠を探して竹下通りを歩く一行。
駅から竹下通りの下は川だったようです。
今は上をフタされて、暗渠になっているわけですが・・。
古地図によると、川の流れが竹下通りの途中から外れるので、
一行は川が流れていたっぽい「ブラームスの小径」へ。
道の脇の石の作りが、かつての川の護岸の跡っぽいと指摘する
タモリと涌井さんは、近所のご夫人に、昔ここが川だったことを確認。
涌井さんは歩いていくうちに、昔の人の気配を感じるタモリの
楽しみ方をわかってきたようです。久保田アナも暗渠の跡を発見して進歩を見せる。
通りを抜けると、そこは現在の「キャットストリート」。
小さかった川は、ここで大きな流れ=渋谷川と合流したようです。
渋谷川も今は暗渠ですが・・。
ここで池田さんの語りで、このあたりがかつて穏田(おんでん)と呼ばれた
場所であることが説明される。
葛飾北斎の富嶽三十六景「隠田の水車」の場所、そのものらしい。
ちなみに渋谷川が唱歌「春の小川」であることをチラリと紹介。
先を進むと「キャットストリート」に平行して走る小路を発見。
(場所は神宮前5丁目11番あたり。「LOCANDA F・Q」~「神宮前トーラス」)
どうやらこの小路が元の川で、洪水対策で今のキャットストリートの場所に
ズバっと真直ぐに川を引きなおしたらしいと推理。確かめるため久保田アナは
あたりの人に尋ねて回るが、知っている人が居るはずもなく・・・。
(タモリと涌井さんはその間に近所のタコ焼き屋で休憩。)
ここで久保田アナが地元に詳しい鈴木均さんを助っ人に調達。
(ここから彼も合流)
推理は正しかったようで、渋谷川は1936年(昭和11年)ごろに、
このあたりで曲がっていた川を真直ぐにする工事をした、とのこと。
残った曲がった川跡は、埋められて道になったという。
ここで鈴木さんが中学生の時に撮った渋谷川の写真を見せてくれた。
渋谷川が暗渠になって姿を消した訳とは・・。それは東京オリンピック。
1964年の開催に向けて、代々木には競技場や選手村が建設された。
(現在の代々木体育館や、国立オリンピック記念青少年総合センター)
この時、外国人を多く迎え入れるために水洗トイレにする必要があった。
そこで下水道整備を迫られた。が、下水道管を通す時間もないため、
川を下水管の代わりにしてしまった。なので次々と川に下水を集め、
川の上にフタをして暗渠化し、大きな下水管にしたのでした。
オリンピックのために結構無茶苦茶なことをしていたことに驚く久保田アナ。
北京のことを悪く言えないとタモリ。
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★表参道のミステリー
タモリ一行が表参道に戻ってきた。ここで通りを歩く若者に、
表参道が神宮の参道であることを知っているか尋ねてみるが、
その由来を知る若者は少ない。
またもや池田さんの語りで、表参道の成り立ちを。
表参道は明治神宮と同時に作られた参道。
ここで表参道完成当時の1920年(大正9年)のフィルムと写真が紹介される。
幅36メートル、長さ1キロメートル。当時としてはものすごく広い道。
この場所を代表している建物=表参道ヒルズ。
表参道ヒルズの建っている敷地は、なぜか細長い三角形をしている。
それは表参道を無理に通したからだそうで、今度はその理由に注目。
ここは江戸時代に安芸(広島)の殿様・浅野家の屋敷があった場所。
その敷地に斜めに参道を通してしまったため、
残った角が細長く三角になったということみたい。
タモリが気になっているのは、表参道ヒルズの道の反対側にある、
ブランド店「ポール・スチュアート」が入っているビルの石垣。
(神宮前5-7-20の神宮前太田ビル)
タモリが店に入って、ポール・スチュアートの店員さんに聞いてみる。
すると、このビルのオーナーさんが、昔からある石垣を残したいということで
今の外観になっているのだという。
店員さんが連絡してオーナーの太田さんを呼んでくれた。
またもや池田さんの語り:この石垣は表参道を作ったときの名残。
内務省神社局「明治神宮造営誌」から紹介され、その中には、
このあたりの小山を切断する必要があったと書かれている。
石垣はその土留めのために作られたのですね。
当初、通りの両側に石垣があったのだが、現在はここだけが残っている。
太田貞敏さん(息子さん?)に腕を支えられながらやってきたのが
オーナーの太田良子さん。ここで80年前から暮らしてたご主人(故人)が
