コマネチ大学 #46 | シャブリの気になったもの

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コマネチ大学 #46
たけしの コマネチ大学数学科 #46  2007/05/24 深夜OA


今回のテーマは、
「ヒルベルト空間」


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ドイツの数学者、ダフィット・ヒルベルト(1862~1913)、彼が記した幾何学の
基礎は、世界中の読者を感動させたといわれ、20世紀の数学は、
彼を抜きにしては語ることはできませんよ。  (戸部アナ)


今のブログの順位は・・・こんな感じ
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新コーナー:
今回はありませんでした。


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中村先生による、冒頭の「ヒルベルト空間」解説。
普通は関数なんだけれども、関数の大きさの決め方がある。
大きさが決まると長さみたいなものだから、関数の問題を解くときに
幾何学の問題に置き換えて考えることができる。



「テロップ」 <ヒルベルト空間> 
関数の大きさを考えて関数についての問題を幾何学の問題にする工夫。
(具体的な例が知りたいと思った)


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Q:
任意の四角形の周りに10個の正方形を書く時、
左辺(①+②+③+④)と、右辺(⑤+⑥+⑦+⑧+⑨+⑩)に手を加えて
等式を成立させるのは、両辺をどうすれば良いでしょう。



コマネチ大学#47 問題

(図をクリックすると拡大されます↑)
先生の説明:
1.①~⑩はそれぞれの正方形の面積をあらわしている。
2.⑨⑩は任意の四角形の対角線を一辺にする正方形。
(私の実感:この問題文だけじゃ辛いだろう・・
 何をすればいいのか伝わってこない。しかも最後までその説明は無かった。
 私からの補足:①~⑩がそれぞれ何倍されると、等式が成り立つでしょうか)


タカさんの決め文句は、
It's Math Time !!


中村先生のポイント:
真ん中の四角形がどんな形であっても、答えの関係式は成り立つので、
まず、簡単な四角形を用意してやってみる。


東大生は、わかりやすい1:1:2:√2の四角形から始めている。
マス北野は、正方形を真ん中の四角形として作図を始めている。
東大生はどうやら関係式が出た模様。3パターンで試したが、
うまくいっているようだ。だが、何故そうなるのかがわからない。
マス北野は「あ~ん、やんなっちゃった」とか「こんな難しい問題出しやがって」
とか、「ギャラ半分返すから帰りたい」とグチをこぼしている。



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A:
コマネチ大学生の解答

コマ大の検証は、2時間かけて山に登り、杉を切って正方形の板を作って検証。
木をのこぎりで切り続けて1時間。秩父広域森林組合の中野さんに
チェーンソーで手伝っていただくことに。 (先週に引き続き秩父です)
たった2分で切り落とされた杉を製材所に持ち込み、10種類の正方形を
作っていただいた。
大きな天秤を用意して、それぞれの大きさの正方形の板を載せてつりあわせる。
つりあった組合せが答えになる。
左(①②③④):右(⑤⑥⑦⑧⑨⑩)とやってみると断然右が重たい。
左(①①③③④④):右(⑤⑥⑦⑧⑨⑩)とやってみると、つりあわない。
なんと!
次の、左(①①①②②②③③③③③④④④):右(⑤⑥⑦⑧⑨⑩)で、つりあった。
準備時間4時間、検証時間5分。
答え。3x① + 3x② + 5x③ + 3x④ = ⑤+⑥+⑦+⑧+⑨+⑩



マス北野の解答
任意の四角形を正方形の場合のみの答え。(ちょっとお手上げ状態)
答え。3(①+②+③+④) = ⑤+⑥+⑦+⑧+⑨+⑩


東大生の解答
わかりやすい1:2:√2:√5の四角形から始めている。



コマネチ大学#47 東大


これだと、
①+②+③+④ : ⑤+⑥+⑦+⑧ : ⑨+⑩ が 12 : 28 : 10 になるとわかり。
12を4倍して、10を2倍するといいことが閃いて、
4x12 = 28 + 2x10 = 48 で正しそうだ。
他の四角形からスタートしてもこの方法で合っている。
よって、答えはこれだとわかったが、何故そうなるのかまではわからなかった。
答え。4(①+②+③+④) = (⑤+⑥+⑦+⑧) + 2(⑨+⑩)


正解は、
4(①+②+③+④) = (⑤+⑥+⑦+⑧) + 2(⑨+⑩)

東大生チームが正解である。


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美しい数学の世界 (先生の解説)


<余弦定理を使った解法>


コマネチ大学#47 中村1(余弦)

コマネチ大学#47 中村1(余弦2)


<中間定理を使った解法>


コマネチ大学#47 中村2(中間)

コマネチ大学#47 中村3(回転)


(注意:番組のテロップ内の図は、三角形の表記が間違ってましたね)
導かれた⑨+⑤=2(①+②)と同様に他の辺についても行うと、
⑨+⑤=2(①+②) ←今の式
⑨+⑦=2(③+④)
⑩+⑥=2(②+③)
⑩+⑧=2(①+④)
これを縦に足して
2(⑨+⑩)+⑤+⑥+⑦+⑧ = 4(①+②+③+④)



★今夜の応用編


<ヒルベルト空間とは何なのか>
ヒルベルト空間というのは、内積が決められている空間のことで
内積は図形上では学校で習うが、
ここでは大きさ、長さとして普通考えられないものを扱う。
「ヒルベルト空間」では、微分方程式も幾何学の知識を使って解きやすくできる。
名付け親は、ジョン・フォン・ノイマン(1903~1957)。
量子力学を考える時に使える方法だった。


※ベクトルの内積とは

コマネチ大学#47 中村5(内積)

※内積とノルムの話


コマネチ大学#47 中村4(平行四辺形)

だから、中間定理のAB^2というのは、ノルム(||AB||^2)に等しい。
なので、長さというものをノルムで表すことができる。


ノルムは元々ラテン語で標準・基準という意味。
ロシアに渡るとノルマと変化し、
意味もソビエト時代に労働量の基準の意味になった。
今、日本でいわれている”ノルマ”はここからの由来である。



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★気になったもの

☆ジョン・フォン・ノイマン(1903~1957)。
ハンガリー系ユダヤ人の数学者。数学・物理学・工学・経済学・計算機科学・
気象学・心理学・政治学に影響を与えた (wikiより)
ノイマンは、プログラム内蔵方式のコンピュータ・アーキテクチャ考案したことでも
有名で、「ノイマン型」と呼ばれる。
現在のコンピュータは、ほとんど「ノイマン型」である。


番組で、ノイマンの写真の下に出ていたテロップは、
「Aの状態にあったものが、ある時間たって、 
 Bの状態になるかどうかミクロの世界では確率しかわからない。
 そこで量子力学では、状態をヒルベルト空間で表す事ができる」
アインシュタインは、この考え方には反対の立場をとっていて、
「神はサイコロを振らない」という言葉を残している。


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今週のフィールド賞:東大生


講師:中村亨 
(1963年生まれ。東京大学大学院理学系研究科数学専攻修了、理学修士。)
数学21世紀の7大難問 中村 亨



解答者:
マス北野
木村美紀(東京大学薬学部4年)
松江由紀子(東京大学農学部4年)
コマネチ大学生


2007/05/24 深夜OA


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