愛していたこの石垣をどうしても残したいという強いご意志があったそうな。
オーナーのおかげで、今も86年目に作られた石垣が拝めるのですなぁ。
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★青山通りのスリムな書店
1965年(昭和40年)に大学生として上京したタモリがよく来たという
表参道の交差点付近にやってきた一同。
この交差点に立っている参道の入口を示す灯篭の大きさに、
新ためて驚く久保田アナ。
この交差点から青山通りを北に見ると、細長いビルの本屋「山陽堂」がある。
この本屋はタモリが大学生の時には既にあったという。
さっそく山陽堂にお邪魔して狭い店内を見て回る。
またまた池田さんの語りによる「山陽堂書店」の歴史。
店の創業は1891年(明治24年)。
1931年の「山陽堂書店」ビルの写真が紹介される。この時には3階建てで
大きな窓が4間ある横幅の広いビルだった。
しかし店が小さくなったきっかけは、またもや東京オリンピック。
青山通りの道幅拡張(22m⇒40m)によってビルが削られたため、
現在の細い部分だけが残っている。
店主の萬納幸江さんは、ご主人と店を手放さず、残すことを選択したのだと。
当時のビルは従業員の宿舎も兼ねていたから、彼らの住むアパート手配も
しなければならないし、工事で店は休めないし・・。と、大変だったようだ。
タモリが40年あまり前にこの前をよく通ったと話すと、
当時店主が背負っていた赤ちゃん=娘さん:遠山秀子さんを紹介。
彼女はこの店の4代目だそうで、奥には5代目(?)の歩さんの姿も。
ここで店主幸江さんが、青山通りには当時都電が通っていたと言ってしまうから
「このそばには青山車庫があったんですよね」と、タモリの鉄道話に火がついた。
トロリーバスも通っていたらしい。
久保田アナはトロリーバスが何なのか分からないため、タモリが説明。
トロリーバスは分類では電車で、無軌道(無軌条)電車という。
と、久保田アナに熱弁しているのでした~。
池田さんの語り:このビルの外の側面には、画家・谷内六郎の
「傘の穴は一番星」という壁画が描かれている。
もともと週刊誌の広告宣伝のために描かれたそうだ。
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タモリの言いたかったことは、何気なく歩いているところも、
考えながら歩いてみると、面白いところがいろいろあって楽しい。
ということなのでしょう。
久保田アナも多少は興味がわいてきたようだ。
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★出演
メイン: タモリさん 久保田祐佳アナ
案内: 涌井雅之さん(造園家・景観デザイナー)
沖沢幸二さん(明治神宮・林苑主幹)
鈴木均さん(原宿の案内)
太田貞敏さん(石垣のビルオーナー)
萬納幸江さん(山陽堂書店店主)
語り: 池田昌子 (俳協の公式サイト) ← 銀河鉄道999のメーテルの声
★スタッフ
取材協力…ゼンリン 昭文社 (←地図の会社)
舘野允彦 (←「江戸‐昭和」の歴史がわかる東京散歩地図 著者)
安富弘樹 (←都市環境研究所スタッフ)
原宿表参道欅会
神宮前地区町会連合会
資料提供…明治神宮
山陽堂書店
青山を研究する会
白根記念渋谷区郷土博物館・文化館
東京都下水道局
渋谷区
講談社
毎日新聞社
国際航業
撮影………浅野康治郎 井上哲二
音声………山田憲義 大谷英夫
美術………森本功
CG制作…・花房伸行
音響効果…黒田正信
編集………行徳美津子
取材………林幹雄 牛久保明子
ディレクター・相部任宏 小林諭
制作統括…尾関憲一
制作・著作…NHK
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取材協力の舘野允彦の著書を紹介。
これを読んで散策するのも良いのではないでしょうか。
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また、こんな本もあります。
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江戸東京散歩/竹條 創 ![]() | ![]() | ![]() |
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